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賃貸管理委託契約書のチェックリスト|管理会社と契約する前に確認すべき6項目

賃貸管理委託契約書で確認すべき業務範囲、費用、送金、修繕承認、報告、解約・引継ぎを解説。国交省の制度と標準契約書を踏まえ、オーナーが契約前に判断する順序を整理します。

最終更新: 約5分で読めます

賃貸物件の管理を管理会社へ委託するときは、管理料より先に、業務範囲・金銭管理・修繕承認・報告・解約時の引継ぎを確認することが重要です。本文は国土交通省の賃貸住宅管理業法ポータルと標準管理受託契約書に基づき、オーナーが契約前に判断すべき項目を実務順に整理しています。

この記事のポイント

  • 管理委託契約では、募集・集金・滞納対応・修繕のどこまでを委託するかを別表まで確認します。
  • 受領家賃等は、管理会社の固有財産と分けて管理され、定期報告の内容も契約前に確認します。
  • 修繕は「いくらまでなら事前承認なしで実施できるか」を金額と連絡方法で決めます。
  • 解約時に必要な入居者情報、鍵、預り金、修繕履歴の引継ぎを契約時から設計します。

賃貸管理委託契約書とは何ですか?

賃貸管理委託契約書は、賃貸住宅の維持保全や家賃等の金銭管理を、所有者が管理会社へ委託する際の契約です。国土交通省の「賃貸住宅標準管理受託契約書」は、居住用賃貸住宅の管理に共通する標準的な内容を示しますが、物件や委託範囲に合わせて内容を調整して使う前提です。

管理委託とサブリースは別の契約です。管理委託では通常、賃貸借契約の貸主はオーナーのままで、管理会社は委託された業務を担います。サブリースは事業者が物件を借り上げて転貸する仕組みです。サブリース契約のリスクと確認事項も確認してください。

なぜ重要事項説明と契約書を分けて確認するのですか?

賃貸住宅管理業法では、登録を受けた管理業者に、契約締結前の書面交付・説明と、契約締結時の書面交付が求められます。契約書への署名を急ぐのではなく、具体的な業務内容と実施方法、費用の別表を手元に置いて読みます。

国土交通省は、オーナーが判断できるよう、説明から締結までおおむね1週間程度を置くことを推奨しています。他人所有の賃貸住宅を200戸以上管理する事業者には登録が義務付けられていますが、登録の有無だけでなく、担当体制と報告方法も確認しましょう。

管理委託契約書で確認すべき6項目

1. 業務範囲と対応時間

募集、入居審査、更新・解約、滞納督促、苦情対応、巡回、設備点検のどこまでを委託するかを別表で確認します。夜間・休日の一次対応だけなのか、オーナーへの報告まで含むのかも明確にします。

2. 家賃等の分別管理と送金日

家賃、共益費、敷金を何に分けて管理し、いつ送金するかを確認します。登録業者には家賃等の分別管理が義務付けられています。送金明細で空室、滞納、控除費用を追えることが実務上の要点です。

3. 管理料と追加費用

月額管理料のほか、募集時の広告料、更新・解約事務、鍵交換、巡回、緊急対応、送金手数料を一覧にします。賃貸管理の手数料と業務範囲を比較の土台にしてください。

4. 修繕の承認金額と発注方法

漏水や給湯器故障では初動が遅れるほど損害が広がります。一方で、見積もりを見ないまま高額工事が進むことも避けるべきです。緊急時の上限額、通常修繕の見積もり・事前承認、連絡手段と報告期限を決めます。

5. 定期報告の内容

登録業者には業務の実施状況等の定期報告が求められます。月次報告に入出金、滞納、空室、苦情、修繕、次月の判断事項が含まれるかを確認しましょう。

6. 契約期間・解約・引継ぎ

管理会社を変更するときは、入居者への通知、鍵、契約書、預り金、修繕履歴、未解決事項を引き継ぎます。解約予告だけでなく、資料一覧、引渡し日、送金の締め日を契約時から決めます。賃貸管理会社を変更する手順も参照してください。

トラブルを防ぐために、契約前に何を質問すべきですか?

家賃滞納、夜間の漏水、退去時の見積もり、長期空室の募集条件変更を例に、誰がいつオーナーへ連絡し、誰が支出を決めるかを質問します。回答が口頭だけなら、契約書・別表・運用資料のどこに反映されるかを確認します。

INAの見解|管理料ではなく、判断が遅れない仕組みを選ぶ

良い管理委託契約は、問題が起きないことを約束する書類ではありません。連絡が入ったときの初動、オーナーへの報告、支出の承認を先に決める書類です。料金だけでなく、月次報告で必要な判断を続けられる体制かを確認することが、長期の賃貸経営を守ります。

まとめ

  • 管理委託契約は、業務範囲と判断の分担を決める契約です。
  • 重要事項説明、契約書、別表、費用表を分けて確認します。
  • 分別管理、送金、修繕承認、定期報告は具体的な運用まで確認します。
  • 解約時の引継ぎを契約前に決めると、変更時の混乱を防げます。

よくある質問

管理委託契約書は標準書式をそのまま使えばよいですか?

標準書式は確認の土台ですが、物件の規模、委託範囲、費用、緊急時対応に合わせて内容を確認・調整する必要があります。

管理会社が登録業者かどうかは確認できますか?

確認できます。国土交通省の賃貸住宅管理業法ポータル等で確認し、あわせて担当体制、報告内容、緊急時の連絡先も確認しましょう。

修繕は管理会社に任せきりでよいですか?

緊急対応は任せる必要がありますが、通常修繕は事前承認額、見積もり、報告期限を契約で決めることが大切です。

引用・参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者