浜松町二丁目地区第一種市街地再開発事業は、JR浜松町駅と都営地下鉄大門駅に近接する東京都港区浜松町二丁目で進められている市街地再開発事業です。対象区域は約0.7haで、従前は老朽建築物の集積、広場空間の不足、災害時の安全性や避難性の課題が指摘されていた街区でした。事業ではそれらの課題解消を前提に、住宅、業務、商業、文化機能を組み合わせた複合拠点へ更新する方針が採られています。
再開発は段階的に進んでおり、先行する高層棟「WORLD TOWER RESIDENCE」は地上46階・地下2階、高さ約185m、総戸数389戸の住宅主体施設として2024年11月に竣工しました。2025年3月から入居が始まっており、浜松町駅徒歩2分、大門駅直結という交通条件を備えた都心居住拠点として稼働段階に入っています。これに続いて中層棟の整備が進み、全体竣工は2027年5月、港区立みなと芸術センター「m~m」の開館は2027年11月1日が予定されています。
施行者は浜松町二丁目地区市街地再開発組合で、参加組合員は世界貿易センタービルディング、鹿島建設、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、東京建物の5社です。都市計画決定は2017年、組合設立は2018年、2020年3月に権利変換計画認可、2021年3月に着工という流れで進行してきました。浜松町駅西口側の大規模更新の一角として、駅前の歩行環境や都市機能の再編と連動している点がこの計画の前提です。

計画概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名称 | 浜松町二丁目地区第一種市街地再開発事業 |
| 所在地 | 東京都港区浜松町二丁目 |
| 施行者 | 浜松町二丁目地区市街地再開発組合 |
| 参加組合員 | 世界貿易センタービルディング、鹿島建設、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、東京建物 |
| 設計・施工 | 鹿島建設 |
| 区域面積 | 約0.7ha |
| 延べ面積 | 約74,860㎡ |
| 高さ | 約185m |
| 階数 | 地上46階・地下2階 |
| 構造 | RC造主体、一部SRC造・S造・CFT造 |
| 主要用途 | 住宅、事務所、店舗、文化施設 |
| 住宅戸数 | 389戸 |
| 都市計画決定 | 2017年 |
| 組合設立認可 | 2018年 |
| 認可等 | 2020年3月 権利変換計画認可 |
| 着工 | 2021年3月 |
| 竣工 | 第1期高層棟は2024年11月竣工、全体竣工は2027年5月予定 |
| 文化施設開館 | みなと芸術センター「m~m」2027年11月1日予定 |
計画の特徴
本事業の中心となるWORLD TOWER RESIDENCEは、浜松町駅西口側の駅近接地に立地する超高層住宅棟です。JR浜松町駅から徒歩2分、都営地下鉄大門駅と接続する交通条件を備え、東京モノレールの浜松町駅利用も視野に入るため、都心部の移動に加えて羽田空港方面へのアクセスにも優位性があります。住戸は1LDKから3LDK、専有面積は40.15㎡から148.21㎡まで設定されており、単身からファミリーまで複数の居住需要を想定した構成です。
施設構成は住宅単体ではなく、中層棟を含む複合開発として計画されています。中層棟には商業機能、業務機能「WTC annex」、文化機能が導入される計画で、駅前に不足していた滞在機能を補完する役割を担います。特に文化機能では、港区立みなと芸術センター「m~m」が3階から9階に整備され、約600席のプロセニアム劇場、約100席の可動式ホール、4室のスタジオを備える予定です。住宅、業務、商業、文化を同一街区内で積層することで、昼夜や平日休日で利用主体が入れ替わる複合的な街区運用が想定されています。
また、再開発の意義は建物更新だけにとどまりません。従前課題だった防災性やオープンスペース不足に対し、敷地の再編と高度利用によって街区としての安全性と回遊性を高める計画です。駅前結節点としての性格が強い立地であるため、単なる住宅供給ではなく、周辺街区や駅改札と連動した歩行環境の更新まで含めて評価する必要があります。公表資料で確認できる範囲では未公表の項目もありますが、計画の主軸が駅前複合拠点の形成に置かれている点は一貫しています。
周辺プロジェクト・エリアとの関係
浜松町二丁目地区は、隣接する浜松町駅西口開発計画と連続した位置にあり、世界貿易センタービル建替えを含む駅前再編の一角を構成しています。駅前広場、自由通路、改札動線、業務機能の再配置といった広域的な更新のなかで、本地区は住宅と文化機能を受け持つ街区として整理しやすい案件です。オフィス中心になりやすい駅前再開発群の中で、居住機能と公立文化施設が同居する点が役割の違いになっています。
歩行者ネットワークとの関係も重要です。公表資料では、2026年にJR・東京モノレール浜松町駅北口の新改札から本地区へフラットに接続する自由通路の完成が予定されており、南口側でも自由通路整備が進められています。これにより、駅改札から再開発街区、大門駅方面、周辺街区への移動が段階的に更新される見通しです。駅に近いという立地条件だけでなく、駅から街区までの接続経路自体が再編される点で、街区の価値は周辺インフラ整備と一体で形成されます。
周辺エリアを広く見ると、竹芝・芝浦方面ではBLUE FRONT SHIBAURAなどの大規模事業も進行しており、浜松町・竹芝・芝浦一帯では業務、住宅、商業、文化、ウォーターフロント利用が分担配置される構図が強まっています。浜松町二丁目地区はその中でも、駅前直結性の高い住宅供給と港区立文化施設の導入を同時に担う街区です。周辺再開発全体の延床規模が大きいなかで、本地区は居住と来街目的の双方を支える機能を持つことで、エリア内の役割分担を補完しています。
INA短評
浜松町二丁目地区は、浜松町駅西口側の再編の中で、駅直結性の高い超高層住宅と港区立文化施設を同じ街区に組み込む点が特徴です。評価の焦点は高層棟の竣工だけでなく、2027年5月の全体竣工と同年11月のみなと芸術センター開館まで含めた街区完成後の使われ方にあります。