高輪三丁目品川駅前地区第一種市街地再開発事業は、東京都港区高輪三丁目の品川駅高輪口前で進む駅前再開発です。対象区域は約2.2haで、細分化された敷地や建物の集積を再編し、品川駅西側の玄関口にふさわしい複合市街地を形成することが事業の目的とされています。駅に近接する立地であるため、建物単体の更新ではなく、広場、歩行者通路、アクセス車路を含めた駅前空間全体の再構成が計画に組み込まれている点が特徴です。
計画の中心となるのはC-1街区の高層棟で、地下2階・地上30階、高さ約155m、延べ面積約186,900㎡の規模が想定されています。用途は事務所、商業、MICE、産業支援施設、住宅、集会場などで、住宅は約50戸とされており、住居主体というより業務、交流、来街者受け皿の機能を厚くした複合開発として読むのが実態に近い構成です。東京都は2024年2月20日に高輪三丁目品川駅前地区市街地再開発組合の設立を認可しており、スケジュールは2026年度着工、2028年度竣工予定と公表されています。

計画概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名称 | 高輪三丁目品川駅前地区第一種市街地再開発事業 |
| 所在地 | 東京都港区高輪三丁目(品川駅高輪口前) |
| 施行者 | 高輪三丁目品川駅前地区市街地再開発組合 |
| 事業主 | 公表資料で確認できる範囲では未公表 |
| 参加組合員 | 公表資料で確認できる範囲では未公表 |
| 事業協力者 | 大成建設、東京建物、野村不動産、三井不動産、三井不動産レジデンシャル |
| 区域面積 | 約2.2ha |
| 敷地面積 | 公表資料で確認できる範囲では未公表 |
| 延べ面積 | 約186,900㎡(C-1街区高層棟) |
| 高さ | 約155m |
| 階数 | 地下2階・地上30階 |
| 主要用途 | 事務所、商業、MICE、産業支援施設、住宅、集会場 |
| 住宅戸数 | 約50戸 |
| 都市計画決定 | 公表資料で確認できる範囲では未公表 |
| 認可等 | 2024年2月20日 組合設立認可 |
| 着工 | 2026年度予定 |
| 竣工予定 | 2028年度予定 |
| 事業費 | 約1,445億円 |
計画の特徴
本事業の特徴は、品川駅高輪口前の限られた駅前空間に、業務、交流、滞在、地域利用の機能を重ねていることです。C-1街区高層棟にはオフィス、商業、MICE、産業支援施設、住宅約50戸が導入される計画で、単純なオフィスビルや住宅タワーではなく、駅前で必要とされる複数の用途を一体で整備する構成になっています。MICEや産業支援施設が入る点は、日常的な就業人口だけでなく、会議、展示、来訪者、周辺事業者の活動を受け止める機能を駅前に置く計画であることを示しています。
歩行者基盤の整備内容も、この計画を特徴づける要素です。公開資料では、デッキレベルに約5,120㎡の広場を設けるほか、幅4.5〜10m・延長約165mの歩行者専用道路、幅8m・延長約130mのアクセス車路、デッキレベルの歩行者通路を整備するとされています。品川駅高輪口前は通勤、来街、ホテル利用などの人の流れが重なりやすい地点であり、こうした空間整備は建築ボリュームの確保と同じくらい重要な計画条件になっています。駅を出てすぐの場所で、通過だけでなく滞留にも対応する広場を確保することで、駅前の見通しや歩きやすさの改善が意図されています。
また、C-2街区には地域交流のための集会場が整備され、延べ面積は約170㎡です。大規模保留床を供給する高層棟とは別に、地域利用を想定した公共性のある機能を街区内に組み込んでいる点は、第一種市街地再開発事業としての性格を分かりやすく示しています。区域面積約2.2haという駅前街区の更新でありながら、建物用途、広場、通路、地域交流機能までを一つの事業で扱うことが、この計画の骨格です。
このように、同地区は品川駅前の単体再開発ではなく、駅前広場、歩行者ネットワーク、周辺の大規模開発と連動して都市機能を再編する事業として位置付けられます。
周辺プロジェクト・エリアとの関係
高輪三丁目品川駅前地区は、品川駅周辺で同時進行する広域的な再開発群の中でも、駅西側の結節点に近い位置を担う案件です。品川駅高輪口側は、新幹線、在来線、空港アクセス、周辺ホテル利用など複数の人流が交わるため、駅前の受け止め機能が街区整備の質に直結します。本事業で整備される広場や歩行者通路は、単体建物へのアクセス改善にとどまらず、駅前全体の回遊性を支える基盤として位置づけられます。
周辺では、JR東日本主導の高輪ゲートウェイシティが進み、2025年3月のまちびらきに続いて2026年春のグランドオープンが予定されています。延床面積約84万5,000㎡、4街区構成という大規模計画であり、品川・高輪エリアの人流と都市機能の重心を押し広げる存在です。これに対し、高輪三丁目品川駅前地区は、より駅前に近い地点で歩行者ネットワークと都市機能を補完する役割を担うため、両者は競合というより空間的に連続する関係で捉えやすい計画です。
さらに、品川駅西口A地区では、シナガワグース跡地を含む再開発が進められており、地上29階・高さ約152mの複合施設が2025年5月着工、2029年竣工予定とされています。品川駅前の東西、南北で複数の大型開発が進む中で、高輪三丁目品川駅前地区は高輪口前の足元を整える案件として位置づけられます。将来的にリニア中央新幹線の品川始発機能や東京メトロ南北線延伸構想が具体化すれば、駅前にはさらに多様な流動が集まるため、本事業が担う歩行者空間と複合機能の意味は相対的に大きくなります。
INA短評
高輪三丁目品川駅前地区は、超高層棟そのものの規模だけでなく、品川駅高輪口前の広場、歩行者動線、交流機能を一体で更新する点に計画上の重心があります。高輪ゲートウェイシティや品川駅西口A地区のような周辺大型開発と並べると、駅前の受け止め機能を補う役割が読み取りやすい事業です。用途構成と歩行者基盤整備を合わせて見ることが、この計画を理解する近道です。