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COLUMN

賃貸物件の共用部照明を交換するには?費用相場・LED化のメリットと注意点

賃貸マンション・アパートの共用部照明の交換費用相場、LED化のメリット・デメリット、照明の色選び、電気代の削減方法を解説。大家さん向けに注意点もまとめました。

最終更新: 約8分で読めます

アパートやマンションの共用部に設置された照明は大家さんが管理しており、経年劣化に伴い交換が必要になります。電球だけの交換で済む場合もあれば、照明器具ごとの交換やLED化の工事が必要になることもあります。

この記事では、共用部照明の仕組みから交換費用の相場、LED化のメリット・デメリット、交換時の注意点まで詳しく解説します。

共用部照明の自動制御はどのような仕組みか?

ほとんどの賃貸物件では共用部の照明が自動制御されており、大家さんが手動で操作する必要はありません。自動制御には大きく3つの方式があります。

ソーラータイマー

地域ごとの日の出・日の入り時刻があらかじめ登録されており、それに合わせて照明のオン・オフを行います。季節の変化にも対応でき、自動点滅器と併用して天候の悪い日に対応する使い方も可能です。

タイマースイッチ

任意の時間を設定して照明のオン・オフを行う方式です。自動点滅器と組み合わせ、暗くなったら自動点灯し、設定時間に消灯するという運用がよく採用されています。

自動点滅器(EEスイッチ・フォトスイッチ)

センサーで周囲の明るさを感知してスイッチのオン・オフを行います。雨や雪で薄暗い場合は昼間でも点灯するため、天候に応じた柔軟な制御が可能です。西側に設置すると西日の影響でオンのタイミングが遅れるため、設置場所に注意が必要です。

照明器具の交換に電気工事士の資格は必要か?

引掛シーリングが設置済みであれば無資格でも照明器具を交換できますが、電源線に直接接続するタイプは電気工事士の資格が必須です。

電気工事に関する4つの国家資格

電気工事には以下の資格が関係します。第2種電気工事士は一般用電気工作物の工事に対応し、第1種電気工事士は商業施設や工場などの自家用電気工作物にも対応できます。認定電気工事従事者は最大500kW未満の設備工事、特殊電気工事資格者はネオン工事や非常用予備発電装置工事など特殊な作業に携わります。

無資格での作業は危険

資格なしで配線工事を行うとショートによる火災や感電の危険があります。電球の交換のみなら専門家への依頼は不要ですが、天井が高い場所では転倒リスクがあるため、状況に応じて業者への依頼を検討しましょう。

共用部の照明交換にかかる費用相場はいくらか?

LEDへのバイパス工事は1ヶ所あたり3,000〜5,000円程度、照明器具ごと交換する場合は2〜3万円程度が目安です。

費用の内訳

工事費は機器代(汎用品なら希望小売価格から30〜40%引きが相場)、作業代(作業員数×時間で算出)、その他の経費(交通費・処分費・管理費など)の3つで構成されます。経費部分は見積もりに差が生まれやすいため、納得できない場合は相見積もりを取得しましょう。

共用部の照明は何色を選ぶべきか?

照明の色は空間の雰囲気を大きく左右します。適切な色を選ぶことで入居者の満足度向上にもつながります。

照明の色の種類と効果

照明には昼光色・昼白色・白色・温白色・電球色の5種類があります。リラックスする空間にはオレンジ系の電球色、集中して作業する場所には青白い昼光色が適しています。

共用部に適した色の選び方

エントランスなど入居者を迎える場所にはリラックス効果のあるオレンジ系の照明がおすすめです。一方、オートロックや宅配ボックス、自転車置き場など手元がはっきり見える必要がある場所には青白い照明が適しています。

照明の防犯・美観への効果

共用部の照明は防犯面でも重要な役割を果たします。明るいエントランスは空き巣の抑止力になります。また、照明を工夫することで物件の外観の魅力がアップし、入居率の向上につながった事例もあります。

照明交換の際に注意すべきことは?

誤った方法で交換すると事故や故障につながるため、以下の2点に注意しましょう。

古い照明器具に新しいランプを取り付けるリスク

蛍光灯器具の交換目安は8〜10年です。ランプ交換の頻度が増えたりソケット部分に変色が見られたりする場合は、安全のため照明器具そのものの交換を検討してください。

LED化にはバイパス工事が必要

蛍光灯からLEDに交換する際は、安定器の接続を切断してLED用の配線に変更するバイパス工事が必要です。バイパス工事なしでLEDを使用すると余計な電力消費や安定器の劣化を招くため、必ず電気工事士の資格を持つ業者に依頼しましょう。

共用部の電気代を抑えるにはどうすればよいか?

共用部の電気代の大部分を占める照明代を見直すことが最も効果的です。以下の方法を検討しましょう。

照明をLED化する

LED照明の消費電力は蛍光灯の約3分の1、白熱電球の約8分の1です。寿命も蛍光灯の約4倍、白熱電球の約40倍と大幅なコスト削減につながります。国の省エネ推進政策により蛍光灯の生産終了が相次いでいるため、早めの切り替えが賢明です。

点灯時間を短縮する

人感センサー、照度センサー、タイマーの導入により、必要な時だけ照明を点灯させて無駄な電力消費を抑えられます。

電力会社や契約プランを見直す

2016年4月からの電力小売の全面自由化を活用し、より安い契約プランへの乗り換えを検討しましょう。ただし、新規参入の小売会社には倒産リスクがあるため、複数社を比較して慎重に判断することが大切です。

主開閉器契約への切り替え

実際の使用電力に基づいて基本料金が決まる主開閉器契約は、動力設備が多いマンションで高い節約効果を発揮します。ただし、低圧受電のマンションに限られ、電子ブレーカーの設置費用(30〜50万円程度)が必要な点に注意してください。

共用部をLED化するメリットは何か?

LED化は電気代の削減にとどまらず、物件価値の向上にもつながる重要な投資です。

電気代を削減できる

消費電力は蛍光灯の約半分、白熱電球の10分の1程度で、LED化に伴う初期費用も数年で回収できます。

交換の手間が減る

LED照明の寿命は約40,000時間で、白熱電球(約1,000〜2,000時間)や蛍光灯(約6,000〜12,000時間)に比べて大幅に長持ちします。

虫が寄り付きにくくなる

LED照明は紫外線が大幅に低減されているため、虫が寄り付きにくくなり、照明周りの清掃の手間も軽減されます。

物件の魅力がアップする

LEDは白熱電球の5倍以上の発光効率を持ち、共用部を明るく保つことで物件全体の印象が向上します。電気代の節約分を他の設備改善に回すことも可能です。

共用部をLED化するデメリットと注意点は?

LED化には多くのメリットがありますが、いくつかの注意点も把握しておきましょう。

初期費用が高額になる

照明器具ごとの交換が推奨されるため、大規模マンションではエントランスと廊下だけで50万円以上かかるケースもあります。しかし数年で初期費用を回収でき、約10年はメンテナンス不要になるため、長期的な投資効果は十分です。

交換時期を忘れやすい

LED化前に各照明の1日の点灯時間を確認し、設置箇所ごとに交換時期の目安を把握しておきましょう。

近隣への光害に配慮する

屋外に設置するLED照明は明るすぎると近隣住民の睡眠を妨げる恐れがあります。光害配慮型のLED照明の導入も検討してください。

非常用照明にはバッテリー内蔵式を使用する

建築基準法により、非常用照明は災害時に電力供給が絶たれても点灯できるバッテリー内蔵式でなければなりません。比較的高い位置に取り付けられるため、交換費用が高くなりやすい点にも注意が必要です。

よくある質問

共用部の照明交換は大家さんの義務ですか?

はい、共用部の照明は建物の管理に含まれるため、大家さんまたは管理会社が管理・交換する責任を負います。入居者が共用部の照明を独自に交換することは通常認められていません。

LED化の初期費用はどのくらいで回収できますか?

物件の規模や点灯時間によって異なりますが、一般的に3〜5年程度で初期費用を回収できるとされています。LED照明の寿命は約10年(1日12時間点灯の場合で約9年)なので、回収後も長期にわたって節約効果が続きます。

蛍光灯からLEDに交換する際に工事は必要ですか?

蛍光灯器具の安定器を切断するバイパス工事が必要です。バイパス工事なしでLEDを使用すると余計な電力消費や故障の原因となるため、必ず電気工事士の資格を持つ業者に依頼してください。

共用部の電気代は入居者が負担するのですか?

共用部の電気代は一般的に管理費や共益費として入居者に請求されます。LED化などで電気代を削減すれば、管理費を抑えることにもつながり、入居者にとってもメリットがあります。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者