遺族から土地を相続・遺贈された場合、活用が難しければ売却を考えるでしょう。固定資産税がかかり続ける田舎の土地は、所有し続けることで維持費の負担が重くなります。本記事では、いらない田舎の土地を手放す4つの方法と、令和5年4月から施行された「相続土地国庫帰属法」の内容、そして売却成功のコツを解説します。
いらない田舎の土地を手放す方法とは?
田舎の土地を手放す主な方法は4つあります。それぞれの条件や注意点を把握した上で、最適な選択をしましょう。
相続放棄によって引き継がない
相続放棄とは、被相続人の全ての資産・負債を相続しないことです。土地の所有権を引き継ぐ前に手放せますが、「土地だけ放棄して現金は相続する」ことはできません。また、相続放棄の手続きは被相続人の死亡を知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。
売却する
自分には不要な土地でも、他者にとっては魅力的な土地である場合があります。不動産会社に売却の相談・依頼をすることが最もオーソドックスな手放し方です。ただし田舎の土地は流通性が低く、売却まで時間がかかることを前提に計画することが重要です。
自治体や市区町村に寄付する
相続放棄期限が過ぎていたり、売却に出しても買い手が見つからない場合、自治体への寄付という選択肢があります。金銭的な対価はありませんが、固定資産税や都市計画税の負担がなくなるメリットがあります。
個人や法人に譲渡する
駐車場・倉庫・庭など様々な目的でその土地を必要とする人がいるかもしれません。看板を立てたり、隣人や企業に打診したりすることで譲渡先が見つかることもあります。ただし譲渡には贈与税・印紙税・登録免許税がかかるため、費用負担の取り決めを事前に行う必要があります。
相続土地国庫帰属法とは何か?
相続土地国庫帰属法とは、相続や遺贈によって取得した土地の所有権を国に帰属させられる制度です。令和3年4月に公布され、令和5年4月27日から施行されました。
メリット
- 土地の所有権を放棄でき、固定資産税・維持費の支払い義務がなくなる
- 国が登記手続きをするため、自分で行う必要がない
デメリット・申請条件
- 建物・樹木・抵当権などがない更地状態が必要(条件を満たさない場合は却下)
- 共有土地は共有者全員が共同申請する必要がある
- 10年分の土地管理費相当額の負担金の納付が必要
- 贈与や売買で取得した土地は原則対象外(相続・遺贈のみ)
不動産会社との契約形態を理解した上で、どの方法が自分の状況に合っているか専門家に相談することも有効です。
田舎の土地売却を成功させるコツとは?
田舎の土地売却は難易度が高いですが、以下の3つのコツを押さえることで成功率が上がります。
田舎の土地売却に強い不動産会社を選ぶ
不動産会社によって得意な物件の種類は異なります。田舎の土地売却に強い会社を選ぶことで、的確なアドバイスと地域ネットワークを活かした買い手探しが期待できます。複数社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
価格にこだわり過ぎない
田舎の土地は資産価値が低く需要も少ない傾向にあります。一般的な土地でも売却まで3〜6ヶ月かかりますが、田舎の土地はさらに時間を要します。「売れない土地」のイメージがつく前に、適切な値下げを検討することも戦略のひとつです。
売却コストをできるだけ削減する
売却額が低くなりがちな田舎の土地では、仲介手数料や税金などのコスト削減が利益確保の鍵です。古家が残っている場合は、解体費用が自己負担になることが多いため、古家は解体せずそのまま引き渡す方が手残りが増えるケースがあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 田舎の土地を相続したくない場合、どうすればいいですか?
相続放棄が最も確実な方法ですが、被相続人の死亡を知ってから3ヶ月以内の手続きが必要です。期限が過ぎた場合は、売却・寄付・相続土地国庫帰属法の活用を検討してください。
Q. 相続土地国庫帰属法はどんな土地でも使えますか?
いいえ。建物や樹木がない更地状態が必要で、抵当権等がついていないことも条件です。また相続・遺贈で取得した土地のみが対象です。
Q. 田舎の土地の売却期間はどのくらいかかりますか?
一般的な土地で3〜6ヶ月、田舎の土地はそれ以上かかることが多いです。需要の少ない地域では1年以上を見込む必要があるケースもあります。
Q. 古家付きの田舎の土地は解体してから売るべきですか?
必ずしも解体する必要はありません。解体費用が売却益を上回るケースもあるため、古家ありのまま売り出し、価格を下げて対応する方が手残りが多くなることもあります。
Q. 固定資産税の負担を早く解消するには?
相続土地国庫帰属法の申請か、売却・寄付が最短の方法です。売却に出しながら国庫帰属申請を並行して進めることも可能です。
