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三田の再開発でマンション価格はどう動いた?芝との差と投資判断

三田の再開発でマンション価格はどう動いたのか。国交省の取引データをもとに当社が集計すると、2023年から2025年に三田は+51.8%、港区全体は+29.2%、隣の芝は+4.1%でした。事業の進み具合と投資判断の軸を解説します。

最終更新: 約12分で読めます

2026年9月時点の情報です。

港区三田(みた)では、再開発が進むなかで中古マンションの㎡単価が港区平均を上回るペースで上がりました。国土交通省の取引データをもとに当社が集計すると、2023年から2025年の上昇率は三田が+51.8%、港区全体が+29.2%です。一方、同じ港区で隣接する芝は+4.1%にとどまっています。

三田の再開発エリアでマンションを買うべきか、すでに持っている物件をどう見ればよいか。この記事では、事業の進み具合と実際の取引価格から、三田のマンション相場を整理します。後半の「INAの見方」では、当社としての判断軸をお伝えします。

この記事のポイント

  • 三田では三田ガーデンヒルズが2025年3月に竣工し、三田小山町西地区は工事中、三田五丁目西地区は2026年度の着工を予定しています。
  • 国交省データをもとに当社が集計すると、三田の中古マンション㎡単価は2023年の146.1万円から2025年の221.8万円へ上がりました。
  • 隣接する芝は同じ期間に150.0万円から156.1万円で、2025年は港区全体を17.6%下回っています。
  • 三田は2016年以降築の取引が27.0%と、港区全体の18.0%より多く、取引される物件の構成も異なります。
  • 買い時・様子見・見送りの判断軸は、記事後半の「INAの見方」で当社の見立てとして示します。

三田エリアで進む再開発は何か?完了した事業と進行中の事業

三田の再開発とマンションの関係を見るうえで、取り上げる事業は4つです。竣工済みの大型分譲マンションが1つ、工事完了の予定時期を迎えた複合開発が1つ、住宅を含むこれからの事業が2つです。

三田ガーデンヒルズは、三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが港区三田一丁目で開発した総戸数1,002戸の分譲マンションです。敷地は約25,000㎡で、2025年3月31日に竣工しました。住まいとしての特徴は三田ガーデンヒルズが港区で示した住まいの価値で紹介しています。

三田三・四丁目地区は、地上42階・高さ約215メートルの複合棟を中心に、住宅棟(225戸)や学校などを含む約4.0ヘクタールの事業です。計画の詳細は三田三・四丁目地区再開発の計画概要にまとめています。

これから住宅が供給されるのが、三田一丁目の三田小山町西地区(住宅1,342戸)と、白金高輪駅の近くで進む三田五丁目西地区(地上45階・高さ約160メートル)です。それぞれ三田小山町西地区の街区再編三田五丁目西地区の複合開発で詳しく解説しています。

各事業のスケジュール(目標)

事業 所在地 住宅 これまでの経過 今後の予定
三田ガーデンヒルズ 三田一丁目 1,002戸 2025年3月31日竣工(実績)
三田三・四丁目地区 三田三丁目・四丁目 225戸 2020年3月建築工事着工(実績) 2025年度(令和7年度)工事完了(予定)
三田小山町西地区 三田一丁目 1,342戸 2022年12月権利変換計画認可、2025年1月建築工事着工(実績) 2028年度(令和10年度)工事完了(予定)
三田五丁目西地区 三田五丁目・白金一丁目 公表資料に戸数の記載なし 2023年10月都市計画決定、2025年7月組合設立認可(決定) 2026年度着工、2030年度工事完了(予定)

三田三・四丁目地区の工事完了は、港区のページ(2026年3月更新)で令和7年度の予定とされています。工事完了の実績は、この記事の時点で確認できていません。

三田の再開発でマンション価格はどう動いたか?国交省データで検証

三田の中古マンション価格は、2024年から2025年にかけて大きく上がり、港区全体との差が開きました。国土交通省の不動産取引価格情報をもとに、町名が「三田」「芝」の中古マンション等の取引を当社が集計し、港区全体と並べたのが次の表です。

年別の㎡単価(中央値)と取引件数

三田 港区全体
2023年 146.1万円(144件) 150.0万円(114件) 146.7万円(2,081件)
2024年 170.0万円(149件) 160.0万円(133件) 166.7万円(1,993件)
2025年 221.8万円(180件) 156.1万円(136件) 189.5万円(2,241件)
2026年(第1四半期のみ) 230.8万円(61件) 176.0万円(23件) 200.0万円(432件)

2023年から2025年の上昇率は、三田が+51.8%、芝が+4.1%、港区全体が+29.2%です。2023年の三田は港区全体とほぼ同じ水準でしたが、2025年には港区全体を17.0%上回りました。

伸び方にも特徴があります。三田は2023年から2024年が+16.4%、2024年から2025年が+30.5%で、後半に加速しています。三田ガーデンヒルズが竣工したのは、この2025年です。

三田の直近5四半期

四半期 ㎡単価(中央値) 取引件数
2025年第1四半期 200.0万円 41件
2025年第2四半期 201.1万円 50件
2025年第3四半期 230.0万円 40件
2025年第4四半期 244.4万円 49件
2026年第1四半期 230.8万円 61件

2026年第1四半期は230.8万円で、2025年の年間値(221.8万円)を上回っています。ただし直前の2025年第4四半期(244.4万円)と比べると5.6%低い水準です。2026年の数字は第1四半期だけの暫定値で、後から取引が追加されます。

実際の取引額はいくらか

2025年から2026年第1四半期までの取引でみると、三田は241件で、取引額の中央値は1億4,000万円、専有面積の中央値は60㎡です。取引のおおむね半数が5,900万円から2億6,000万円の範囲に入っています。

港区全体(2,673件)は中央値1億1,000万円・55㎡で、取引の半数が5,000万円から2億円の範囲です。三田は面積がやや広く、価格帯も上に広がっています。

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)「不動産取引価格情報」(国土交通省)をもとにINA&Associates株式会社作成。2026年9月時点で取得できたデータによります。直近の四半期は後から取引が追加されるため暫定値です。本データは最新性、正確性、完全性等が保証されたものではありません。

ご所有の物件が、同じ町名・同じ築年帯の取引と比べてどの水準にあるかを知りたい方は、INAにご相談ください。

隣の芝ではマンション価格の伸び方がなぜ違うのか?取引の中身を比較

芝の中古マンション市場は、三田とは取引される物件の中身が違います。取引の中心は40㎡前後の住戸で、築年の構成も三田と異なります。

2025年から2026年第1四半期までの芝の取引は159件です。取引額の中央値は5,200万円、専有面積の中央値は40㎡で、取引の半数が3,300万円から1億3,000万円に収まっています。三田の中央値(1億4,000万円・60㎡)と比べると、面積は3分の2、取引額は4割弱の水準です。

築年別にみると、違いがさらにはっきりします。

建築年 三田(241件) 芝(159件) 港区全体(2,673件)
2016年以降 65件(27.0%) 21件(13.2%) 482件(18.0%)
2000〜2015年 89件(36.9%) 89件(56.0%) 1,352件(50.6%)
1999年以前 87件(36.1%) 49件(30.8%) 831件(31.1%)

※対象は2025年〜2026年第1四半期の取引。港区全体の件数には建築年不明の8件を含みます。

三田は2016年以降に建てられた物件の取引が27.0%あり、港区全体の18.0%を上回ります。芝は2000〜2015年築が56.0%を占め、2016年以降築は13.2%です。

芝五丁目では、田町駅西口駅前地区開発事業が進んでいます。地上24階・高さ約125メートルの事務所・商業施設・産業支援施設で、2025年10月に着工し、2029年3月の建物竣工を予定しています。主要用途に住宅は含まれていません。

なお、芝の2026年第1四半期は23件と件数が少なく、176.0万円という数字から傾向は判断できません。

INAの見方(2026年9月時点)

ここからは公表資料ではなく、当社の見立てです。

三田の上昇は「街の評価」と「取引物件の変化」が重なっている

三田の㎡単価が3年で5割上がったのは、再開発によって街の評価が上がった結果だと私は考えています。三田ガーデンヒルズのような1,000戸を超える高級分譲が成立したこと自体が、三田という住所の格を市場に示しました。

ただし、この数字を「三田の物件はどれも5割上がった」と読むのは危険です。三田では2016年以降築の取引が27.0%と港区全体より多く、築浅で単価の高い物件が取引に多く含まれるほど、中央値は押し上げられます。取引データの中央値だけでは、この2つを切り分けられません。

たとえば、2000年代に建てられた三田の60㎡を検討する場合、エリアの中央値である1億4,000万円前後が妥当とは限りません。同じ築年帯の取引と並べて判断する必要があります。

芝は「再開発で上がる街」ではなく「働く人が借りる街」として見る

芝の取引の中心が40㎡・5,200万円前後であることは、単身者向けや投資用の住戸が市場の中心であることを示していると当社は見ています。芝五丁目で進む大型開発はオフィス中心で住宅を伴わないため、三田のように新しい住宅が相場を引き上げる形にはなりにくいと考えます。

一方で、田町駅西口の開発で働く人が増えれば、借りる需要の下支えになります。たとえば芝で40㎡の住戸を5,200万円前後で検討するなら、将来の値上がりではなく、今の賃料で採算が合うかを先に確認するのが筋です。

買い時/様子見/見送りの判断軸

  • 買い時と考えるケース: 三田で10年以上の長期保有を前提にし、ご自身が住む可能性も含めて検討する場合です。三田小山町西地区の工事完了(2028年度予定)まで、街の変化は続きます。
  • 様子見を勧めるケース: 三田で賃貸に回し、利回りを重視する場合です。2025年第4四半期の244.4万円が天井だったのか、2026年第2四半期以降の件数が揃うまで待つ価値があります。
  • 見送りを勧めるケース: 「再開発エリアだから上がる」という理由だけで、築古の物件を三田の中央値に近い単価で買う場合です。上昇の一部は、築浅物件の比率によるものかもしれません。
  • 芝で検討するケース: 2025年に港区全体を17.6%下回った水準は、割安というより市場の中身の違いです。値上がりを前提にせず、賃貸需要で採算が合う物件に絞るべきです。

次に確認すべき材料

三田小山町西地区で1,342戸が供給される局面は、三田の中古相場にとって試金石になります。新築の販売価格が中古の新しい目安になる一方、戸数がまとまって出れば、同じ層の買主が分散する可能性もあります。

三田五丁目西地区の権利変換計画認可と着工の時期も、白金高輪駅側の相場を見るうえでの材料です。

三田の再開発エリアでマンションの購入や売却を検討されている方は、同じ築年帯の取引との比較を含めて、INAにご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 三田の再開発でマンション価格は上がりましたか?

A. 国交省データをもとに当社が集計すると、三田の中古マンション㎡単価は2023年から2025年に+51.8%上がりました。港区全体の+29.2%を上回っています。一方で三田は築浅物件の取引比率も高く、当社の読み方は本文の「INAの見方」で解説しています。

Q2. 三田ガーデンヒルズはいつ竣工しましたか?

A. 三田ガーデンヒルズは2025年3月31日に竣工しました。港区三田一丁目の総戸数1,002戸の分譲マンションで、三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが開発しました。

Q3. 芝のマンション価格は三田と比べてどう違いますか?

A. 2023年から2025年の上昇率は、芝が+4.1%、三田が+51.8%でした。芝は取引額の中央値が5,200万円・専有面積40㎡で、2000〜2015年築の取引が56.0%を占めます。三田(1億4,000万円・60㎡)とは取引される物件の中身が異なります。

Q4. 今後の三田で予定されている再開発はどれですか?

A. 住宅1,342戸を含む三田小山町西地区(2028年度工事完了予定)と、地上45階の三田五丁目西地区(2026年度着工、2030年度工事完了予定)です。どちらも住宅を含む事業です。

引用・参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者