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COLUMN

日本政策金融公庫で不動産賃貸業の融資は受けられる?条件・金利・申請の流れを解説

日本政策金融公庫で不動産賃貸業の融資を受ける方法を解説。融資条件・金利・必要書類・事業計画書の書き方から審査を通すコツまで、実践的なノウハウを網羅。

最終更新: 約5分で読めます

日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業への融資を積極的に行っている政府系金融機関です。民間の金融機関にはない独自のメリットが多数あり、不動産賃貸業でも利用できる可能性があります。本記事では、融資条件・金利・必要書類・事業計画書の書き方まで詳しく解説します。

日本政策金融公庫とは何か?

日本政策金融公庫とは、日本政府が100%出資している政府系金融機関です。2008年に国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫の3つが統合して設立されました。「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」の3分野で支援融資を行っており、不動産投資に関するローンは国民生活事業に該当します。

日本政策金融公庫を活用するメリットとは?

政府系金融機関ならではのメリットを紹介します。

保証人が不要

税務申告を2期以上行い、税金の滞納がないなどの条件を満たせば、保証人なしで融資を受けられます(金利はやや高め)。

団体信用生命保険の加入が任意

民間金融機関では加入必須のケースが多いですが、日本政策金融公庫では任意です。金利を抑えたい方には魅力的な選択肢です。

全期間固定金利

返済終了まで返済額が変わらず、将来の見通しが立てやすいです。担保ありの場合、金利は1~3%程度と民間(4~5%程度)より低めです。さらに最大2年の据置期間を付けることも可能です。

性別・年齢に応じた優遇制度

29歳未満・55歳以上・女性は通常より低い特別金利で融資を受けられます。借入期間も優遇されます。

不動産賃貸業でも融資を受けられるのか?

結論として、不動産賃貸業でも融資を受けることは可能です。ただし、いくつかの条件と注意点があります。

融資が受けられるケース

  • 保有物件の修繕のための資金調達
  • 既に不動産賃貸業をしている人が追加で物件を購入する場合

投資目的では融資を受けられない

個人の資産形成を目的とした融資は通りません。面談では「不動産投資」ではなく「不動産賃貸事業」として説明することが重要です。

融資の特徴

項目日本政策金融公庫民間金融機関
借入期間最長20年(多くは10~15年)最長35年
金利1~3%(固定)4~5%(変動あり)
担保評価売買価格の30~50%比較的高め
完済年齢79歳まで金融機関により異なる

融資を受けるための条件は何か?

物件を担保にする

日本政策金融公庫は独自の評価基準を持ち、評価価格は売買価格の30~50%が一般的です。そのため、ある程度の自己資金(物件価格の5割程度)が必要です。

税金・公共料金の滞納がない

政府系金融機関のため、税金や公共料金の滞納は審査に大きく影響します。申し込み前に支払い漏れがないか確認しましょう。

融資に必要な書類は何か?

準備すべき主な書類は以下のとおりです。

  • 借入申込書:窓口またはホームページからダウンロード可能
  • 創業計画書:初めての融資で必要。審査で重要な役割を担います
  • 預金通帳のコピー:直近6ヶ月分
  • 2期分の確定申告書一式
  • 会社の登記簿謄本:3ヶ月以内のもの
  • 見積書:設備投資目的の場合、複数社から取得推奨
  • 運転免許証:本人確認用

融資が通りやすい事業計画書の書き方とは?

現実的な内容にする

審査担当者は融資のプロです。非現実的な目標は信頼性を失う原因になるため、実現可能な計画を立てましょう。

客観的な数字・データを記載する

見積書などの根拠資料に基づいた具体的な数字を記載しましょう。キリの良い数字ばかりだと信頼性を疑われます。

独自性を打ち出す

他との差別化ポイントを明確にし、価格競争に巻き込まれにくい事業モデルであることを示しましょう。

誰でもわかる内容に仕上げる

専門用語を避け、簡潔で無駄のない表現を心がけましょう。

融資を受けやすくするコツとは?

事業計画書は自分で作成する

面談で内容について聞かれるため、他人に作成を任せると質問に答えられないリスクがあります。

面談ではコミュニケーションを大切に

質問に対してはっきり答えること、わからない点は素直に担当者に聞くことが重要です。

利回りの高い物件を選ぶ

借入期間が短い分、10%以上の高利回り物件であると返済計画に余裕が生まれます。

融資を受けるまでの流れ

  1. 相談申し込み:最寄りの支店に電話またはWebで相談予約
  2. 必要書類の準備:事業計画書・確定申告書等を準備
  3. 申込書の提出:書類一式を提出
  4. 面談:事業内容や返済計画について質疑応答
  5. 現地調査:担保物件の査定
  6. 審査・融資決定:申込から2~3週間が目安
  7. 融資実行:口座に入金

よくある質問(FAQ)

不動産賃貸業の副業でも融資を受けられますか?

本業がある場合、赤字が出ても本業で補填できるレベルであれば融資を受けられた実績があります。

融資の審査期間はどのくらいですか?

一般的に申込から融資実行まで2~3週間程度です。書類の不備があると遅延するため、事前準備が重要です。

リフォーム費用だけの融資は可能ですか?

可能です。リフォーム内容と費用対効果をきちんと説明できれば、物件の設備投資として融資を受けられます。

複数の物件に対して同時に融資を受けられますか?

融資限度額の範囲内であれば可能ですが、審査はより慎重になります。まずは1物件から実績を積むことをおすすめします。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者