2025年3月度における首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の中古マンション市場は、大きな転換期を迎えています。東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した最新データによれば、成約件数は前年同月を大きく上回り、市場の活況が顕著です。一方で、価格動向にはエリア間で明暗が分かれ、都心部と郊外で動きに差が生じています。本記事では、成約件数の地域別推移、成約単価や在庫の変化とその背景要因、都心3区を中心とした注目エリアの分析、さらには地区別の特徴比較を分かりやすくお伝えします。
2025年3月の成約件数は地域別にどう推移したのか?
結論として、首都圏全体で4,991件(前年同月比+31.0%)の大幅増加を記録し、全エリアで軒並み前年を上回りました。
新年度前の需要期という季節要因も追い風となり、2月から3月への月次の伸びも顕著です。地域別に前年同月比の成約件数増減を見ると、首都圏の全てのエリアで大きく増加しています。
- 東京都(全域合計)は約2,661件で前年より+29%程度増加。特に東京23区は2,217件(+28.4%)と3か月連続の前年超え、多摩地域も444件(+30.6%)と大幅増で5か月連続増加しています。
- 埼玉県は573件(+30.2%)と6か月連続の大幅増加。
- 千葉県は560件(+28.2%)と17か月連続で前年を上回りました。
- 神奈川県全体では約1,197件(およそ+37%の増加)。特に横浜・川崎以外の地域(湘南エリアや県央部など)は354件(+51.3%)と飛躍的な伸びを見せました。
昨年秋頃に一時減速した首都圏中古マンション市場は、2024年11月以降持ち残し、本年に入りさらに取引数が急増しています。都心回帰だけでなく郊外含め広範囲で購入ニーズが高まっていることが読み取れます。
成約単価と在庫件数はどう変化しているのか?その背景要因は?
結論として、成約平方メートル単価は59か月連続で前年比プラスの歴史的上昇トレンドを継続する一方、在庫件数は11か月連続で減少し需給はひっ迫しています。
価格・在庫の最新動向
首都圏中古マンションの平均成約価格(1戸あたり)は2025年3月時点で約4,945万円、前年同月比+2.6%上昇(5か月連続)。平均成約平方メートル単価も79.01万円/平方メートルで前年比+4.1%の上昇となり、2020年5月以降59か月連続で前年同月を上回る記録的な上昇トレンドを継続しています。
一方、新規登録件数は16,844件で前年同月比マイナス0.01%(13か月連続の前年割れ)、在庫件数は43,941件で前年からマイナス5.2%減少(11か月連続マイナス)と、売り物件の供給は細り傾向が続いています。
新規登録平方メートル単価は平均90.21万円/平方メートルと前年同月比+22.2%もの急騰を記録。在庫平方メートル単価も84.75万円/平方メートルで前年比+17.7%上昇しました。売りに出される物件の価格設定が急上昇し、それが在庫として残っている物件価格にも反映されている状況です。
背景:金利環境・新築供給動向
価格上昇と在庫減少の背景には、金利上昇前の駆け込み需要、新築マンション供給の減少(2024年の首都圏新築発売戸数は23,003戸で調査開始以来最少)、そして円安による外国人投資家の参入拡大が複合的に作用しています。構造的な需給ひっ迫が現在の市場を支えている面が大きいと言えます。
都心3区の中古マンション市場はなぜ独歩高なのか?
結論として、千代田区・中央区・港区を中心とする都心エリアは、国内外の富裕層需要と極端な供給不足により、他エリアとは異次元の価格上昇を見せています。

東京23区の成約平方メートル単価は121.78万円/平方メートル(前年比+11.2%)と二桁の上昇率で、59か月連続の前年比プラスを維持しています。一方、他エリア(埼玉・千葉・神奈川)はマイナスに転じる地域も出ているため、都心だけが独歩高の様相です。
都心部では1億円超の高額物件の取引が日常化しており、居住用需要に加え資産ポートフォリオとして不動産を購入する動きが強く、値上がり期待から強気の価格設定で売り出すケースが目立ちます。一見首都圏全体が過熱しているように見えますが、それは都心部という限られたエリアの影響が大きい点に留意が必要です。
北部・南部・多摩・総武・川崎・湘南エリアの特徴にはどんな違いがあるのか?
結論として、各エリアの市場特性は大きく異なり、都心に近いほど価格は高いが、郊外エリアでは価格調整が進みつつも取引は活発という二極化が進んでいます。
- 北部エリア(埼玉県):平均成約単価42.09万円/平方メートル(前年比マイナス4.8%)とやや調整に転じたものの、成約件数は+30.2%と大幅増。価格が落ち着いたことでかえって取引が伸びた格好です。
- 東部エリア(千葉県・総武線沿線):平均成約単価37.26万円/平方メートル(前年比マイナス7.5%)と下落に転じたものの、成約件数は+28.2%増と17か月連続で前年超え。
- 西部エリア(多摩地域):平均成約単価58.07万円/平方メートル(前年比+5.2%)と23区以外では唯一の前年比プラス。堅実な自住需要が支えています。
- 南部エリア(横浜市・県央部):横浜・川崎市エリアの平均成約単価は61.64万円/平方メートル(前年比マイナス4.3%)。取引数は+33.2%増と好調ながら価格は調整局面です。
- 湘南エリア:コロナ禍で人気化した郊外・リゾートエリアの過熱が沈静化し、価格調整も進みつつあります。
まとめると、「都心部は価格・取引とも最も活況」「近郊エリアは取引増だが適正価格志向が強まりつつある」「郊外エリアは過熱が沈静化し価格調整も進む」といった傾向です。賃貸管理における法規制の理解も、各エリアでの不動産運用には欠かせません。
今後の首都圏中古マンション市場はどうなるのか?
結論として、都心部の強含みと郊外の調整という構図が当面続く見通しですが、急激な価格下落局面は考えにくい状況です。
短期的には、取引活発・在庫減少の状況は当面続くと見られます。日銀の金融政策は依然緩和的で、変動金利型ローンは極めて低水準を維持しているため、急激に購買意欲が冷え込む可能性は低いでしょう。
- 売却を検討している方へ:成約単価は歴史的高値圏にあり、買い手の需要も強いため、適切な価格設定さえ誤らなければ高値での売却が期待できる市況です。市場実勢に合った価格査定を専門家に依頼することをお勧めします。
- 購入を検討している方へ:エリアや物件によっては交渉の余地も出始めています。金利の先高観を踏まえ、将来の金利上昇も織り込んだ資金計画が重要です。ストレスフリーな賃貸管理システムを活用した運用も視野に入れましょう。
よくある質問(FAQ)
2025年3月の首都圏中古マンション成約件数はどのくらいですか?
首都圏全体で4,991件となり、前年同月から+31.0%の大幅増加を記録しました。全エリアで20%から50%超の増加率を示しています。
中古マンション価格は今後下がりますか?
新築マンション供給の減少と在庫不足が続く限り、急激な価格下落は考えにくい状況です。ただし、郊外エリアでは価格調整が始まっており、エリアによっては交渉の余地が生まれています。
都心と郊外どちらで購入すべきですか?
資産価値の安定を重視するなら都心・駅近の物件、利回りや値上がり余地を狙うなら近郊・郊外エリアにも注目すべきです。ご自身の予算、ライフスタイル、投資目的に応じた選択が重要です。