株や不動産を多く保有する方の間で、資産管理会社(プライベートカンパニー)の設立が注目されています。本記事では、資産管理会社の基本概念・設立メリット・コスト・設立に適した資産・年収規模を詳しく解説します。
資産管理会社とは何か?プライベートカンパニーの定義
資産管理会社とは、自分の所有する株式・不動産などの資産を有利に管理する目的で設立する法人です。「プライベートカンパニー」とも呼ばれます。個人で資産を管理するより多くのメリットがあるため、高所得者・資産家の間で設立する人が増えています。
資産管理会社を持つメリットとは?3つの節税効果
法人税率で節税できる(最大税率約30%)
個人の所得税+住民税の最大税率は55%ですが、法人の実効税率は最大約30%程度です。年収900万円超で不動産投資等の資産運用を個人で行っている場合、法人化することで税率差を活用できます。
相続対策として有効
法人を設立し、配偶者や子供を役員に据えて役員報酬を支払うことで、生前から財産移転が可能です。見込みの遺産額が1億円を超える場合は法人設立の検討をおすすめします。役員報酬は納税資金の確保にも活用できます。
所得分散で家族全体の税負担を軽減
収入のない・少ない家族を従業員として雇用し給与を支払うことで、所得の分散が可能です。家族全体の収入を合算した場合の税負担が軽くなり、手元に残るキャッシュが増えます。ただし、実質的な業務の有無が問われるため、名目だけの給与支払いは否認されるリスクがあります。
資産管理会社のコストとは?数値で把握する注意点
設立コスト:15万〜30万円程度
司法書士報酬・登録免許税・定款認証手数料・印紙代などが発生します。資本金の額によっても異なりますが、一般的に15〜30万円の設立費用を見込む必要があります。
資産移転コスト:最高55%の税負担
法人のお金を個人に移す際(役員報酬・配当)は総合課税として最高55%の税率がかかります。これが資産移転コストであり、節税効果と相殺される点に注意が必要です。
維持コスト:税金+税理士報酬
法人住民税(赤字でも年間最低7万円程度)・法人税申告費用として税理士報酬(年間30〜80万円程度)が継続的にかかります。これらを上回るメリットがなければ設立する意味はありません。
資産管理会社を開設する手順
- 社名・本店所在地・出資者・資本金・決算月を決める
- 代表者印・社印・銀行印の作成、定款・登記書類を準備
- 法務局へ登記書類、税務署へ開業届と青色申告承認申請書を提出
どのような人が設立すべきか?
以下のいずれかに該当する場合は設立を検討する価値があります。
- 給与所得が年間900万円超
- 不動産投資などで資産運用を個人で行っている
- 見込みの遺産額が1億円超
- 収入のない・少ない家族がいる
よくある質問(FAQ)
Q1. 資産管理会社の設立には最低いくらの資本金が必要ですか?
現在の法律では株式会社の最低資本金規制がなく、1円から設立可能です。ただし取引先への信頼性や融資審査を考慮すると、実務的には100万円以上が一般的です。
Q2. 個人で保有している不動産を法人に移す際の税負担は?
個人から法人への不動産売却は「時価」での取引が原則です。含み益がある場合は譲渡税が発生するため、移転コストと節税メリットを税理士に試算してもらうことを強くおすすめします。
Q3. 家族を役員にすれば必ず節税になりますか?
実際に業務を担当しているか・報酬額が妥当かが税務調査の対象となります。過去の最高裁判例でも実質的な業務のない役員報酬は否認されたケースがあります。
Q4. 資産管理会社を設立すると毎年かかる維持費はどのくらいですか?
赤字でも法人住民税が年間最低7万円程度、税理士報酬が年間30〜80万円程度かかります。これらのコストに見合うメリットが期待できるかを事前にシミュレーションしましょう。
Q5. 設立後に事業活動がなくても法人を維持する意味はありますか?
活動がなくても法人住民税の均等割り(最低7万円)は課税されます。節税・相続効果が見込めない場合は休眠または解散を検討しましょう。