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アパート一棟買いで失敗する本当の原因とは?投資家が知るべきリスクと回避策

アパート一棟買いの失敗原因を空室・維持費・オーバーローンなど5つの視点で解説。中古購入・キャッシュフロー比較など投資家向けの具体的対策も紹介。

最終更新: 約5分で読めます

不動産投資でアパートの一棟買いを検討する投資家は多い。しかし一棟買いは失敗リスクが高い投資形態とも言われ、慎重に判断しなければならない。本記事では失敗の根本原因と、プロ投資家が実践するリスク回避策を整理する。

アパート一棟買いで失敗する原因はなぜ起きるのか?

一棟買いの失敗は、特定の原因が重なって発生する。主要な失敗パターンを理解することが、損失回避の第一歩だ。

空室リスクが高まる

戸数が多い物件では入居者の確保が難しくなり、空室率が収益を直撃する。周辺に競合物件が増えたり、ニーズに合わない間取りであったりすると、新築でも入居率が低迷する。築年数の経過とともに周辺環境も変化し、大学移転・人口動態の変化が入居需要を左右することも多い。空室が増えれば家賃収入が大幅に減少し、ローン返済を圧迫する。

維持費がかさみやすい

アパートは築年数の経過とともに老朽化が進み、10〜15年スパンで大規模修繕が必要になる。外壁塗装・屋根補修・設備更新などの費用は高額になりがちだ。大規模修繕を目前とした物件が売却されるケースも多く、投資初心者はこの「隠れコスト」を見落として苦境に陥ることがある。

オーバーローン状態になってしまう

「初期費用ゼロ」を謳う物件は、仲介手数料・印紙代・司法書士報酬など諸費用までローンに含めるためオーバーローンになりやすい。物件価格に加えて諸費用もローンで賄う場合、適用金利が上昇するリスクもある。キャッシュフローがマイナスになる前提でシミュレーションしておく必要がある。

区分所有より比較検討が難しい

区分所有は間取り・立地・価格を横並びで比較しやすいが、一棟物件は規模・戸数・築年数・管理状況が物件ごとに大きく異なり、適切な比較が難しい。価格だけで判断すると致命的な見落としにつながる。

節税効果だけを目的にした購入

初年度は仲介手数料・ローン手数料が経費計上できるため節税効果が高い。しかし2年目以降は経費が減り節税メリットが薄れる。一棟買いは1億円超の投資規模になることも多く、節税を主目的にした意思決定は長期的な収益を損なうリスクがある。

アパート一棟買いで失敗しないための対策とは?

失敗を回避するには、購入前から収益構造を多面的に検証することが重要だ。

中古物件を選択して初期コストを抑える

中古物件は新築より取得コストを大幅に抑えられ、利回り改善につながる。新築の「新築プレミアム」は入居者にとっての訴求力が短期間しか続かないため、あえて中古を選ぶ判断も合理的だ。

リノベーションで競争力を維持する

中古物件取得後にリノベーションを実施することで、近隣物件との差別化ができ、入居率向上・賃料維持につながる。リノベーションコストを取得価格に含めて利回りを計算することが前提だ。

現地調査で周辺環境と利便性を確認する

スーパー・コンビニの有無、治安、公共交通のアクセス、競合物件の賃料水準は必ず現地で確認する。将来の人口動態・開発計画も自治体の都市計画情報で事前に把握しておきたい。

キャッシュフローで複数シナリオを比較する

キャッシュフローは家賃収入からローン返済・諸経費・固定資産税を差し引いた実質手取りだ。満室・入居率80%・入居率50%の3パターンで試算し、最悪ケースでも耐えられるかを確認することが必須だ。

よくある質問(FAQ)

アパート一棟買いの最大のリスクは何ですか?

空室リスクと維持費の増大が最大のリスクだ。特に築年数が経過した物件では大規模修繕費が収益を大きく圧迫する。購入前に修繕履歴と将来の修繕計画を確認することが重要だ。

アパート一棟買いに向いている投資家はどんな人ですか?

ある程度の自己資金があり、空室リスクや修繕コストを長期視点で許容できる投資家に向いている。不動産投資の基礎知識(キャッシュフロー計算・建物構造・賃貸管理)を習得してから取り組むことが前提だ。

オーバーローンを防ぐにはどうすればよいですか?

物件購入費用の1〜3割を自己資金として準備し、諸費用はできる限り手元資金で賄うことが基本だ。諸費用込みのローンは金利が上昇しやすく、キャッシュフローをマイナスにする主因になる。

節税目的の一棟買いは失敗しやすいですか?

節税効果は初年度に集中し、2年目以降は急速に薄れる。節税はあくまで副次的なメリットとして捉え、主目的は安定したキャッシュフローの確保とするべきだ。

中古アパートと新築アパート、どちらが投資に有利ですか?

利回り面では中古が有利なケースが多い。ただし大規模修繕のタイミングと費用を織り込んだ上で実質利回りを計算することが必要だ。新築は修繕リスクが低い反面、取得コストが高く利回りが低くなる傾向がある。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
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  • 貸金業務取扱主任者