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COLUMN

家賃収入の税金はいくら?所得税・住民税の算出方法と確定申告を解説

家賃収入にかかる所得税・住民税の算出方法、経費として計上できる項目、確定申告のやり方を解説。不動産オーナーの税金対策に役立つ情報を網羅しています。

最終更新: 約6分で読めます

不動産運営で家賃収入を得ると、年間の収入に対して複数の税金が課せられます。給与収入とは異なる税金の仕組みを理解しておくことが重要です。この記事では、家賃収入にかかる税金の種類・算出方法・確定申告のやり方を詳しく解説します。

家賃収入にはどんな税金がかかる?

アパートやマンション経営で賃料を受け取っている場合、主に以下の5つの税金が課せられます。

所得税

家賃収入は主に「不動産所得」として分類されます。経営規模が5棟または10室以上の場合は「事業所得」となり、必要経費の範囲や控除額が増えるメリットがあります。

住民税

所得税は年間所得20万円以下なら対象外ですが、住民税は必ず納める必要があります。「普通徴収」を選べば給与からの天引きを避けられるため、職場に家賃収入を知られたくない場合に有効です。

消費税

課税売上が1,000万円以上で消費税が課されますが、住宅用賃貸のみなら非課税です。契約書に「住宅用」の記載があるか確認しましょう。

固定資産税・都市計画税

不動産を所有している限り毎年納付が必要です。市街化区域の物件には都市計画税も課されます。

不動産取得税

物件取得から半年〜1年半後に納付書が届きます。突然の出費に備え、資金に余裕を持っておきましょう。

課税対象の範囲とは?何が経費になる?

家賃収入の内訳

賃料以外にも以下が家賃収入に含まれます。

  • 礼金・管理費・更新料
  • 駐車場収入
  • アンテナ基地設置料金
  • 自動販売機の収入
  • 共益費として受け取る電気代・水道代

入居者が家賃を滞納した場合でも、本来の収入として計上する必要があります。回収不能となった場合は損失として計上可能です。

経費として計上できるもの

経費項目内容
税金固定資産税・都市計画税・不動産取得税・収入印紙代(住民税・所得税は不可)
保険料火災保険・地震保険などの各種保険料
業務委託料管理会社への手数料(家賃の約5%が相場)
専門家報酬税理士・司法書士への報酬
減価償却費木造22年、鉄骨造34年、RC造47年の耐用年数で按分
修繕費クロス交換・設備修理・クリーニング代・修繕積立金
ローン金利借入金の金利・ローン手数料
その他物件視察の交通費、不動産関連書籍代

家賃収入にかかる税金はどう計算する?

所得税の算出方法

所得税は以下の3ステップで計算します。

  1. 不動産所得 = 家賃収入 − 必要経費
  2. 課税所得 = 不動産所得 + 他の所得 − 各種控除
  3. 所得税 = 課税所得 × 税率 − 控除額

税率は段階的に適用される「超過累進税率」です。195万円まで5%、330万円まで10%、695万円まで20%、4,000万円超で45%となります。

主な控除には基礎控除(38万円)、社会保険料控除、医療費控除、配偶者控除、扶養控除、青色申告特別控除(最大65万円)があります。

住民税の算出方法

住民税は所得金額の約10%で計算されます。所得金額が600万円なら住民税は約60万円です。

確定申告は必要?やるべき理由とは?

20万円以上で確定申告が必要

不動産所得(家賃収入 − 必要経費)が20万円を超えたら確定申告が必要です。「収入」ではなく「所得」が基準である点に注意しましょう。

20万円以下でも申告すべき理由

赤字の場合は「損益通算」により、給与所得と相殺して税金の還付を受けられます。修繕費が多額になった年などに有効な節税手段です。

白色申告と青色申告の違い

項目青色申告白色申告
記帳方法複式簿記簡易簿記
特別控除最大65万円なし
赤字繰越3年間可能不可
条件事前に承認申請書の提出が必要特になし

65万円控除を受けるには、5棟または10室以上の経営規模が条件です。

確定申告をしないとどうなる?

重加算税

意図的な隠ぺいがあった場合、35〜40%の重加算税が課されます。

延滞税

期日を過ぎると延滞税が発生し、修正申告が遅れるほど金額が増加します。

過少申告加算税

申告額が実際より少なかった場合、本来の税額に加えてペナルティが課されます。

確定申告のやり方は?

確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日です。以下の流れで進めます。

  1. 書類の準備:源泉徴収票・売買契約書・ローン明細・経費の領収書など(保存期間7年)
  2. 青色申告の申請:不動産事業開始後2ヶ月以内に承認申請書を提出
  3. 決算書作成:国税庁サイトで収入・費用を入力し利益を算出
  4. 確定申告書作成:国税庁サイトで項目に沿って入力
  5. 書類提出:e-Tax・郵送・税務署への持参から選択

e-Taxなら24時間いつでも提出可能で、税務署に足を運ぶ必要がありません。

確定申告で気をつけるポイントは?

  • 年末調整では代替できない:サラリーマンでも家賃収入がある場合は別途確定申告が必要
  • 必要書類は早めに用意する:源泉徴収票や各種明細の紛失に注意
  • 経費の過剰計上は避ける適正な経費管理が金融機関からの評価維持にも重要

まとめ

家賃収入には所得税・住民税をはじめ複数の税金がかかります。経費として計上できる項目を正しく把握し、確定申告を適切に行うことで節税効果を最大化できます。不明点がある場合は専門家に相談しながら進めましょう。

よくある質問(FAQ)

家賃収入が20万円以下でも確定申告は必要ですか?

所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。また、赤字の場合は損益通算で税金の還付を受けられるため、申告した方がお得です。

サラリーマンでも確定申告が必要ですか?

はい。不動産所得が20万円を超える場合は、年末調整とは別に確定申告が必要です。申告しないと罰則の対象になる場合があります。

家賃収入の経費として認められないものは?

住民税・所得税は経費にできません。また、不動産経営と無関係な出費や、過剰な交通費・交際費は税務署から指摘される可能性があります。

青色申告と白色申告、どちらを選ぶべきですか?

5棟または10室以上の規模なら、最大65万円控除と赤字繰越が可能な青色申告が有利です。小規模でも10万円控除が受けられるため、青色申告がおすすめです。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者