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少額訴訟とは?不動産賃貸トラブルへの活用法・メリット・デメリットを解説

少額訴訟の仕組み・手続きの流れ・メリット・デメリットを不動産賃貸トラブル向けに解説。60万円以下の金銭請求を自分で行う方法を、実務に即した視点でまとめました。

最終更新: 約3分で読めます

不動産賃貸では、敷金未返還・家賃滞納・原状回復費用をめぐる金銭トラブルが発生することがあります。弁護士費用をかけずに解決する手段として、少額訴訟制度があります。この記事では手続きの流れ・メリット・デメリットを実務視点で解説します。

少額訴訟とは何か?通常訴訟との違いを理解する

少額訴訟とは、60万円以下の金銭支払いを請求するための簡易な裁判手続きです。原則として1回の審理で判決が言い渡されるため、長期化しやすい通常訴訟と比べて時間・費用の負担が大幅に軽減されます。弁護士なしでも自分で手続きを進めることが可能です。

少額訴訟の手続きの流れとは?

Step 1:訴状の作成・提出

訴状・証拠書類・必要な収入印紙を揃えて、物件所在地または相手方住所地を管轄する簡易裁判所に提出します。訴状の書き方は裁判所公式サイトのひな形を参照できます。

Step 2:裁判所が受理・期日を指定

訴状が受理されると「口頭弁論期日呼出状」と「少額訴訟事件受付票」が交付されます。大切に保管しましょう。

Step 3:口頭弁論(1回で完結)

裁判官を交えた丸テーブルでの審理です。当日の欠席・遅刻は相手方の主張が認められるリスクがあります。証人が必要な場合は当日同行が必須です。

Step 4:判決・強制執行

審理終了後に判決または和解が成立します。相手が弁済に応じない場合は強制執行(財産差し押さえ)の申立が可能です。

少額訴訟のメリットとデメリット

メリット

  • 短期間での解決:原則1回の審理で判決が出る
  • 費用が低い:弁護士費用不要、収入印紙代のみ
  • 強制執行が可能:判決後も支払いがなければ財産差し押さえで回収できる

デメリット

  • 請求対象が限定的:60万円以下の金銭請求のみ。物件の明け渡し・登記等には使えない
  • 被告の所在が不明だと提訴できない
  • 分割払い判決への異議不可:分割払いや支払い猶予の判決が出た場合、異議申立ができない
  • 準備不足は敗訴リスクになる:1回の審理で完結するため、証拠・主張を当日までに完全に整える必要がある

不動産賃貸トラブルで少額訴訟が有効なケース

以下のケースでは少額訴訟が有効な選択肢となります。

  • 退去後の敷金未返還(60万円以下)
  • 家賃滞納による損害賠償請求
  • 原状回復費用の請求

転貸借トラブルや無断転貸に関連した金銭請求にも活用できます。ただし金額が60万円を超える場合、または物件の明け渡しも同時に求める場合は通常訴訟が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 少額訴訟で必ず勝てますか?

原告側の勝率は高いですが、証拠が不十分だったり相手の主張が認められたりすれば敗訴または不利な和解になる可能性があります。証拠の準備が最重要です。

Q. 少額訴訟の費用はいくらかかりますか?

収入印紙代は請求額に応じて異なります。例:10万円請求の場合は1,000円、50万円請求の場合は3,000円程度が目安です。

Q. 相手が判決に従わない場合、どうすればよいですか?

強制執行の申立が可能です。銀行口座・給与・動産の差し押さえを裁判所を通じて申請できます。

Q. 少額訴訟を年に何回使えますか?

同じ簡易裁判所では年間10回までという制限があります(民事訴訟法第368条)。

Q. 弁護士に依頼した方がよいケースはどんなときですか?

請求額が60万円を超える場合、物件の明け渡しを求める場合、相手が法人で交渉力の差がある場合などは弁護士への相談を検討しましょう。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者