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COLUMN

アパートを事務所・SOHO物件に転用する方法|利回り向上・税負担・登記変更を解説

空室アパートを事務所・SOHO物件として転用する際のメリット・デメリット・税負担・登記変更手続きをオーナー目線で解説。収益改善を目指す大家さん必見の内容です。

最終更新: 約4分で読めます

空室が続くアパートを事務所・SOHO物件として転用する手法は、フリーランス・リモートワーク需要の拡大とともに注目されています。利回り向上・空室対策につながる一方、税負担・契約変更・登記手続きなど注意すべき点も多くあります。

アパートの事務所利用に需要はあるのか?

リモートワーク・フリーランスの普及により、アパートを事務所として活用する需要は確実に高まっています。オフィスと比べて賃料が低く、落ち着いた環境で働けることから個人事業主や小規模法人に人気です。

事務所可物件のメリットとデメリット

メリット

  • 利回り向上:居住用より家賃単価を高く設定でき、比較的安定した収入が見込めます
  • 保証金の高額設定が可能:店舗・事務所では3ヶ月〜1年分の保証金設定が一般的です
  • 原状回復は借主負担:退去時の原状回復義務が借主側に生じるため、オーナーの修繕負担が軽減されます
  • 空室対策:1階にコンビニ等のテナントを入れれば入居者へのアピールにもなります

デメリット

  • 空室リスク:景気悪化時に借主が即撤退するケースがあり、空室期間が長期化する可能性があります
  • 融資審査が厳しい:金融機関は事務所・店舗物件の審査を厳格に行います
  • 地震保険に加入不可:専用住宅・併用住宅でないと地震保険の対象外となります

アパートを事務所可物件にする際の注意点は?

賃貸契約書の変更

住宅用と事務所用では契約書の内容が異なります。保証金の額・有無・原状回復範囲などを明記した事務所用の契約書を作成することが必須です。

家賃設定

事務所利用では第三者の出入りが増えるため、防犯・トラブルリスクを考慮して家賃・敷金を居住用より高めに設定することが一般的です。原状回復の範囲(床・壁・パーティション・配線・設備撤去)も契約書に明記しましょう。

税負担の変化

居住用から事務所用に変更すると、住宅用地の固定資産税特例(1/6軽減等)が適用されなくなります。また、居住用賃貸では非課税だった家賃・礼金・更新料が消費税課税対象に変わります。収益試算の際は必ず税負担の増加分を考慮してください。

登記の変更手続き

用途変更から1ヶ月以内に「建物表示変更登記」の申請が必要です(不動産登記法第44条第1項)。管轄法務局へ申請書・住民票・所有権証明書・変更状況の写真等を提出します。申請後1〜2週間で完了します。

SOHOとは何か?事務所可物件との違い

SOHO(Small Office/Home Office)とは、住居兼事務所として利用できる物件形態です。事務所可物件が事業用契約であるのに対し、SOHO物件は居住用契約のため消費税がかからず、仕事利用部分を経費按分できる点がオーナー・入居者双方にとってメリットとなります。

賃貸物件の収益最大化戦略については、賃料設定が売却価格を左右する理由もご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 既存の入居者がいる部屋を事務所可に変更できますか?

変更自体は可能ですが、既存入居者への周知と配慮が不可欠です。近隣住民に事前に文書で通知し、業種・人の出入り・騒音等を説明することでトラブルを防げます。

Q2. 事務所利用を許可した場合、火災保険はどうなりますか?

住宅用火災保険の適用対象外となる場合があります。事業用物件対応の保険に切り替えるか、特約を追加する必要があります。保険会社に確認してください。

Q3. 事務所可物件のテナント募集は個人でできますか?

個人での募集は難しく、専門会社への依頼が効果的です。テナント募集会社はサイト掲載・営業・チラシ・情報誌など多様な手法でアプローチできます。

Q4. 居住用に戻したい場合の手続きは?

変更から1ヶ月以内に建物表示変更登記が必要です。また、契約時に居住用に戻すことを前提とした条件を盛り込んでおくことが重要です。

Q5. 空室が長引いた場合の対策は?

家賃の見直し・居抜き物件としての貸し出し・設備交換・セキュリティ強化などが有効です。定期的に入居者の声を聞く機会を設けることも大切です。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者