木造3階建て共同住宅は、賃貸経営において注目度が高まっている建築形態です。2019年の建築基準法改正により設計の自由度が増し、小規模な土地でも収益性の高い物件を建てやすくなりました。本記事では、木造3階建て共同住宅の定義・投資面でのメリット・デメリット・適した土地条件を解説します。
木造3階建て共同住宅とは何か?
以下の4条件を全て満たす住宅を「木造3階建て共同住宅」と定義します。
- 防災地域以外の区域に建設されている
- 技術的基準をクリアした構造
- 地階を除く階数が3で、全スペースが共同住宅または下宿・寄宿舎
- 各寝室に避難経路として使えるバルコニーが設置されている
2019年6月の建築基準法第27条改正により、延べ床面積200㎡未満の小規模な土地では耐火建築物以外での設計・建築が可能になりました。これにより建築コストの大幅な削減が実現しています。
賃貸経営における木造3階建て共同住宅のメリットとは?
投資家・オーナーにとって以下の5つのメリットが挙げられます。
鉄骨・RC造より建築費が安い
木造住宅は鉄骨・鉄筋コンクリート造より重量が軽く、基礎工事・地盤整備のコストも削減できます。初期投資を抑えることで早期の投資回収が可能になります。
建築基準法特例による追加コスト削減
2019年の法改正で準耐火建築物として建築可能となり、耐火建築物に比べて建築費を抑えられます。小規模土地を活用したい投資家にとって特に有利な条件です。
法定耐用年数が短く税制優遇を活かせる
木造の法定耐用年数は22年(鉄骨34年・RC47年)と短いため、減価償却費が増え、課税所得を早期に圧縮できます。賃貸経営における節税効果が大きく、資金回収スピードが向上します。
設計の自由度が高い
木造は加工しやすく、設計プランに柔軟に対応できます。差別化戦略の観点からも、独自性の高い間取り・デザインを実現しやすいのが強みです。
狭小地でも延べ床面積を増やして収益性アップ
3階建てにすることで、狭い土地でも戸数を確保し収益性を高めることができます。都市部の狭小地でも賃貸経営が成立するため、立地選択の幅が広がります。
賃貸経営における木造3階建て共同住宅のデメリットとは?
2階建てより建築費が高く工期も長い
3階建ては「準耐火性能」と「燃えしろ設計」が必要で、太い柱・梁・厚めの石膏ボードを使用するため建築費が上昇します。工期も2階建て平均3ヶ月に対し、3階建ては平均4ヶ月かかる点を考慮してください。
適した土地が限定される
防災地域では耐火建築物が必須となりRC並みのコストがかかるため、木造3階建てには容積率160〜200%程度の防災地域外の土地が適しています。
施工できる建築会社が少ない
構造計算できる有資格者を有し、木造3階建て共同住宅の施工経験を持つ会社は多くありません。会社選びに時間がかかる点も考慮が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 木造3階建て共同住宅の建築費はどれくらいですか?
鉄骨・RC造より安いものの、2階建て木造よりは高くなります。坪単価は地域・仕様によって異なりますが、準耐火仕様の場合RC造の6〜7割程度のコストが目安です。
Q. 法定耐用年数22年が過ぎた後の賃貸経営はどうなりますか?
耐用年数経過後も建物が使用可能であれば賃貸経営を継続できます。ただし金融機関からの評価が下がりやすいため、追加融資を検討する場合は早めの計画が必要です。
Q. 防災地域では木造3階建ては建てられませんか?
防災地域でも耐火建築物として建てることは可能ですが、RC造並みのコストがかかります。木造のコストメリットを活かしたい場合は防災地域外の土地を選びましょう。
Q. 木造3階建て共同住宅を建てるために信頼できる施工会社はどう探せばいいですか?
構造計算の有資格者がいること・木造3階建て共同住宅の施工実績があることの2点を必ず確認してください。複数社から見積もりを取り比較することが重要です。
Q. 2019年の建築基準法改正でどう変わりましたか?
延べ床面積200㎡未満の小規模な土地であれば、従来の4つの厳しい建築基準を全てクリアしなくても設計・建築が可能になりました。これにより建築コストと設計の制約が大幅に緩和されています。