オートロックがあるから安全、というだけでは防犯対策になりません。共同住宅では、共用出入口や廊下の見通し、窓と玄関の施錠、来訪者の確認を重ねて、侵入しにくく気づかれやすい環境をつくることが重要です。
警察庁は共同住宅について、共用出入口・エレベーターホール等の見通しと照度、住戸の玄関扉のこじ開け防止、窓の対策を示しています。この記事では、オーナー・管理組合と入居者が分担して行う防犯対策を整理します。
この記事のポイント
- 共用部は見通し・照明・入退館管理・死角の点検を優先します。
- 住戸は窓と玄関の施錠、来訪者確認、防犯性能の高い部品の検討が基本です。
- 賃貸の設備変更は、管理規約・賃貸借契約を確認してから行います。
- 長期不在時は郵便物、照明、連絡先を整え、不在を示し続けないようにします。
マンションの防犯対策は、なぜ共用部と住戸で分けるのですか?
共用部はオーナー・管理組合・管理会社が整える領域で、住戸内は入居者が日常的に行う領域です。責任を分けると、設備に頼り切らず、対策の漏れを減らせます。
警察庁の共同住宅に係る留意事項では、共用出入口やエレベーターホールの見通しと照度、住戸の玄関扉や窓の対策が示されています。建物の規模や構造に応じ、優先順位を決めましょう。
オーナー・管理組合が共用部で確認すべきこと
まず、共用出入口、駐輪場、ゴミ置場、外階段、駐車場に死角がないかを夜間も含めて点検します。植栽、掲示物、放置物で見通しが悪くなっていないか、照明切れがないかを確認してください。
カメラやオートロックは導入だけで終わりではありません。来訪者の後ろから入る「共連れ」を前提に、住民へ入館時の注意を周知し、録画の管理者・保存期間・故障時の連絡先を決めます。設備更新では、防犯だけでなく維持費と個人情報の扱いも検討します。
入居者が住戸内で行う基本対策
侵入対策は、在宅・短時間の外出を問わず玄関と窓を施錠することから始まります。警察庁は、共同住宅を含む住宅では窓と表出入口からの侵入が多い傾向を示しています。補助錠、防犯フィルム、CPマークのある防犯建物部品は、住戸の状況に応じて検討できます。
来訪者には、ドアを開ける前にインターホンやドアスコープで確認します。宅配や点検を名乗る訪問でも、不審な場合は管理会社や事業者の公式連絡先で確認してください。賃貸住宅で穴開けなどの工事を伴う設備を付ける場合は、事前に貸主・管理会社へ相談します。
長期不在時は何を準備すべきですか?
旅行や帰省で不在にする前は、郵便物の扱い、室内照明、緊急連絡先を整えます。郵便受けの滞留、連日の消灯、SNSでの公開投稿は、不在を推測させる材料になります。必要に応じて郵便の不在留置を利用し、管理会社へ連絡する範囲と緊急時の連絡先を確認します。
防犯は不安をあおるためのものではありません。日常の施錠、来訪者確認、共用部の点検を続けることが、被害機会を減らします。
INAの見解|設備より先に、日常の確認が続く仕組みをつくる
高価な設備だけで建物の安全は決まりません。照明が切れていないか、死角が増えていないか、入居者が困ったときの連絡先を知っているか。こうした日常の確認が防犯の土台です。
オーナーは共用部の状態を報告で確認し、入居者は玄関・窓・来訪者への対応を習慣にしてください。役割を分けて続けられる対策が、住みやすさと資産価値の両方を守ります。
まとめ
- 共用部は見通し、照明、死角、入退館管理を確認します。
- 住戸は窓・玄関の施錠と来訪者確認を徹底します。
- 賃貸での設備変更は事前承認を確認します。
- 長期不在時は郵便物・照明・緊急連絡先を整えます。
よくある質問
オートロックがあれば、住戸内の対策は不要ですか?
不要ではありません。オートロックは入館管理の一部であり、玄関・窓の施錠や来訪者確認をあわせて行う必要があります。
賃貸でも補助錠や防犯フィルムを付けられますか?
原状回復や管理規約に影響する場合があります。穴開け・接着を伴う前に、管理会社または貸主へ確認してください。
防犯カメラはどこに設置すべきですか?
建物の構造により異なります。共用出入口、駐輪場、ゴミ置場、外階段などの死角を確認し、管理・個人情報の運用も含めて検討します。

