マンション相続では、物件の評価額・控除額・税率の3要素で税額が決まります。首都圏を中心にマンション保有者が増えるなか、相続税対策を事前に把握しておくことが資産承継の重要な課題となっています。
マンション相続税の計算方法とは?
マンション相続税の目安は、「(相続税評価額-控除額)×税率」で求められます。相続税評価額は国税庁の財産評価基本通達に基づいて算出され、市場価格とは異なります。評価額が高くなるほど税率も上昇するため、事前のシミュレーションが不可欠です。
評価額はどう算出するのか?
マンション1室を所有している場合でも、建物の専有部分+土地の持ち分割合の合算が評価額の基本です。
- 土地(路線価あり):路線価÷㎡ × マンション全体面積 × 持ち分割合
- 土地(路線価なし):固定資産税評価額 × 財産評価基準書の税率 × 持ち分割合
- 建物:固定資産課税標準額(購入金額の約70%が目安)
持ち分割合は専有面積に基づき、登記事項証明書で確認できます。
賃貸中のマンションは評価額が下がる
所有マンションを賃貸している場合、貸家建付地・貸家評価が適用され節税効果があります。
- 土地:自用地評価額 ×(1-借地権割合×借家権割合)
- 建物:建物評価額 ×(1-借家権割合)
自用物件より低く評価されるため、賃貸経営は相続対策にも有効です。
マンション相続税で使える2つの主要控除
相続税は基礎控除・配偶者控除を活用することで、大幅に圧縮できる場合があります。どちらの控除も他の控除と併用が可能です。
基礎控除:相続人数で変わる
基礎控除額 = 3,000万円 +(相続人数 × 600万円)
- 相続人1人:3,600万円
- 相続人2人:4,200万円
- 相続人3人:4,800万円
相続評価額が基礎控除額を下回る場合は課税されません。
配偶者控除:最大1億6,000万円
配偶者が相続する場合、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のうち高い方まで控除が受けられます。相続税評価額が1億6,000万円以下であれば、配偶者への相続税はゼロになるケースも多いです。
不動産投資として賃貸マンションを保有するオーナーにとって、相続税の評価減と控除の組み合わせは有効な出口戦略の一つです。詳しくは不動産投資の総合スキル解説も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. マンションの相続税評価額は市場価格と同じですか?
いいえ。国税庁の財産評価基本通達に基づく評価額で算出されるため、一般的に市場価格より低くなります。
Q2. 賃貸中のマンションは相続税が安くなりますか?
はい。貸家建付地・貸家評価により、自用物件より評価額が下がります。借地権割合や借家権割合を確認しましょう。
Q3. 基礎控除と配偶者控除は同時に使えますか?
はい。両控除は併用可能です。配偶者控除を適用した上で残額に基礎控除を充当できます。
Q4. 相続税の計算は自分でできますか?
路線価や固定資産課税標準額が分かれば概算算出は可能ですが、正確な税額は税理士への相談を推奨します。
Q5. 相続税の申告期限はいつですか?
被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。期限を過ぎると加算税・延滞税が発生します。