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COLUMN

アパート共用部分の管理方法とトラブル対策|入居者満足度を高める実践ガイド

アパート共用部分の定義から清掃方法、私物放置・ゴミ問題・無断使用など頻出トラブルの対処法、入居時に設定すべきルールまで、大家さん・管理会社向けに実践的に解説します。

約6分で読めます

アパートの共用部分は、入居者全員が日常的に使用するスペースです。その管理状態は入居者満足度・退去率・成約率・資産価値に直結するため、大家さんにとって見逃せない重要な要素です。

本記事では、共用部分の定義と範囲、清掃方法の選び方、よくあるトラブルとその対処法、そして事前に設定すべきルールまで網羅的に解説します。

アパートの共用部分とは?専有部分との違い

共用部分とは、区分所有者(入居者)全員が使用できる部分のことです。区分所有法では、専有部分以外の建物の部分と定義されています。

法定共用部分

区分所有法で共用部分と定められている箇所です。

  • 外廊下・階段・エントランス・エレベーター・屋上
  • 屋根・外壁など建物の構造部分
  • ベランダ・バルコニー

規約共用部分

本来は専有となりうる部分を、管理規約で共用部分として扱うものです。管理人室・集会室・倉庫・車庫などが該当します。

専有部分・専用部分・共有部分の違い

区分定義具体例管理責任
専有部分入居者の居住スペース部屋全体(内壁・床・天井)入居者(賃貸の場合は大家さん)
専用部分共用部分のうち個人が使用する部分ベランダ・専用庭・玄関ドア大家さん・管理組合
共有部分入居者全員が共同使用する部分エントランス・廊下・ゴミ置き場大家さん・管理組合

共用部分の清潔感がもたらす4つのメリット

①資産価値の向上

管理・清掃が行き届いた物件は、築年数が経過しても良好な状態が維持され、手入れ不足の物件と比べて資産価値が下がりにくいです。将来の売却時にも有利に働きます。

②退去率・空室リスクの低減

エントランスや廊下が汚れていると、小さな不快感が蓄積して退去の動機になります。共用部分の清潔さを保つことで、入居者の定着率が向上し、安定した家賃収入を確保できます。

③成約率の向上

内見時の第一印象は共用部分で決まります。築年数や家賃が同条件の物件があった場合、管理が行き届いた物件が選ばれる傾向が強いです。「しっかり管理されている=トラブル時にも対応してもらえる」という安心感も成約の後押しになります。

④老朽化の早期発見・予防

定期的な清掃を通じて建物の状態をチェックすることで、傷みや不具合を早期に発見できます。小さな修繕で済むうちに対応できるため、大規模修繕の費用を抑えられます

清掃方法の比較|自主清掃vs委託清掃

自主清掃委託清掃
コスト無料月額費用が発生
品質素人レベルプロの仕上がり
時間負担大きいなし
建物状況の把握自分の目で確認可能別途確認が必要
向いている人時間に余裕がある大家さん本業が忙しい大家さん

委託清掃を選んだ場合でも、定期的に自分の目で建物の状態を確認することが重要です。

清掃の3つの種類

  • 日常清掃(週1〜数回)— 床・階段の掃き掃除、ゴミ拾い、ゴミ置き場の整理
  • 定期清掃(月1〜数ヶ月に1回)— 機械を使った床洗浄、ワックスがけ、照明交換、植栽剪定
  • 特別清掃(年数回)— 排水管洗浄、高所清掃、雨樋清掃

共用部分で発生しやすい5つのトラブル

①私物の放置(最多トラブル)

廊下や階段に傘立て・自転車・ベビーカーなどが放置されるケースです。消防法では「避難の妨げになるものを通路に置いてはならない」と定められており、火災予防条例違反に該当する可能性があります。

②契約外スペースの無断使用

契約していない駐車場・駐輪場の無断使用や、エントランスへの自転車放置などです。正規利用者に迷惑がかかるため、早期の対応が求められます。

③ゴミ置き場のルール違反

分別違反、指定日以外のゴミ出し、粗大ゴミの不法投棄などです。近隣住民とのトラブルに発展することもあり、大家さんにとっても頭の痛い問題です。

④ベランダでの喫煙

ベランダは共用部分のため、管理規約で喫煙を禁止できます。「共用部分での火気厳禁・喫煙厳禁」の文言を規約に明記しておきましょう。

⑤騒音トラブル

廊下や階段での大声、深夜・早朝の生活音は入居者間のトラブルの原因になります。生活リズムが異なる入居者が共存していることを、入居時に理解してもらうことが大切です。

共用部分トラブルの対処法|5つのステップ

ステップ1:状況を記録する

写真を撮影し、日付がわかる新聞などと一緒に撮ると証拠能力が高まります。

ステップ2:掲示板・張り紙で注意喚起

掲示板やエレベーター内に注意書きを掲示します。改善されたら速やかに撤去しましょう。

ステップ3:書面で個別に通知

改善されない場合は書面で通知します。規約・法令違反の事実、改善要望、片付けの期限を明記し、期限経過後は大家さんが撤去する旨も記載します。

ステップ4:撤去・一定期間保管

期限後も放置されている場合は撤去し、一定期間保管します。撤去の事実と保管期限も書面で通知してください。

ステップ5:管理会社・自治体に相談

自力での解決が困難な場合は、管理会社や自治体の生活課に相談します。管理会社を選ぶ際は、入居者間トラブルにどこまで対応してくれるかを事前に確認しておきましょう。

⚠️ 注意:放置された私物を勝手に処分することは「自力救済禁止の原則」に抵触する恐れがあります。必ず保管期間を設け、書面で通知した上で対処してください。

トラブルを未然に防ぐ|共用部分ごとのルール設定

エントランス

  • 靴の泥を落としてから入る
  • 集合ポストの郵便物はこまめに回収(防犯対策)
  • 不審者を見かけたら通報する

廊下・階段

  • 私物を置かない(避難経路の確保)
  • 深夜・早朝の大声は控える

ベランダ

  • 避難の妨げになる大型の物を置かない
  • 物干し竿の落下防止対策
  • 排水溝の定期的な清掃

ゴミ置き場

  • 分別方法・収集日・収集時間の遵守
  • 指定ゴミ袋の使用
  • 奥から順に配置

駐車場・駐輪場

  • 指定区画以外への駐車・駐輪の禁止
  • 管理シールの貼付(未貼付は撤去対象)

まとめ

アパートの共用部分は入居者の日常生活に直結する空間です。清潔に管理することで資産価値の維持・退去率の低減・成約率の向上が期待でき、トラブルへの適切な対処は安定した賃貸経営の基盤となります。

INA&Associates株式会社では、共用部分の管理改善から入居者対応まで、オーナー様の賃貸経営をトータルでサポートしております。お気軽にご相談ください。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

保有資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
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  • 貸金業務取扱主任者