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賃貸物件オーナーが知るべき家賃滞納の時効と契約解除の条件

家賃滞納の消滅時効は5年。賃貸物件オーナーが時効成立を防ぐための督促手続き・内容証明・裁判の活用法と、3ヶ月以上滞納時の強制退去条件を法律に基づき解説します。

最終更新: 約3分で読めます

不動産投資において避けられないリスクのひとつが家賃滞納です。滞納者への適切な対処を怠ると、消滅時効によって請求権を失うリスクがあります。オーナーが知っておくべき法的知識を整理します。

家賃滞納の時効は何年か?

家賃(定期給付債権)の消滅時効は5年です。5年間権利を行使しなかった場合、借主が「時効の援用」を行うと請求権が消滅します。時効の援用は裁判なしで可能なため、滞納放置は重大なリスクです。

時効が成立する条件とはどういうものか?

以下の3つの条件がすべて揃った上で、借主が時効の援用を行った場合に時効が成立します。

5年以上経過している

民法169条により、家賃は5年間権利を行使しないと消滅します。最後の支払いから5年が経過すると時効となります。

5年間に一度も支払いがない

1度でも支払いがあれば時効はリセット(中断)されます。一部入金があった場合でも時効カウントは最初からやり直しになります。

回収手続きを何も行っていない

督促状の送付・内容証明郵便・裁判・差し押さえなどの「権利行使」を行っていない場合、時効が成立します。内容証明郵便の送付で6ヶ月延長、裁判提起で10年に延長できます。

滞納者の契約解除はどんな条件で可能か?

3ヶ月以上の滞納

3ヶ月以上の滞納がある場合は、建物明渡請求(裁判手続き)を通じた強制退去が現実的な選択肢になります。ただし法的手続きには時間とコストがかかるため、早めの対応が重要です。

信頼関係の破綻

交渉・督促を繰り返しても支払いに応じない場合、オーナーと入居者の「信頼関係が破綻した」と判断され、契約解除の根拠となります。

支払い意思がないと証明できる

強制退去には「支払いの意思がない」ことの証明が必要です。督促記録・内容証明の送達記録・やりとりの記録を保全しておくことが、法的手続きを進める上で重要になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 内容証明郵便はどこで送ることができますか?

郵便局の窓口または「e内容証明」(日本郵便のオンラインサービス)で送ることができます。差出日・内容・受領事実が証明されるため、時効中断の証拠として有効です。

Q. 家賃保証会社に加入していれば滞納リスクはゼロですか?

保証会社が立替払いを行うため、オーナーへの収入は確保されます。ただし保証会社の代位弁済には限度額・条件があり、長期滞納時の対応スピードも会社によって差があります。契約時に保証内容を詳細に確認することが重要です。

Q. 差し押さえは誰でも申請できますか?

差し押さえには裁判所の許可(仮差押え・強制執行の申立て)が必要です。また差し押さえる財産がなければ実効性がないため、事前に財産調査を行うことを推奨します。

Q. 督促状は何度送るべきですか?

明確な回数の規定はありませんが、1ヶ月の滞納で督促状送付、2ヶ月で内容証明郵便、3ヶ月を超えたら弁護士への相談というフローが一般的です。記録を残しながら段階的に対応することが重要です。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者