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赤羽一丁目第一地区再開発|108mタワーが変える赤羽駅東口の未来

赤羽一丁目第一地区第一種市街地再開発事業の全容を解説。地上26階・高さ108m・約270戸の複合タワーが2029年6月に竣工予定。野村不動産・丸紅都市開発が参画し、総事業費238億円で赤羽駅東口を刷新します。

最終更新: 約12分で読めます

JR赤羽駅東口から徒歩わずか2分。老朽化した雑居ビルが密集していた赤羽一丁目に、地上26階・高さ約108mの複合タワーが姿を現そうとしています。「赤羽一丁目第一地区第一種市街地再開発事業」は2024年1月に東京都から組合設立認可を受け、2025年10月の除却整地工事着手を経て2029年6月の竣工を目指す大規模事業です。参加組合員には野村不動産と丸紅都市開発が名を連ね、総事業費238億円の再整備が赤羽駅東口の景色と不動産市況を根本から変えようとしています。

赤羽一丁目第一地区とはどのようなエリアか?

JR赤羽駅東口・北区最大の商業集積地

赤羽は東京都北区に位置し、JR京浜東北線・高崎線・東北本線・埼京線が交わる交通の要衝です。駅周辺には飲食店・商業施設が集積し、昼夜を問わない賑わいが続くエリアとして長年親しまれてきました。なかでも東口側の赤羽一丁目は、駅至近の一等地でありながら、狭小・老朽化した雑居ビルが密集する街区が続いていました。

こうした状況は、単に美観の問題にとどまりません。地震や火災に対する脆弱性が高く、歩行者空間も限られており、北区が都市防災上の重点整備エリアとして位置づけてきた理由がここにあります。2009年には「赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会」が設立され、住民・行政・専門家が一体となった長期的な街づくりの議論が始まりました。

老朽密集市街地という課題と再開発の必要性

施行区域となる赤羽一丁目10番・11番地内(約0.5ha)は、東京都が定める都市防災不燃化促進事業の対象地区にも指定されており、早期の不燃化・耐震化が求められていました。準備組合が発足した2016年から数えると、住民主導で10年以上かけて合意形成を重ねてきたことになります。だからこそ、2024年の組合設立認可は単なる手続き上の節目ではなく、地域全体の意志が結実した転換点として受け止められています。

事業概要と施設規模はどのようなものか?

地上26階・108m・約270戸の複合タワー

本事業の施設規模は、地上26階・地下1階、高さ約108.40m、延床面積約33,340㎡です。住宅戸数は約270戸で、野村不動産の参画を考えれば分譲マンションとしての高いブランド価値が期待されます。総事業費は約238億円にのぼり、東京都北区における近年最大規模の市街地再開発事業となっています。

出典:東京都北区「赤羽一丁目第一地区」(事業概要説明会資料より)

事業の施行者は赤羽一丁目第一地区市街地再開発組合、参加組合員は野村不動産株式会社と丸紅都市開発株式会社です。事業協力者として熊谷組、基本設計は大建設計、事業コンサルタントはシティコンサルタンツが担当しています。これだけの陣容が揃うことは、エリアポテンシャルの高さと事業の実現可能性を同時に示しています。

施設構成(商業1〜3F、住宅5〜26F、広場空地)

複合施設の用途構成は以下のとおりです。地下1階と地上4階が駐輪場、地上1〜3階が商業施設(店舗)、地上5〜26階が住宅フロアとなります。駅から徒歩2分の立地に商業機能を集約し、上層部に良質な住環境を確保するという、近年の都市型再開発の王道的な構成です。

また、敷地内には道路沿いの歩道状空地と、敷地西側・北側に広場状空地が整備されます。街路樹が植栽されたこれらの空地は、日常の憩いスペースとしての役割に加え、災害時の避難場所としても機能する計画です。

外観デザイン:「のれん」モチーフと駅前広場

外観デザインには、赤羽の商業文化を象徴する「のれん」をモチーフにした大きな屋根をもつファサードが採用されています。地域の記憶を継承しながら現代的な都市建築として昇華させるこのアプローチは、再開発事業に対する地域住民の心理的受容性を高める上でも重要な配慮です。単に古いものを壊して新しいものに置き換えるのではなく、「赤羽らしさ」を体現した建物にしようとする姿勢が、デザインコンセプトに明確に表れています。

出典:東京都北区「赤羽一丁目第一地区 事業概要説明会資料」(2024年5月)

事業の進捗とスケジュールはどうなっているか?

都市計画決定から組合設立まで(2016〜2024年)

本事業は2016年6月の準備組合設立に始まり、2020年8月に都市計画決定・変更告示を経て、2024年1月31日に東京都から組合設立認可を受けました。組合設立総会は2024年2月に開催され、正式な施行者として事業推進の体制が整いました。準備組合発足から組合設立まで約8年を要したことは、多数の権利者が存在する市街地再開発における合意形成の困難さを示すとともに、それを乗り越えた地域の底力を物語っています。

権利変換・除却工事〜竣工(2025〜2029年)

今後のスケジュールは以下のとおりです(東京都北区公式情報)。

時期 内容
2025年度(令和7年度) 権利変換計画認可(予定)
2025年10月 除却・整地工事着手(予定)
2026年10月 施設建築物新築工事着手(予定)
2029年6月 建物竣工(予定)

すでに2025年10月には除却整地工事が着手される予定であり、赤羽駅東口の街並みはこの段階から大きく変わり始めます。竣工は2029年6月と、わずか3年余りで地上26階のタワーが完成する計画です。

赤羽駅東口の整備計画と公共貢献

歩道状空地・広場状空地の整備

本事業では、施設の建設にとどまらず、周辺の公共空間を一体的に整備する計画が組み込まれています。道路沿いには連続した歩道状空地が整備され、歩行者の安全性と快適性が大幅に向上します。さらに、敷地西側・北側に整備される広場状空地は、東西の歩行者動線を補完する役割を担い、駅から街への回遊性を高めます。

防災性向上(不燃化・耐震化)

本事業は東京都の都市防災不燃化促進事業として位置づけられており、老朽木造建築物の除却と不燃化・耐震化が防災上の重要な目標に据えられています。かつて延焼リスクが高かった木造密集地が、高い耐震性能を備えた鉄筋コンクリート造の複合タワーに生まれ変わることで、地域全体の防災安全水準が引き上げられます。

赤羽駅周辺まちづくり基本計画との連携

北区は令和7年7月に「赤羽駅周辺地区まちづくり基本計画」を策定しており、本事業はその先導的プロジェクトとして位置づけられています。行政・住民・事業者が一体となった中長期的な街づくりのビジョンを共有しながら進められている点が、本事業の大きな特長です。

周辺再開発との比較:赤羽全体の変貌

後続の赤羽一丁目中央地区(2032年着工予定)

第一地区の事業が佳境を迎えつつある一方、その北側では後続事業の準備も着実に進んでいます。2024年10月、赤羽一丁目の第二地区・第三地区の準備組合が合併し、「赤羽一丁目中央地区市街地再開発準備組合」が発足しました。2025年1月には東京都知事へ準備組合設立届が提出され、事業協力者には丸紅都市開発と三井不動産レジデンシャルが決まっています。

施行区域は赤羽1-12ほか約1.2haと、第一地区の約2.4倍に及ぶ規模です。2028年度の都市計画決定、2032年度の解体着工を目指しており、第一地区の竣工後に赤羽東口の再開発はいよいよ本格的なフェーズへ移行します。

赤羽駅西口「赤羽台ゲートウェイ計画」との比較

赤羽駅の変貌は東口だけの話ではありません。西口でも旧赤羽台東小学校跡地とUR土地(約1.3ha)を活用した「赤羽台ゲートウェイ計画」が進行中です。地上29階・地下2階、高さ約101m、総戸数550戸という規模で、2025年4月に本体工事が着工しており、2029年3月の竣工が予定されています。

東口の第一地区(2029年6月竣工)とほぼ同じタイミングで、東西それぞれに高さ100m超のタワーが完成するという事実は、赤羽が都内有数の「再開発集積エリア」として再定義されつつあることを如実に示しています。なお、東京北部エリアの再開発動向については、JR板橋駅・板橋口地区の再開発計画も合わせてご参照ください。

東西一体で変わる赤羽の街

東西で同時並行する再開発は、単純な建物の更新以上の意味をもちます。駅を挟んで両側にタワーが建ち並ぶことで、赤羽駅全体の「玄関口」としての格が上がり、商業・住宅・交通の利便性が有機的に結びつく新たな街の骨格が形成されます。都心から電車で20〜30分という立地の優位性に、高品質な都市環境が加わることで、赤羽の競争力は今後さらに高まっていくでしょう。東京全体の再開発動向を俯瞰する視点については、2025年、東京を変貌させる主要再開発プロジェクトもあわせてご覧いただくと、赤羽の位置づけがより鮮明になります。

地価・不動産市況への影響

赤羽駅周辺の公示地価推移

2025年公示地価によると、赤羽駅周辺の地価平均は約139万9,250円/㎡(前年比+11.75%)と、都内でも高い上昇率を記録しています。東京都北区全体でも前年比+10.64%と高水準で、再開発への期待感が地価に先行して織り込まれている様子が見てとれます。

中古マンション価格への波及効果

赤羽駅周辺の中古マンション価格は、過去10年で約54%上昇しています。東京全体の地価上昇トレンドに加え、赤羽固有の再開発期待が需要を押し上げてきた結果です。2029年の東口・西口タワー同時竣工に向けて、周辺の不動産価格はさらなる上昇圧力を受ける可能性があります。むしろ注目すべきは、竣工後の資産価値の定着性です。野村不動産・丸紅都市開発という大手デベロッパーが参画していることで、管理水準や長期的なブランド維持に対する信頼感も高まります。

野村不動産・丸紅ブランド参画が示す資産価値

野村不動産と丸紅都市開発が参加組合員として名を連ねることは、資産価値の観点からも重要です。大手デベロッパーの参画は、販売時の価格水準・入居後の維持管理・長期的な資産流動性のすべてに好影響を及ぼします。また、立石駅北口再開発など近年の東京東北部の事例と比較しても、赤羽一丁目第一地区は事業規模・デベロッパー陣容・立地優位性の三拍子が揃った案件と評価できます。

今後、赤羽エリアへの注目度が高まるほど、周辺物件への需要も連動して高まっていきます。土地オーナーや不動産投資家にとっては、竣工後を見据えた長期的な視点で資産活用の方針を見直す好機といえるでしょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 赤羽一丁目第一地区の再開発はいつ完成しますか?

A. 2029年6月の竣工を予定しています。2025年10月から除却・整地工事が始まり、2026年10月に施設建築物の新築工事に着手する計画です。スケジュールは東京都北区公式情報に基づくものです。

Q2. このタワーには何戸の住宅が入りますか?また、どのデベロッパーが関わっていますか?

A. 住宅は約270戸が整備される予定で、地上5〜26階が住宅フロアです。参加組合員として野村不動産株式会社と丸紅都市開発株式会社が参画しており、大手デベロッパーによる高品質な住宅供給が期待されています。

Q3. 赤羽駅東口の駅前空間も変わりますか?

A. はい。建物周辺に道路沿いの歩道状空地と広場状空地が整備されます。敷地西側・北側の広場は、街路樹が植栽されたイベント・憩いスペースとして機能し、東西の歩行者動線を補完するとともに、災害時の避難場所としても活用される計画です。

Q4. 赤羽一丁目中央地区の再開発はどうなっていますか?

A. 中央地区では2024年10月に第二地区と第三地区の準備組合が合併し、2025年1月に東京都に準備組合設立届を提出しました。事業協力者は丸紅都市開発と三井不動産レジデンシャルで、2028年度の都市計画決定・2032年度の解体着工を目指しており、第一地区の竣工後に赤羽東口の再開発は次のフェーズへ移行する見込みです。



引用・参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者