Skip to content
Real Estate Intelligence
COLUMN

築古物件に一括インターネットを導入すべき理由とは?空室対策と資産価値向上を解説

築古賃貸物件の空室対策に効果的な一括インターネット導入を徹底解説。メリット・費用・回収モデル・成功事例を紹介。オーナー必見です。

最終更新: 約5分で読めます

築古物件の空室率改善・資産価値向上に効果的な施策として、一括インターネットの導入が注目されています。新築では9割超がインターネット無料を備える現在、築古物件こそネット環境の整備が急務です。本記事では、一括インターネットの仕組み・導入メリット・コスト回収モデル・成功事例を専門的に解説します。

一括インターネットとは?どのような仕組みか?

一括インターネットとは、マンションやアパートなど集合住宅の建物全体でインターネット回線を契約し、各戸に通信環境を供給する方式です。オーナーまたは管理会社が建物共用部まで高速回線を引き込み、各居室へ配線またはWi-Fi設備を設置します。入居者は個別契約や工事なしで入居日からインターネットを利用できます。

主な提供方式は以下の4タイプです。

方式特徴速度コスト
光回線(各戸専有型)各戸まで光ファイバー直結最大1Gbps
光回線+LAN配線型共用部まで光、各戸はLANケーブル最大1Gbps
VDSL・同軸ケーブル型既存の電話線・TV線を転用最大100〜320Mbps
共用部Wi-Fi型共用部のWi-Fiで各戸をカバー利用状況により変動

築古物件に導入する際は、建物構造・戸数・既存配線の有無に応じて最適な方式を選定することが重要です。

なぜ築古物件でインターネット対応が急務なのか?

インターネットは現代の入居者にとって必須の生活インフラです。賃貸情報サイトの検索条件に「インターネット無料」が含まれており、未対応物件は検索結果から除外されるリスクがあります。

新築物件では9割超がインターネット無料を備える一方、築10年以上の物件では2割台にとどまります。築古物件は家賃が安くても毎月5〜6千円のネット契約料が別途かかるため、トータルコストではネット無料の物件のほうが割安と判断されてしまいます。コロナ禍以降のリモートワーク普及も相まって、高速インターネットへの需要は一段と高まっています。

一括インターネット導入のメリットは何か?

導入により、オーナー・入居者双方に多くのメリットがあります。

  • 空室率の低下:設備人気ランキングで「インターネット無料」は連続1位。入居率アップと退去抑制に直結します。
  • 賃料の維持・アップ:ネット完備物件は同条件の未導入物件より平均1,000〜2,000円高い家賃設定が可能です。
  • 競合物件との差別化:築10年以上でネット未対応の物件が多い中、導入することで周辺の築古物件から一歩リードできます。
  • オーナーの収益性向上:ボリュームディスカウントが効くため、家賃上乗せ分で費用を回収し増益につなげられます。
  • 入居者満足度向上:入居初日からネット利用可能で、回線工事の手間が不要になります。

導入費用はいくらかかる?投資回収は可能か?

一括インターネットの費用対効果は高く、短期間での投資回収が可能です。

費用の目安(10戸規模)

項目金額目安
初期工事費用(有線)0〜20万円程度
初期工事費用(無線)0〜40万円程度
月額費用(10戸)7,000〜30,000円

業者によっては初期費用無料プラン(分割払い)も提供されています。

回収シミュレーション

10戸のアパートで初期費用20万円・月額1万円のプランを導入し、各戸の家賃を月3,000円アップした場合:

  • 年間追加支出:20万円 + 12万円 = 32万円
  • 年間家賃増収:3,000円 x 10戸 x 12ヶ月 = 36万円
  • 1年目で収支+4万円、2年目以降は年間約24万円の純増益

導入の成功事例はあるか?

都内近郊の築30年超・木造2階建て全10室の単身者向けアパートでは、従来の低速ネット設備への不満が多く、共用部Wi-Fi型の一括インターネットを導入しました。初期工事費約35万円は6年分割の実質0円プランを活用。月額1戸あたり約1,200円のランニングコストで24時間サポート付きのサービスを利用しています。導入後4年間、通信品質のクレームはゼロで満室稼働を継続中です。

導入を成功させるために何が重要か?

一括インターネット導入の成功には、信頼できる管理会社や専門業者のサポートが不可欠です。

  • 最適プランの提案:建物構造に応じた方式選定と相見積もり
  • 工事・運用の負担軽減:入居者への周知や日程調整を代行
  • 業者選定のポイント:回線速度の実績、24時間サポート窓口の有無、IPv6対応、契約条件を確認
  • 導入後のフォロー:利用状況のモニタリングとプラン見直し

物件の資産価値にはどう影響するか?

一括インターネット導入は、短期的な空室対策だけでなく長期的な資産価値の維持・向上にも寄与します。

  • 競争力維持:現代の標準設備に合わせることで、資産価値の目減りを防止
  • 収益還元法による評価向上:家賃増収分が物件の評価額を押し上げる要因に
  • ブランドイメージ向上:適切に設備投資された物件は長期入居や知人紹介の好循環を生む

よくある質問(FAQ)

Q. 入居中でも導入工事はできる?

はい。共用部Wi-Fi型など各戸内工事が不要な方式を選べば、入居中でもスムーズに導入できます。

Q. 導入後にネットの速度が遅いとクレームが来ないか?

適切な方式と十分な帯域を選べば回避可能です。24時間サポート体制のある業者を選ぶことで、トラブル時も迅速に対応できます。

Q. 初期費用を抑える方法は?

多くの業者が初期費用0円の分割払いプランを提供しています。複数社から見積もりを取り、条件を比較検討しましょう。

Q. 家賃を上げずに導入するメリットはある?

家賃据え置きでも、空室期間の短縮による損失圧縮で十分に元が取れます。1室でも空室が埋まれば月数万円の機会損失を解消できます。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者