賃貸物件を経営する大家・オーナーにとって、経験豊富な管理会社選びは安定経営の鍵です。管理会社の実力を判断する指標として、全国賃貸住宅新聞が毎年発表する賃貸管理戸数ランキングが参考になります。
この記事では、2021年度の賃貸管理戸数ランキング上位10社の特徴と、管理会社を選ぶ際に押さえるべき5つのポイントを解説します。
賃貸管理戸数ランキングとは?どこが発表している?
賃貸管理戸数ランキングとは、全国賃貸住宅新聞が毎年発表する管理会社の実績を示す指標です。2021年は全国の賃貸管理会社1,063社を対象に調査が行われました。
全国賃貸住宅新聞は1989年の創刊以来、不動産オーナーや実務担当者に向けて賃貸業界の情報を発信している専門メディアです。毎週月曜日発行の新聞紙版とWeb電子版の2種類があり、年間購読料は17,000円(税込)です。
2021年の賃貸管理戸数ランキング1位〜10位はどの会社?
2021年のランキング上位10社を、各社の管理面での特徴・強みとあわせて紹介します。
1位:大東建託グループ(117万4,264戸)
2位以下を大きく引き離してトップに君臨する大東建託グループ。昨年の113万戸から4万戸以上を積み増し、不動産事業売上は1兆円を突破しました。
一括借り上げサービス(サブリース)を採用し、空室・滞納・トラブルなどの経営リスクを会社側が引き受けます。入居者募集からクレーム対応、入金確認まで包括的に管理を代行。2ヶ月ごとの定期点検による資産価値維持、24時間対応の「いい部屋サポートセンター」も強みです。
2位:積水ハウスグループ(65万7,190戸)
自社ブランド賃貸住宅「シャーメゾン」を中心に管理を展開。昨年から1.7万戸以上を増加させました。
賃貸事業の計画から運営・管理代行、全室一括借り上げまで対応。独自の建物保証制度や相続税対策サポートも充実しています。シャーメゾンの入居率は2021年1月時点で97.7%、成約者の80%以上が自社集客です。
3位:スターツグループ(61万2,953戸)
「ピタットハウス」のフランチャイズ展開で全国的に集客力を持つスターツグループ。昨年から2万戸以上増加しました。
トラブルの未然回避に重点を置いた管理が特徴で、定期巡回はWeb上で一元管理され、オーナーはいつでも状況を確認できます。「アシストレント」による賃貸保証システムも用意されています。
4位:大和リビング(60万428戸)
大和ハウスグループの賃貸管理会社。昨年から約1万5,000戸を増加させました。
入居者募集・契約業務・賃貸管理を要望に応じて受託でき、一括借り上げでの転貸にも対応。AIスピーカー搭載の賃貸住宅や家具家電レンタルなど、入居者サービスの拡充にも力を入れています。
5位:レオパレス21(57万3,673戸)
ワンルームマンションを中心に豊富な管理実績を持ちます。全国102拠点の管理センターできめ細かな現場対応を実施。
「一括借上げ方式(空室保証型)」「一括借上げ方式(入居実績連動型)」「管理委託方式」「自主管理方式」の4つの経営方式から選択可能で、オーナーの方針に合わせた柔軟な対応ができます。
6位:東建コーポレーション(25万5,416戸)
昨年から8,000戸以上を増加。長年の賃貸住宅建設・管理の経験を活かし、長期安定経営を支援します。
最長35年間の一括借上げに対応。自社の仲介事業「ホームメイト」を通じたオンライン・店舗での早期入居を実現しています。自社工場での建築部材生産により高品質・低コストを両立しています。
7位:ハウスメイトグループ(23万676戸)
一括借上げシステム、貸主代行システム、集金管理システムの3つから選べるのが特徴です。
オーナー向けWebサイト「みらいアシスト」で建物維持管理報告や不具合報告を閲覧可能。24時間365日の入居者トラブルサポートや、サービスセンターを通じたクレーム対応も行っています。
8位:東急住宅リース(10万6,879戸)
昨年11位から大幅ランクアップ。機関投資家からのプロパティマネジメント受託が強みで、これにより5,600戸の管理物件増加を実現しました。
デジタルシフトの推進による生産性向上、定額制リノベーションパック、資産相続サポートなどオーナー向けサービスも充実しています。
9位:旭化成不動産レジデンス(10万6,096戸)
都市部を中心とした管理受託が特徴。都市型マンションやシニア向け賃貸住宅「ヘーベルVillage」の開発に注力しています。
賃貸住宅経営システム「AMSA」による長期安定収益サポートが強みです。おまかせ型の安心プランでは、空室・滞納が発生しても30年間家賃が保証されます。
10位:ビレッジハウス・マネジメント(10万5,478戸)
旧雇用促進住宅を再生した会社で、セーフティネット住宅への登録を推進しています。
ベトナム語など多言語対応で幅広い入居者層を獲得。敷金・礼金・手数料・更新料なし、最大3万円の引越しサポートなど入居のハードルを下げる施策で空室期間を短縮しています。
11位以降で注目すべき賃貸管理会社はどこか?
11位以降にも注目すべき企業がランクインしています。特に注目の3社を紹介します。
11位:生和コーポレーション(10万620戸)
4大都市圏の都市部に特化した会社で、昨年より1万戸近く増加。グループ3社による3方向からの賃貸経営サポートと50年以上の土地活用実績が強みです。
16位:APAMAN(9万4,046戸)
Apaman Property株式会社が賃貸管理を担当。家賃収入最大化に向けた管理委託プランやサブリースプランを提供しています。
17位:パナソニック ホームズ グループ(8万9,097戸)
賃貸住宅ブランド「ユアメゾン」を展開。大手電機メーカーグループならではのIoT技術を活用した新しい賃貸経営が可能です。
賃貸管理会社を選ぶ際に重要な5つのポイントとは?
管理戸数が多い会社を選べば良いわけではありません。以下の5つのポイントを基準に、自分の物件に最適な管理会社を見極めましょう。
1. 空室への対応力
入居率と平均空室期間を確認しましょう。都内の入居率の目安は96%、空室期間の平均は40日以内です。空室発生時に迅速に新しい入居者を募集してくれるかが、安定収入の鍵となります。ただし入居率の計算方法は各社で異なるため注意が必要です。
2. 滞納家賃の回収力
2ヶ月以上の滞納率を確認するのがポイントです。全国平均の滞納率は約1.5%で、これが判断基準になります。1ヶ月の滞納は入金忘れの可能性があるため、2ヶ月以上の数値で回収力を評価しましょう。
3. トラブルの解決力
管理スタッフ数と年中無休のコールセンターの有無を確認しましょう。隣人トラブルや設備故障など、迅速な対応ができない管理会社は入居者の退去リスクを高めます。管理戸数あたりのスタッフ数も参考になります。
4. コストパフォーマンス
管理代行手数料は月の家賃収入の5〜7%が一般的です。管理委託費・仲介手数料のほか、システム料・更新手数料の有無も確認しましょう。空室保証・滞納保証がある場合は料金が高くなります。管理内容と支払う料金が見合っているかを総合的に判断することが大切です。
5. 企業の経営状態
入居者から回収した家賃は管理会社を経由してオーナーに振り込まれるため、管理会社の経営悪化は家賃の遅延や未払いリスクにつながります。担当営業スタッフへの確認や第三者信用調査会社の情報を参考に、経営の健全性を見極めましょう。
賃貸管理会社選びは不動産経営の成否を左右する重要な判断です。ランキングだけでなく、自分の物件の特性や経営方針に合った管理会社を選ぶことで、ストレスフリーな賃貸管理が実現できます。管理体制の充実度や賃貸管理に関する法規制への対応力もチェックポイントです。
よくある質問(FAQ)
Q. 賃貸管理戸数ランキングはどこで確認できる?
全国賃貸住宅新聞が毎年発表しています。1989年創刊の不動産専門メディアで、新聞紙版と電子版(年間購読料17,000円)で閲覧可能です。
Q. 管理戸数が多い会社ほど良い管理会社と言える?
管理戸数の多さは実績の一つの指標ですが、それだけでは判断できません。空室対応力・滞納回収力・トラブル解決力・コストパフォーマンス・経営状態の5つのポイントを総合的に評価することが重要です。
Q. 管理委託費の相場はどのくらい?
管理代行手数料は月の家賃収入の5〜7%が一般的です。空室保証や滞納保証が付くと料金は高くなります。固定報酬と変動報酬の違いも確認しましょう。
Q. サブリース(一括借上げ)のメリット・デメリットは?
メリットは空室の有無に関わらず安定した収入が得られることです。デメリットは家賃の一部が管理会社の手数料として差し引かれるため、満室時の収益は管理委託方式より低くなることです。