避雷針はマンションを落雷から守る重要な設備ですが、設置していても雷の被害を完全に防ぐことはできません。避雷針の仕組みと種類、設置義務、雷サージ対策、点検・メンテナンスの方法について、マンション運営者が知っておくべき情報を解説します。
避雷針の基本原理・仕組みとは?
避雷針は雷を「避ける」のではなく「呼び込む」ための設備です。先端がとがった針の形状で放電しやすくし、地面からの「お迎え放電」によって雷電流を安全に地面へ導きます。1752年にベンジャミン・フランクリンが発明し、270年以上の歴史があります。避雷設備は受電部・引下げ導体・接地の3つで構成されています。
マンションに雷が落ちたらどうなるのか?
落雷がマンションに及ぼす影響は、雷が建物のどこに、どんな経路で入るかで変わります。大きく3つに分けると被害の形が見えてきます。
| 入り方 | 何が起きるか | 主に傷むもの |
|---|---|---|
| 直撃雷(受雷部・屋上突角部への直撃) | 雷電流が受雷部から引下げ導線を通って接地極へ流れる | 屋上の手すり・笠木・防水層・パラペットの一部欠損 |
| 側撃・再放電 | 雷電流が流れている導体の近くにある金属(配管・手すり・鉄骨)へ火花放電が飛ぶ | 屋上設備、配管、近接する電気配線 |
| 誘導雷・雷サージ(電源線・通信線から侵入) | 建物に直撃がなくても、電線に生じた過電圧が屋内へ回る | 受変電設備、エレベーター制御盤、共用インターホン、住戸内の家電 |
マンションで実際に多いのは3つめの雷サージです。避雷設備は建物本体と人を直撃雷から守る設備であり、電線を伝って入ってくる雷サージまでは守りません。避雷針が正常でも、共用部の受変電設備やエレベーター制御盤、住戸内のテレビ・ルーターが壊れることはあります。
建築物への落雷被害について、国土交通省は2025年施行の避雷設備の基準改正の理由として、近年の建築物の落雷被害は建物屋上の突角部分のものが大半を占めていることを挙げています(国住指第532号・令和7年4月1日)。屋上の角、パラペットの縁、屋上に立つ設備の付け根が弱点になりやすい、ということです。
オーナー・管理会社の実務では、落雷が疑われる事象が起きたら次の順序で確認します。(1)受変電設備・非常用電源の動作、(2)エレベーターの状態(雷で停止した場合は保守会社による復旧確認が必要で、停電が復旧しても自動では動きません)、(3)屋上の受雷部・引下げ導線の目視、(4)共用インターホンと自動火災報知設備、(5)住戸からの申告受付。住戸内の家電の被害申告は落雷から数日遅れて出てくることが多いため、落雷の日時を管理日誌に残しておくと、保険請求のときに事実関係の整理が楽になります。
避雷針に落ちた雷はどこへ流れるのか?
避雷針が受けた雷電流は、受雷部 → 引下げ導線 → 接地極 → 大地、という一本道を通って地中へ逃がされます。避雷設備はこの3つの部分でできており、どこか1か所でも切れていると、雷電流が別の経路(配管、鉄骨、電気配線)へ迂回してしまいます。
- 受雷部:突針、むね上げ導体、屋上外周の金属製の笠木など、雷を受け止める部分
- 引下げ導線:受雷部から地面まで雷電流を運ぶ導体。鉄筋コンクリート造では構造体の鉄骨・鉄筋を利用することが認められています
- 接地極:地中に埋めた電極。基礎の鉄筋を使う構造体利用接地極も認められています
旧規格のJIS A 4201-1992では、接地抵抗の値が総合接地抵抗10Ω以下、単独接地抵抗50Ω以下(基礎・構造体を利用する場合は接地抵抗5Ω以下)と定められていました。現行の規格では、接地極をA型・B型(構造体利用接地極を含む)に分類する方式が採られています(国土交通省・国住指第532号の規格比較表)。
つまり「避雷針に落ちた雷はどうなるのか」の答えは、地面へ流れて拡散する、です。ただしそれは引下げ導線と接地極が健全な場合の話で、腐食や破断があると建物の内部へ回り込みます。避雷設備の点検で確認しているのは、まさにこの経路の連続性です。
避雷針はマンションのどこにあるのか?
マンションの避雷設備は、住民の目に触れない場所に分散して設置されています。探すなら次の場所です。
- 屋上のいちばん高い場所:塔屋(エレベーター機械室・階段室)の上や、高置水槽の上に立つ突針
- 屋上の外周:パラペット(立ち上がり壁)の上をぐるりと回るむね上げ導体、または外周を覆う金属製の笠木
- 屋上の角(突角部)と縁部:2025年4月から適用される新しい基準では、ここに受雷部を設置することが求められています
- 外壁の内部または構造体の中:引下げ導線。専用の導体が外壁に沿って隠されている場合と、鉄骨・鉄筋を導体として使っている場合があります
- 建物の足元・基礎:接地極。接地抵抗を測るための点検口(テストピース)が外構の地面に設けられていることがあります
入居者から「このマンションに避雷針はあるのか」と聞かれたときは、高さ20mを超えていれば法律上は必ず設けられている、と答えられます。20m以下の建物には設置義務がないため、無いほうが普通です。
避雷針にはどんな種類があるのか?
フランクリン型(従来型)
建物の最も高い場所に設置し、お迎え放電で雷を誘導して電流を地面へ流します。回転球体法によって防護範囲が定められています。
PDCE避雷針
雷を「落とさない」ことをうたうタイプの避雷針です。従来型が積極的に雷を呼び込むのに対し、PDCE避雷針は雷を誘導しないと説明されています。ただしこれはメーカーが示す製品特性であり、公的な規格で認められた性能ではありません。
ESE避雷針
「早期ストリーマ放出型」で、従来型より早くお迎え放電が起きるとされる製品です。メーカーは保護範囲が広く設置本数を減らせると説明していますが、日本の避雷設備の基準では保護範囲を回転球体法・保護角法・メッシュ法で算定することになっており、この方式による広い保護範囲は基準に採り入れられていません。
消イオン容量型避雷針
上空のマイナスと地面のプラスの電気を内部で中和し、落雷そのものの発生を抑えるとうたう製品です。落雷を抑制する効果を裏づける公的な検証データは公表されていません。導入を検討する場合は、メーカーの実績紹介ではなく、次に述べる法令上の扱いを先に確認してください。
ここで押さえておきたいのは、上に挙げた製品のうち法令上の避雷設備として認められるのは、大臣が定めた構造方法または大臣認定に適合するものだけだという点です。建築基準法施行令第129条の15第一号は、避雷設備の構造を「国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること」と定めています。この「大臣が定めた構造方法」(平成12年建設省告示第1425号)は、2025年4月1日以降、JIS Z 9290-3-2019に規定する外部雷保護システムに適合する構造を指します。落雷抑制型とうたわれる製品を採用したい場合でも、高さ20mを超える建築物ではまず告示に適合する避雷設備を成立させたうえで検討するという順序になります。
マンションに避雷針の設置義務はあるのか?
建築基準法により、高さ20mを超える建物には避雷針の設置が義務付けられています。20mには屋上の室外機・広告塔・煙突なども含まれます。20m以下でも、周囲に高層建築がない場合や落雷リスクが高い地域では設置をおすすめします。
設置基準の根拠となる条文はどこにあるのか?
避雷設備を義務づけているのは建築基準法第33条です。ただし条文には「ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」というただし書きが付いています。周囲を高い建築物に囲まれているなど、安全上支障がないと判断できる場合には免除される余地がある、という書き方です。
- 建築基準法第33条「高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」
- 建築基準法施行令第129条の14「法第三十三条の規定による避雷設備は、建築物の高さ二十メートルをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない。」
- 建築基準法施行令第129条の15 構造は大臣が定めた構造方法または大臣認定によること、雨水等により腐食のおそれのある部分には腐食しにくい材料を用いるか有効な腐食防止の措置を講じること
条文の対象は「二十メートルをこえる」建築物なので、高さ20.0mちょうどの建物は含まれません。
2025年4月から避雷設備の基準がJIS Z 9290-3に変わった
令和6年国土交通省告示第151号(令和6年3月8日公布)により避雷設備告示が改正され、令和7年(2025年)4月1日から施行されました。参照する規格がJIS A 4201-2003からJIS Z 9290-3-2019へ切り替わり、あわせてJIS A 4201-2003に適合する構造とする規定が廃止されたため、JIS A 4201-1992に適合する避雷設備も告示で定める構造には適合しないことになりました。改正の背景は、近年の建築物の落雷被害が屋上の突角部分のものが大半を占めており、そこへの保護方法を規定したJIS Z 9290-3-2019が制定されたことです。
主な違いは次のとおりです(一般建築物・保護レベルLPL Ⅳの場合。国土交通省・国住指第532号の比較表より)。
| 項目 | JIS Z 9290-3-2019(新) | JIS A 4201-2003(旧) |
|---|---|---|
| 屋上突角部・縁部の保護 | 突角部・縁部に受雷部を設置する。加えて、外周部を覆う金属製の笠木を利用するか、外壁の縁部の直近に沿って受雷導体を配置し突角部に受雷部を設置することが望ましい | 規定なし |
| 引下げ導線の平均間隔 | 原則20m以下(既存建築物における間隔は50m以下) | 原則25m以下 |
| 高層建築物の側壁の保護 | 高さ60m超75m以下は上部60m相当の部分、75m超は0.8H相当の部分に受雷部を設置 | 高さ60m超の場合に側壁部分へ受雷部を設置 |
| 保護角法の上限 | 地表面から受雷部の上端までの高さが20mの場合で最大53度(受雷部高さ60m以下に限る) | 同20mの場合で最大55度(同) |
経過措置は1年間です。改正告示の施行後1年を経過する日(令和8年〈2026年〉3月31日)までに工事に着手する建築物は、改正前の基準で設置できます。ここでいう「工事の着手」は避雷設備の工事ではなく避雷設備を設置する建築物そのものの工事の着手を指すため、建物の着工が令和8年3月31日以前であれば、避雷設備の施工開始が同年4月1日以降でも旧基準で足ります。
既存マンションのオーナー・管理組合に効いてくるところ
国土交通省の技術的助言(国住指第532号)は、経過措置期間中に着工した建築物や現に存する建築物の避雷設備がJIS A 4201-2003に適合する構造である場合、令和8年4月1日以降は建築基準法第3条第2項の既存不適格建築物になると明示しています。そのうえで、高さ20mを超える既存建築物について改正告示の施行後・経過措置期間の終了後に増築、改築、大規模の修繕または大規模の模様替を行う場合は、避雷設備をJIS Z 9290-3-2019に規定する外部雷保護システムに適合する構造としなければならないとしています。
同助言が示す改修工事内容の例(保護レベルLPL Ⅳの場合)を、既存設備の規格別に整理すると次のようになります。
| 既存設備の規格 | 求められる改修の例 |
|---|---|
| JIS A 4201-2003に適合 | 保護対象・受雷部の配置方法・高層建築物の側壁の保護・接地極システムの分類はいずれも対応不要。屋上の突角部・縁部に受雷部を設置する。引下げ導線の改修は不要だが、平均間隔が20mを超える場合は引下げ導線と導電性部材の間に生じる火花放電に対し、影響を受けない対策を施す |
| JIS A 4201-1992に適合 | 被保護部側部への追加保護が必要。既存の受雷部を活用しつつ、保護されない部分が生じている場合は回転球体法等を用いて受雷部を追加配置する。むね上げ導体が突角部等に設置されていない場合は、追加で突角部・縁部に受雷部を設置する。接地極システムは対応不要 |
築年数の古いマンションで大規模修繕を計画しているなら、長期修繕計画の避雷設備の項目を「同じものへの更新」ではなく「新基準への適合改修」として見積もり直す必要があります。出発点は、既存の避雷設備が1992年版に基づくものか2003年版に基づくものかを、竣工図と現地で特定してもらうことです。1992年版の物件は側部(側壁)への追加保護まで発生し得るため、費用の桁が変わります。
避雷針の設置・交換費用はどのくらいか?
- 新規設置:100万〜400万円程度(建物の大きさ・高さ・受雷部の数により変動)
- 修理・移設:40万円程度
接地工事・配線工事・接地抵抗測定などの工事費が含まれます。ただし避雷設備の工事費に公的な統計や標準単価はありません。上記は実勢としてよく示される範囲で、建物の形状や既存設備の状態によって大きく動きます。長期修繕計画に載せる金額は、必ず複数社の見積もりで確かめてください。
避雷針があっても発生する「雷サージ」とは?
雷サージとは、通信線や電源線を伝って雷電流が屋内に侵入する現象です。建物に直接落雷しなくても、近くへの落雷で電源線や通信線に高い電圧が誘導されます(誘導雷)。誘導される電圧の大きさは落雷の規模・距離・配線の状況で大きく変わるため、「何メートル離れていれば安全」という目安はありません。パソコンやテレビなどのデジタル機器は特に被害を受けやすいです。
雷サージ対策
- アース電位の調整で電位差を生じにくくする
- サージ防護デバイス(SPD)の設置(選定・適用の基準はJIS C 5381-12)
- 絶縁トランスの設置で雷サージのみを遮断
雷が鳴っているとき、マンションの中は安全か?
日本大気電気学会は、家の中は基本的には安全であり、落雷時には建物内に避難するのが最も安全な退避行動といえる、としています。鉄筋コンクリート造のマンションの住戸内は、屋外と比べれば十分に安全な場所です。ただし同学会は同時に、電灯線や電話線を経由して雷電流が入ることや、テレビアンテナへの落雷による損傷の可能性があり、落雷による住家の火災はしばしば発生している、と注意を促しています。
整理すると、マンション内での危険度は場所によって次のように分かれます。
| 場所 | 安全性 | 理由 |
|---|---|---|
| 住戸の居室内 | 安全 | 建物の構造体が雷電流の経路になり、内部の人には流れない |
| 敷地内に駐めた自動車の中 | 安全 | 同学会は車の中は安全空間といえるとしている。直撃を受けても中の人は大丈夫だが、相当の衝撃を受け、窓が割れたり一部焼き焦げたりすることもある |
| バルコニー・共用廊下・屋上 | 危険 | 屋外であり、手すりなどの金属に触れる可能性がある |
| 屋内でも電気機器や配線に触れている状態 | 注意 | 電灯線・通信線を経由した雷サージが機器に達しうる |
屋外での活動を再開する目安について、同学会は「雷鳴後30分経過しても、次の雷鳴を聞かなくなったら、中断した屋外行事を再開してもよい」としています。管理の現場では、屋上での作業や外構の点検を中断した場合の再開判断にそのまま使える基準です。
管理会社の実務としては、雷注意報が出た段階でやることは2つです。1つは屋上・塔屋・機械室での作業をいったん止めること。もう1つは、エレベーターの閉じ込め通報に備えて保守会社の緊急連絡先を手元に出しておくことです。雷による瞬時電圧低下でエレベーターが安全装置により停止した場合、電源が復旧しても自動では動かず、保守会社の対応が必要になることがあります。掲示板に「雷の後にエレベーターが止まった場合の連絡先」を貼っておくだけでも、夜間の問い合わせが減ります。
落雷が多い時期・地域はどこか?
気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)によると、年間の雷日数は東北から北陸地方にかけての日本海沿岸の観測点で多く、金沢の45.1日が最多です。月別の傾向も地域で異なり、宇都宮のような内陸部は夏に多く、金沢のような日本海側は冬に多くなります。
この違いは、点検時期の決め方に直結します。太平洋側の物件であれば春先、つまり雷シーズンの前に避雷設備を確認しておけば足ります。一方、日本海側の物件は冬季雷のシーズンが本番なので、秋のうちに受雷部・引下げ導線の目視と接地抵抗の測定を済ませておく組み立てになります。長期修繕計画で避雷設備の更新時期を検討するときも、立地の雷日数は判断材料のひとつです。
入居者に伝えるべき落雷対策とは?
- 雷サージ対応の電源タップを使用する
- 大型家電にアース線を付ける
- 使用しない電源プラグは抜いておく
- 日頃からデータのバックアップを取る
- 雷が近付いたら家電や水回りから離れる
よくある質問(FAQ)
Q. 避雷針の点検頻度は?
A. 「年1回」を一律に義務づける法令はありません。JIS A 4201:2003は雷保護システムの検査について、被保護物の種類及び腐食問題に関して決定する周期によって定期的に行う、としており、周期は対象ごとに決めるという立て付けです。法令上の位置づけとしては、建築基準法第12条第1項の特定建築物定期調査の項目に避雷設備が含まれており(平成20年国土交通省告示第282号)、報告の時期は同法施行規則第5条によりおおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定めます。高圧受電のマンションであれば、電気事業法に基づく保安規程の年次点検で接地抵抗を測定する機会があるため、そこに避雷設備の接地の確認を組み込んでおくと、別立てで手配する手間が省けます。
Q. 避雷針と避雷器(SPD)の違いは?
A. 避雷針は建物や人を直接落雷から守り、避雷器は電子機器を雷サージから守ります。
Q. 雷サージ対応の電源タップは繰り返し使える?
A. 一度過電圧を吸収すると保護機能が失われるため、定期的に交換が必要です。
Q. 避雷設備は建築基準法の定期報告の対象ですか?
A. 特定建築物定期調査の調査項目に含まれています。平成20年国土交通省告示第282号は、避雷設備について「避雷針、避雷導線等の劣化及び損傷の状況」を「目視等により確認する」こととし、「避雷針又は避雷導線が腐食、破損又は破断していること」を要是正の判定基準としています。報告の時期は建築基準法施行規則第5条により、建築物の用途・構造・延べ面積等に応じておおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定めるものとされ、対象となる建築物も特定行政庁が指定します。まず自分の物件が定期報告の対象かどうかを、所在地の特定行政庁が公表している対象建築物の一覧で確認してください。
Q. 高さ20mちょうどのマンションに避雷設備は必要ですか?
A. 必要ありません。建築基準法第33条の対象は「高さ二十メートルをこえる建築物」であり、20m以下は含まれません。施行令第129条の14も「高さ二十メートルをこえる部分を雷撃から保護するように」設けると定めています。ただし高さの算定は屋上に突き出た部分の扱いで変わり得るため、20m前後の建物では確認申請時の高さの算定根拠を竣工図で確認するのが確実です。
Q. 2003年版JISで造った避雷設備は、今すぐ直さないといけませんか?
A. 直ちに違法になるわけではありません。令和8年4月1日以降は建築基準法第3条第2項の既存不適格建築物という扱いになります(国土交通省・国住指第532号)。ただし高さ20mを超える建物で増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合には、その機会にJIS Z 9290-3-2019に適合する構造とすることが求められます。大規模修繕を控えているマンションほど、現況の規格を早めに確認しておく価値があります。
Q. 避雷針があれば住戸内の家電も守られますか?
A. 守られません。避雷設備(外部雷保護システム)が守るのは建物本体と人であり、電源線・通信線を伝って入る雷サージには効きません。住戸内の機器を守るのは避雷器(SPD)や雷サージ対応の電源タップの役割です。共用部については、受変電設備・エレベーター制御盤・自動火災報知設備・共用インターホンといった、止まると生活に直結する設備の電源側にSPDが入っているかを、電気設備の保守会社に確認しておくのが実務的です。
