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COLUMN

ベンチャー企業のオフィス移転で失敗しない不動産会社の選び方とは?

ベンチャー企業のオフィス移転を成功させる不動産会社の選び方を解説。オフィス形態の比較や移転手続き、法的手続きまで網羅。まずはチェックリストを確認しましょう。

最終更新: 約8分で読めます

まだ立ち上がったばかりのベンチャー企業にとって、オフィス移転は事業の成長を左右する重要なイベントです。物件探しからオフィスデザイン、ネットワーク環境まで、こだわりを叶えてくれるパートナー選びが成功の鍵を握ります。

ここでは、ベンチャー企業がオフィス移転時に押さえるべき不動産会社選びのポイントと移転手順を紹介します。

ベンチャー企業のオフィス移転で注意すべきポイントとは?

オフィス移転を成功させるには、まず自社に合ったオフィス形態を選び、将来の事業計画を見据えた判断が必要です。

どのような形態のオフィスにするか決める

オフィスには賃貸オフィス・レンタルオフィス・コワーキングスペースの3つの形態があり、それぞれ費用・自由度・利便性が異なります。

賃貸オフィス

賃貸オフィスは、賃貸契約を結んでスペースを確保する形態です。ビルの一室を独占できるため、クライアントからの信頼感が得やすく、内装やオフィスデザインも自由に変えられます。一方で、敷金・礼金・毎月の賃料に加え、OA機器やインターネット環境などインフラ導入の手間と費用が必要です。

レンタルオフィス

レンタルオフィスは、机やキャビネットなどのオフィス家具に加え、ネット回線も備わったスペースです。設備や家具の利用料金が含まれているため、賃貸オフィスに比べて低コストで始められます。共有スペースがパーテーションで仕切られたものや個室タイプもあり、法人登記が可能なレンタルオフィスもあります。

コワーキングスペース

コワーキングスペースは、カフェや図書館のような広いオープンスペースを利用できる形態です。空いている場所を自由に使え、社外の人とも交流できるため、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。他のオフィス形態と比較しても低価格で利用できるのが魅力ですが、郵便物の受け取りや法人登記ができない所もあります。

移転検討時に意識すべきポイント

会議室に関して

ベンチャー企業は新プロジェクトの立ち上げや事業拡大の話し合いが頻繁に行われます。レンタルオフィスやコワーキングスペースでは会議室が共有スペースや予約制の場合があるため、会議の頻度・人数・コストを考慮して選びましょう。

採用に関して

採用効果を高めるには、都心の一等地やオフィスの雰囲気、自由度の高いコミュニケーション環境がポイントです。通勤の利便性やオフィス環境を重視する求職者は多くいます。

今後の事業計画に関して

将来の事業拡大や人員増加を予測し、中長期的な事業計画を立てることでオフィス移転の回数を減らし、コスト面の見通しも立てやすくなります。

オフィス移転前にやるべきことは何か?

移転を成功させるには、事前準備が不可欠です。目的の明確化から工事手配、原状回復まで、やるべきことを順に確認しましょう。

移転の目的をはっきりさせる

一般的なオフィス移転の目的は以下の通りです。

  • 事業拡大
  • 業務の効率化
  • オフィス環境改善
  • ワークスタイルの自由化
  • 企業イメージ向上
  • 新拠点の設立

目的が明確であれば、新オフィスの物件探しやレイアウト、オフィス家具選びもスムーズに進みます。専属チームや担当者を決めておくとより効率的です。

移転先のオフィス選び

移転先を選ぶ際は、以下のポイントを組み合わせて探しましょう。

  • 立地条件・最寄り駅からのアクセス
  • 周辺環境(役所・銀行・コンビニなど)
  • 物件の価格相場・敷金・礼金・賃料
  • 空調・電気容量・ネット回線などの設備
  • 有効面積・室内の形状
  • 駐車場や駐輪場の有無

解約予告時期の確認

解約予告通知は一般的に解約日の6ヶ月前までに行う必要があります。退去日までに原状回復を済ませ、預託金の返還条件なども早めに確認しておきましょう。

工事の手配を早めにしておく

新オフィスの内装工事・電気工事は、規模によりますが完了まで1〜2ヶ月程度かかります。レイアウトやオフィスデザインが決まったら速やかに手配しましょう。

原状回復工事も忘れずに

原状回復工事とは、入居時と同じ状態にして返すことを指し、経年劣化や通常消耗による汚れは対象外です。業者の指定や敷金の充当可否などをオーナーに確認しておきましょう。

移転に必要な手続き

  • 取引先への移転挨拶状
  • 電話回線・インターネットの変更
  • 郵便物の転送手続き
  • リース機器の手続き
  • 金融機関・会計事務所への連絡
  • 自社ホームページでの告知
  • 社印・名刺・契約書・請求書の住所変更

オフィス移転後に必要な手続きとは?

移転完了後も各種届出が必要です。申請期限のあるものが多いため、早めに取りかかりましょう。

銀行口座・クレジットカードの住所変更

銀行口座はオンラインでも手続き可能ですが、方法によって必要書類が異なります。法人クレジットカードの住所変更も忘れずに行いましょう。

法的手続き

移転登記の申請

本店移転登記申請は移転日から2週間以内に、新しい本店所在地管轄の法務局へ提出が必要です。支店移転の場合は、管轄ごとに2〜4週間以内の期限が設けられています。

労災保険・雇用保険の手続き

所在地変更の翌日から10日以内に、管轄の労働基準監督署・ハローワークへ届出が必要です。一元適用事業と二元適用事業で手続きが異なるため注意しましょう。

健康保険・厚生年金の手続き

移転後5日以内に、移転前の所在地を管轄する年金事務所へ届出を提出します。

納税地・給与支払い関連の変更

移転前の所在地を管轄する税務署へ「異動事項に関する届出」をできるだけ速やかに提出します。給与支払事務所の移転届出は移転後1ヶ月以内が期限です。

不動産会社選びで重視すべきポイントとは?

信頼できる不動産会社を見つけることが、オフィス移転成功の最大の鍵です。以下の3点を重視しましょう。

オフィス仲介の実績があるか

オフィス仲介に慣れた不動産会社であれば、一般に出回っていない物件情報や移転ノウハウを持っています。実績数を確認し、専門性の高い会社を選びましょう。

物件情報が豊富か

デザイナーズオフィスや一棟貸、居抜き物件など、様々なオフィス物件情報を持つ不動産会社を選ぶと、より理想の物件に出会える可能性が高まります。

将来のビジョンを共有できるか

要望を聞くだけでなく、移転の目的やビジョンまで共有できるパートナーを見つけることが重要です。営業ノルマで契約を急かすような会社は避け、課題解決に一緒に取り組んでくれる不動産会社を選びましょう。

まとめ

ベンチャー企業のオフィス移転は、物件探しに加えて多くの法的手続きが必要な一大プロジェクトです。移転前に信頼できる不動産管理のパートナーを見つけておくことで、スムーズな移転が実現します。オフィス仲介の実績が豊富で将来のビジョンを共有できる不動産会社を選ぶことが、企業の未来への成功につながるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. ベンチャー企業に最適なオフィス形態はどれですか?

事業フェーズによって異なります。初期はコワーキングスペースやレンタルオフィスでコストを抑え、事業拡大に合わせて賃貸オフィスへ移行するのが一般的です。

Q. オフィス移転にはどれくらいの期間が必要ですか?

解約予告が6ヶ月前、内装工事に1〜2ヶ月程度かかるため、最低でも移転の8〜10ヶ月前から準備を始めるのが理想的です。

Q. 移転登記の申請期限はいつまでですか?

本店移転登記は移転日から2週間以内に法務局へ申請が必要です。支店移転の場合は管轄によって2〜4週間以内となります。

Q. オフィス移転で不動産会社を選ぶ際の最も重要なポイントは?

オフィス仲介の実績が豊富で、自社の将来ビジョンを共有できるかどうかが最も重要です。物件紹介だけでなく、課題解決のアドバイスをくれるパートナーを選びましょう。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者