三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業は、田町駅・三田駅に近い約4.0haで、業務、住宅、商業、学校、幼稚園、生活支援機能を一体整備する港区の再開発です。高低差と幹線道路で分断されていた市街地に、公園、広場、歩行者通路、斜面緑地を組み込み、ビジネス交流拠点と生活環境を同時に更新する計画だと見ています。
この記事のポイント
- 三田三・四丁目地区再開発は、約4.0ha、事業費約1,574億円の大規模再開発です。
- 複合棟-1は地上42階・地下4階、約215mで、事務所・店舗・貸会議室・駐車場を中心に構成されます。
- 住宅戸数は合計225戸で、住宅だけでなく学校・幼稚園・生活支援施設を含む複合市街地です。
- 公園約700平方メートル、広場約4,800平方メートル、歩行者通路約185mが不動産実務上の重要ポイントです。
完成図を見ると、三田三・四丁目地区は単独の超高層オフィスだけではなく、複数街区を束ねた再開発であることが分かります。田町・三田の駅近接性と、三田四丁目側の落ち着いた居住環境をつなぐ点に特徴があります。
三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業とは?
三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業とは、東京都港区三田三丁目及び三田四丁目各地内で進む市街地再開発です。施行者は三田三・四丁目地区市街地再開発組合で、区域面積は約4.0haです。
港区は、この地区について、建物の老朽化、土地利用、防災上の課題を示しています。東京都都市整備局も、周辺幹線道路や高低差による市街地の分断、歩行者ネットワーク不足、低未利用地の存在を課題として挙げています。
この事業は、田町 三田 再開発の中でも、東京サウスゲート側の業務機能と居住環境をつなぐ意味が大きい計画です。田町駅、三田駅、高輪ゲートウェイ、泉岳寺方面の都市更新を考えるうえで、単体のビルではなく、歩行者動線と緑地を含めて見る必要があります。
既存の三田五丁目西地区再開発は、白金高輪寄りの別案件です。本記事で扱う三田三・四丁目地区は、札の辻交差点周辺から三田四丁目側へ広がる、田町・三田エリアの再編として整理します。
計画概要: 複合棟・住宅棟・学校施設はどう構成されるのか?
三田三・四丁目 再開発は、複合棟-1、複合棟-2、住宅棟-1、住宅棟-2で構成されます。業務機能を中心にしながら、学校、幼稚園、住宅、生活支援施設を組み合わせる点が特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名称 | 三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業 |
| 施行者 | 三田三・四丁目地区市街地再開発組合 |
| 所在地 | 東京都港区三田三丁目及び三田四丁目各地内 |
| 区域面積 | 約4.0ha |
| 事業費 | 約1,574億円 |
| 主な用途 | 事務所、店舗、貸会議室、学校、幼稚園、住宅、生活支援施設、駐車場等 |
| 住宅戸数 | 225戸 |
| 駐車場 | 483台 |
| 建築工事着手 | 2020年3月 |
| 工事完了予定 | 東京都資料では2026年3月、港区資料では2025年度 |
複合棟-1は、地上42階・地下4階、約215m、延べ面積約199,710平方メートルです。住友不動産東京三田ガーデンタワーとして知られる中核施設で、事務所、店舗、貸会議室、駐車場が主な用途です。
複合棟-2は、地上7階・地下1階、約27.7m、延べ面積約7,280平方メートルです。主な用途は学校、幼稚園、駐車場であり、オフィスだけでなく教育機能も地区内に組み込む構成です。
住宅棟-1は、地上9階・地下1階、約35.5m、延べ面積約21,100平方メートルで、住宅224戸を配置します。住宅棟-2は、地上4階・地下2階、約12.5m、延べ面積約590平方メートルで、住宅1戸と生活支援施設を含みます。
2026年5月時点で読む際は、工事完了時期の扱いに注意が必要です。東京都資料では「令和8年3月(予定)」、港区資料では「令和7年度」とされているため、記事公開時には個別施設の供用状況を確認するのが実務的です。
公共施設・都市基盤整備で何が変わるのか?
三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業の価値は、超高層棟の規模だけではありません。公園、広場、歩行者通路、斜面緑地を通じて、高低差のある街を歩きやすくする点が重要です。
| 区分 | 公式資料で確認できる内容 |
|---|---|
| 公園 | 公園1号 約700平方メートル |
| 広場 | 広場1号 約4,800平方メートル |
| 歩行者通路 | 歩行者通路1号 延長約185m |
| 緑地 | 久米設計資料では約1万平方メートルの緑豊かなオープンスペースに言及 |
| 都市課題 | 幹線道路や高低差による市街地分断、歩行者ネットワーク不足の改善 |
| 防災 | 老朽建物や低未利用地の更新により、防災性と土地利用を改善 |
外観イメージから読み取れるのは、複合棟-1が田町・三田エリアのランドマークとして機能することです。しかし、実務上は高さだけでなく、足元の広場や歩行者通路がどのように街をつなぐかを見る必要があります。
三田は坂が多く、三田通り、第一京浜、札の辻交差点、高輪方面の動線が複雑です。同じ徒歩分数でも、坂や横断、階段、雨天時の歩きやすさで入居者の体感は大きく変わります。
緑地とオープンスペースは、単なる景観要素ではありません。内見導線、昼休みの滞在、子育て世帯の安心感、オフィスワーカーの回遊性に関わるため、賃貸住宅にもオフィスにも影響します。
田町・三田・高輪エリアへの波及は?
三田三・四丁目地区再開発の波及は、田町・三田だけで完結しません。泉岳寺、高輪ゲートウェイ、三田五丁目西、芝浦方面の都市更新と合わせて、東京サウスゲートの一部として見る必要があります。
泉岳寺駅地区第二種市街地再開発や高輪ゲートウェイ周辺の整備により、田町から高輪方面の歩行者・業務・居住の流れは変化しています。三田三・四丁目は、その中間に位置する実務上の接点です。
港区 再開発の中でも、三田は派手な商業集客だけでなく、教育、寺町、オフィス、住宅が混在するエリアです。だからこそ、再開発の効果も一方向ではなく、オフィス需要、ファミリー需要、単身富裕層需要、教育環境を重視する層に分かれて表れます。
たとえば、田町勤務の単身者は駅距離と飲食利便を重視します。一方で、三田四丁目側の住環境を好む世帯は、静けさ、学校、坂道の負担、買い物動線を見ます。同じ三田エリアでも、入居者が評価するポイントは違います。
不動産オーナーが見るべき実務ポイントは?
不動産オーナーが見るべきポイントは、再開発による期待値ではなく、完成後にどの入居者層へ訴求できるかです。募集条件、内見導線、共用部の印象、管理品質を具体的に見直してください。
第一に、募集文は「田町・三田エリア」だけで終わらせないことです。住友不動産東京三田ガーデンタワー、札の辻、泉岳寺、高輪ゲートウェイ、三田通り、学校施設への距離感を、入居者の生活導線として説明する方が伝わります。
第二に、坂と歩行者動線を正直に伝えることです。高低差は人によって評価が分かれます。だからこそ、駅からの道順、夜道の明るさ、雨の日の歩きやすさ、バスやタクシーの使いやすさまで含めて案内することが信頼につながります。
第三に、共用部の清潔感を優先することです。再開発で街の足元が整うほど、既存物件のエントランス、廊下、照明、掲示物、メールボックスの古さは目立ちます。室内改修だけではなく、管理状態そのものが比較対象になります。
私たちが都心物件の募集現場を見ると、同じ賃料帯でも「内見前の印象」で差が出ることがあります。入口が暗い、掲示物が古い、共用廊下の清掃が甘い。こうした小さな違和感が、最後の判断で効いてきます。
管理会社の見直しや募集戦略の再設計を考える場合は、現場を歩くことから始めるべきです。地図だけでなく、田町駅、三田駅、泉岳寺方面から実際に歩き、どの導線が一番自然かを確認してください。
INAの見解
三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業は、田町・三田エリアの価値を底上げする重要な再開発です。ただし、その価値はオフィスタワーの高さだけではなく、歩行者通路、広場、緑地、学校、住宅が一体で整うことにあります。
私は、再開発エリアの不動産経営では、人財の提案力がさらに重要になると考えています。街の変化を理解し、入居者の生活像に翻訳し、募集文や内見時の説明に落とし込めるかどうかで成果は変わります。
短期的な賃料上昇だけを期待すると、判断を誤ります。むしろ、完成後の街の使われ方を観察し、募集条件、改修優先順位、管理品質、出口戦略を長期視点で組み直すことが大切です。
三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業は、東京サウスゲートの都市更新を読むうえで欠かせない計画です。田町・三田の実需、高輪方面の変化、既存物件の管理品質まで含めて見ることで、不動産経営に活かしやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業は完成していますか?
A. 公式資料では、東京都が2026年3月予定、港区が2025年度予定としています。記事公開時には個別施設の供用状況確認が必要です。
Q2. 住宅戸数はどれくらいですか?
A. 港区資料では住宅戸数は225戸です。住宅棟-1が224戸、住宅棟-2が1戸で、学校や業務施設も含む複合開発です。
Q3. 周辺賃貸への影響はありますか?
A. ありますが、家賃が一律に上がるとは限りません。歩行者動線、緑地、オフィス需要、管理品質との相性で影響が分かれます。
Q4. 三田五丁目西地区再開発とは違う案件ですか?
A. 別案件です。三田三・四丁目地区は田町・三田駅寄り、三田五丁目西地区は白金高輪寄りの再開発として分けて見る必要があります。