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不動産の耐用年数と減価償却費の計算方法|事業用・居住用の違いと定額法の実例解説

不動産売却・賃貸経営で必要な減価償却費の仕組みを解説。法定耐用年数の3種類の違い、事業用と居住用の差、定額法での計算例まで実務的にわかりやすく説明します。

最終更新: 約3分で読めます

不動産売却時の税務申告で必要となる「減価償却費」の仕組みと計算方法を正確に理解することは、投資家・オーナーにとって必須の知識です。計算を誤ると節税機会を失うだけでなく、過大申告のリスクもあります。

不動産の減価償却費とは何か?

減価償却費とは、建物や備品などの固定資産が時間の経過とともに価値が減少する部分を、耐用年数にわたって費用として配分する会計上の処理のことです。土地は価値が下がらないとみなされるため対象外で、不動産では建物部分のみが減価償却の対象となります。

不動産の耐用年数には3種類ある

耐用年数には以下の3つの考え方があります。

  • 法定耐用年数:国が定めた建物の会計上の標準年数。不動産の価値評価に最も使われます
  • 物理的耐用年数:建物が物理的に使用できなくなるまでの年数
  • 経済的耐用年数:修繕費用なども含め、実際に資産価値があると判断される期間

事業用と居住用で耐用年数が異なる理由は?

同じ木造建物でも、事業用(賃貸・店舗)は耐用年数22年、居住用(マイホーム売却)は33年と定められています。これは自宅の売却時の税負担を軽減するための制度設計です。

減価償却費はどのように計算するのか?

減価償却費 = 取得価格 × 耐用年数に応じた償却率

2007年4月以降に取得した不動産は原則として定額法が適用されます。

定額法と定率法の違い

  • 定額法:毎期均等額を償却。計算が簡単で初期に利益が出やすい
  • 定率法:未償却残高に一定率をかけて償却。初期の償却額が多く徐々に減少する

計算例(非事業用木造)

非事業用木造(耐用年数33年・償却率0.031)の物件を1,000万円で購入し、経過年数15年の場合:
1,000万円 × 0.9 × 0.031 × 15年 = 減価償却費418万5,000円
建物取得費 = 1,000万円 ー 418万5,000円 = 581万5,000円

よくある質問(FAQ)

Q. 減価償却費の計算に使う取得価格はどこから分かりますか?

A. 売買契約書または固定資産税評価額を参考にします。土地と建物が一括購入の場合は固定資産税評価額の按分比率で建物価格を算出します。

Q. 自宅売却時に減価償却費はどのように影響しますか?

A. 売却益の計算において「取得費」から減価償却費を引いた建物取得費が使われます。建物取得費が低くなるほど譲渡益が大きくなり、所得税が高くなります。

Q. 築年数が法定耐用年数を超えた中古物件の耐用年数はどうなりますか?

A. 法定耐用年数を超えた場合は「耐用年数×20%」の簡便法を使います。例えば木造22年なら4年(22×0.2)が適用耐用年数です。

Q. 減価償却費の計算は専門家に頼むべきですか?

A. 取得時期・用途・構造によって計算方法が異なり複雑なケースもあります。確定申告や売却時の税務申告は、税理士に相談することで計算ミスや申告漏れを防げます。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者