BLUE FRONT SHIBAURAは、港区芝浦一丁目で進む大規模複合開発です。
浜松町ビルディング、いわゆる東芝ビルディングの建替事業として、野村不動産と東日本旅客鉄道が共同で推進しています。南側のTOWER Sは2025年2月に竣工し、2025年9月1日に全体開業しました。北側のTOWER Nは2030年度の竣工が予定されています。
この計画を不動産の視点で見ると、単に「大きなビルができた」という話ではありません。浜松町、竹芝、芝浦、日の出ふ頭という、これまで少し分断されて見えやすかったエリアを、水辺と歩行者動線でつなぎ直す計画です。
この記事のポイント
- BLUE FRONT SHIBAURAは、浜松町ビルディング建替事業として進む芝浦一丁目の大規模複合開発です。
- TOWER Sは2025年9月に全体開業し、ホテル、オフィス、商業、船着場、緑の歩行者動線が整いました。
- TOWER Nが2030年度に完成すると、住宅用途も加わり、芝浦の昼夜人口と街の使われ方がさらに変わる可能性があります。
- 投資目線では、駅距離だけでなく、水辺、回遊性、都心アクセス、ホテル・商業の集積を合わせて見ることが重要です。

BLUE FRONT SHIBAURAとは?
BLUE FRONT SHIBAURAとは、東京都港区芝浦一丁目1番地1号他で進む、オフィス、ホテル、商業店舗、住宅などを含む大規模複合開発です。
公式情報では、敷地面積は40,104.29㎡、延床面積は550,450.80㎡。高さ約230mのツインタワーとして、TOWER SとTOWER Nの2棟で構成されます。
TOWER Sは、地上43階・地下3階。用途はオフィス、商業店舗等、ホテル、駐車場です。TOWER Nは、地上45階・地下3階。用途はオフィス、商業店舗等、住宅、駐車場とされています。
つまり、この開発は「働く」「泊まる」「食べる」「住む」「水辺で過ごす」を一体で設計する街づくりです。芝浦の印象を、業務地・湾岸住宅地という従来の見え方から、都心とベイエリアをつなぐ複合拠点へ変える可能性があります。
なぜ芝浦一丁目の再開発が重要なのか?
芝浦一丁目は、山手線・京浜東北線の浜松町駅、東京モノレール、都営浅草線・大江戸線の大門駅、ゆりかもめ竹芝駅や日の出駅を周辺に持つエリアです。
ただし、これまでは鉄道利便性の高さに比べ、水辺の魅力や歩いて回る楽しさが十分に伝わりにくい場所でもありました。オフィス、倉庫、港湾、水辺、公園、住宅が近接しながら、それぞれが別々に存在していたためです。
BLUE FRONT SHIBAURAの意味は、この分断を少しずつほどく点にあります。JR浜松町駅から芝浦方面へつながるGREEN WALK、日の出ふ頭のHi-NODE、港区立新浜公園、今後の船着場活用が重なることで、徒歩と水上交通の両方から街の体験を変えようとしています。
同じ浜松町周辺では、浜松町二丁目地区の再開発も進んでいます。周辺動向は、既存記事「浜松町二丁目地区第一種市街地再開発事業の概要」でも整理しています。

TOWER S開業で何が変わったのか?
TOWER Sの開業で最も大きい変化は、芝浦の水辺に「目的地」が生まれたことです。
高層部には日本初上陸のラグジュアリーホテル「フェアモント東京」、中層部にはオフィス、低層部には商業店舗が入りました。外構部ではGREEN WALKや港区立新浜公園も整備され、単なるビルの足元ではなく、周辺を歩く理由がつくられています。
特にオフィスは、1フロア約1,500坪規模の大きな床と、自然環境を活かした共用部を持つ設計です。都心の大型オフィス供給が続くなかで、BLUE FRONT SHIBAURAは「駅直結の効率」だけではなく、「水辺で働く体験」を前面に出している点が特徴です。
不動産価値の観点では、この違いは小さくありません。大型オフィス、ホテル、商業、公園、船着場が組み合わさると、街は平日昼間だけでなく、朝、夜、休日にも使われるようになります。滞在時間が伸びれば、商業の成立性や周辺賃料の見え方にも影響します。
TOWER N完成後に何を見ればよいのか?
TOWER Nは2030年度竣工予定で、用途には住宅が含まれています。
ここが、BLUE FRONT SHIBAURAを長期で見るうえで重要です。TOWER Sが「働く・泊まる・訪れる」を先につくり、TOWER Nが「住む」を加える構成だからです。
住宅が加わると、街の評価軸は変わります。オフィスワーカーやホテル利用者だけでなく、生活者の目線が強まります。スーパー、飲食、保育、医療、教育、日常の移動、公園の使われ方など、より細かい生活インフラの質が問われるようになります。
湾岸エリアの住宅価値は、眺望や建物グレードだけで決まるものではありません。日常的に歩ける範囲に、どれだけ心地よい公共空間と生活機能があるか。その点で、BLUE FRONT SHIBAURAの今後は、芝浦全体の住環境評価にも関わります。
不動産投資ではどこを見るべきか?
BLUE FRONT SHIBAURAを見るときは、建物スペックだけで判断しないほうがよいでしょう。
見るべきポイントは、少なくとも4つあります。
第一に、浜松町駅から芝浦への歩行者動線です。駅からの心理的距離が縮まるほど、周辺の商業・オフィス・住宅の評価は変わります。
第二に、水辺の使われ方です。船着場、日の出ふ頭、公園、テラスが日常利用されるようになれば、芝浦は「通過する場所」から「滞在する場所」へ近づきます。
第三に、周辺再開発との連動です。浜松町二丁目、竹芝、品川、高輪ゲートウェイ、日本橋など、東京では複数の再開発が同時に進んでいます。BLUE FRONT SHIBAURAも、「100年に1度の東京再開発ラッシュ」の一部として見る必要があります。
第四に、TOWER N完成までの時間軸です。TOWER S開業時点で評価が一度上がり、TOWER Nの進捗と住宅供給で、さらに見方が変わる可能性があります。短期の話題性と、2030年代の街の成熟を分けて考えることが大切です。
まとめ
BLUE FRONT SHIBAURAは、芝浦の水辺に新しいランドマークをつくるだけの計画ではありません。
浜松町から芝浦へ、都心からベイエリアへ、オフィスからホテル・商業・住宅へ。複数の動線と用途を重ねながら、街の使われ方そのものを変えようとする再開発です。
不動産の視点では、TOWER Sの開業だけで判断するのではなく、GREEN WALK、船着場、港区立新浜公園、TOWER Nの住宅用途まで含めて見る必要があります。芝浦が「都心に近い湾岸」から「都心と水辺をつなぐ生活・ビジネス拠点」へ移れるかどうか。それが、今後の資産価値を読むうえでの焦点になります。
FAQ
BLUE FRONT SHIBAURAの場所はどこですか?
所在地は東京都港区芝浦一丁目1番地1号他です。JR浜松町駅、日の出ふ頭、竹芝エリアに近い、芝浦の水辺に位置します。
BLUE FRONT SHIBAURAはいつ開業しましたか?
TOWER Sは2025年2月に竣工し、2025年9月1日に全体開業しました。TOWER Nは2030年度竣工予定です。
BLUE FRONT SHIBAURAの用途は何ですか?
TOWER Sはオフィス、商業店舗等、ホテル、駐車場で構成されます。TOWER Nはオフィス、商業店舗等、住宅、駐車場が予定されています。
不動産価値への影響はありますか?
周辺の歩行者動線、水辺活用、商業・ホテル・オフィス・住宅の集積が進むことで、芝浦エリアの認知、回遊性、滞在価値に影響する可能性があります。ただし、実際の価格や賃料は市況、金利、供給量、個別物件の条件によって変わります。