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建築基準法とは?マンション建築の条件・違反建築物・既存不適格物件を解説

建築基準法の基本からマンション建築の条件、違反建築物・既存不適格物件の違いまで解説。不動産投資の前に押さえるべき法律知識をまとめました。

最終更新: 約7分で読めます

マンションの建築にあたって、建築基準法をあらかじめ把握しておくことが重要です。所有地にマンションが建築可能か、どの程度の規模まで建てられるかを理解しておけば、スムーズに計画を進められます。

この記事では、建築基準法の特徴を踏まえた上で、マンションを建てるための条件や違反建築物・既存不適格物件について詳しく解説します。

建築基準法とはどのような法律なのか?

建築基準法とは、人々が安心・安全に暮らせるよう、建造物の建築時・利用時に守るべきルールをまとめた法律です。建物の用途や敷地、設備、構造などに基準が設けられています。

建築基準法の特徴

建築基準法では、建てられる建造物の種類や床面積・建築面積の上限などが定められています。建築前には「建築確認」で法適合を審査し、確認済証の交付を受けないと着工できません。工事中の中間検査、完了後の完了検査も必要です。

単体規定と集団規定の違い

単体規定は建造物自体の安全基準(構造の耐久性・耐震性・採光・換気など)で、全国共通で適用されます。集団規定はエリアの環境整備を目的とした基準(敷地・道路・建ぺい率・容積率・高さ制限など)で、主に都市計画区域と準都市計画区域内で適用されます。

建築基準法でマンションはどう分類されるのか?

マンションは建築基準法上「共同住宅」に分類され、さらに「特殊建築物」として扱われます。一般住宅より厳しい条件が課せられます。

共同住宅とは

1つの建造物に2戸以上の住宅や階段・廊下・エントランスがある場合、共同住宅に分類されます。

特殊建築物とは

不特定多数が出入りし、火災リスクがある建物は特殊建築物に該当します。マンションは学校・病院・百貨店などと同じ扱いとなり、建築条件が厳しくなります。

マンションを建てるための条件とは?

建築基準法ではマンション建築に関して多くのルールが定められています。主な条件を見ていきましょう。

建ぺい率・容積率

建ぺい率が大きいほど広い建造物、容積率が高いほど高層建築が可能です。土地や用途地域によって上限が異なります。

建物の高さ制限

高さ制限には絶対高さ制限・道路斜線制限・北側斜線制限・日陰規制の4種類があり、用途地域によって適用が異なります。

  • 絶対高さ制限:第1種・第2種低層住居専用地域で10mまたは12m以下
  • 道路斜線制限:前面道路の日当たり・風通し確保のための勾配制限
  • 北側斜線制限:北側隣地の採光確保のための高さ制限
  • 日陰規制:中高層建造物による日陰の時間制限

接道義務

幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。幅が不足する場合は「セットバック」により建築可能になるケースもあります。

防災設備の設置

3階以上のマンションでは、避難施設・消火栓・スプリンクラー(11階以上)・排煙設備・非常用照明・避難経路・避雷針(20m以上)・非常用エレベーター(31m超)などの設置が求められます。

間取り・内装の制限

壁や天井の仕上げには難燃材料や準不燃材料の使用が求められ、窓のない部屋は耐火構造が必要です。

採光性・通気性・遮音性

窓の面積は居室の床面積の1/7以上、換気のための開口部は1/20以上が必要です。隣接住民の生活音に配慮した遮音壁の導入も求められます。

定期報告義務

マンションは3年に1度の定期報告が義務づけられています。報告を怠ると100万円以下の罰金が課されます。

マンションを建築できる地域・できない地域はどう決まるのか?

マンションは都市計画区域内で建築され、都市計画区域外では基本的に建てられません。用途地域によっても制限があります。

都市計画区域の仕組み

都市計画区域は市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域に分けられ、マンションは主に市街化区域内で建築されます。

用途地域との関係

13種類の用途地域ごとに建ぺい率・容積率・高さ制限が指定されています。工業専用地域では原則としてマンションを建てることができません。

自治体条例の確認も必要

自治体によっては独自の条例があるため、事前に確認しておきましょう。

違反建築物と既存不適格物件の違いとは?

建築基準法に関連する問題物件には「違反建築物」と「既存不適格物件」の2種類があります。両者の違いを正確に理解しておくことが重要です。

違反建築物の特徴

建築確認申請をせずに建築したり、申請内容と異なる建物を建てた場合、違反建築物に該当します。主なケースは以下のとおりです。

  • 無許可での建築や申請内容と異なる建物
  • 建築後の敷地一部売却による建ぺい率・容積率超過
  • 無許可での増改築や用途変更

既存不適格物件の特徴

建築時は適法だったが、法令改正により現行基準に適合しなくなった物件です。そのまま居住・利用を続けることは問題ありませんが、増改築時には現行法への適合が必要です。該当するケースには、用途地域の変更、建ぺい率・容積率の改正、新耐震基準以前の建物などがあります。

違反建築物への投資を避けるためのポイントとは?

不動産投資において違反建築物を避けるには、以下のチェックが不可欠です。

建築確認申請書・検査済証の確認

建築確認申請書で設計の法適合性を、検査済証で施工後の問題がないことを確認できます。

消防点検の実施状況の確認

年1回の法定建築設備点検や3年に1回の特殊建築物定期調査報告が適切に行われていれば、建築基準法に則った物件である証拠になります。

既存不適格マンション購入時の注意点とは?

既存不適格物件でも好立地にあるケースは多いですが、以下のリスクを理解しておく必要があります。

  • 増改築・再建築の制約:現状の規模での増改築ができない場合がある
  • 資産価値の低さ:建物が古く、メンテナンスコストが増大する可能性
  • 融資の困難さ:他のマンションに比べて資金調達が難しい場合がある
  • 売却の難しさ:資産価値が低いと判断され、買い手が見つかりにくい

よくある質問(FAQ)

Q. 建築基準法の「建築確認」とは何ですか?

建物が法律に適合しているかを審査する制度です。適合が認められると確認済証が交付され、着工が可能になります。

Q. 違反建築物と既存不適格物件の最大の違いは?

違反建築物は建築時点から法令に違反しているもの、既存不適格物件は建築時には適法だったが法改正で基準を満たさなくなったものです。

Q. 既存不適格物件を増改築することはできますか?

可能ですが、増改築部分は現行の建築基準法に適合させる必要があります。規模によっては建て替えが求められるケースもあります。

Q. マンションが建てられない用途地域はありますか?

工業専用地域では原則としてマンションを建築できません。市街化調整区域でも基本的に建設は制限されています。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者