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COLUMN

賃貸物件の転貸(又貸し)とは?リスク・契約書の作り方・注意点を解説

賃貸物件の転貸(又貸し)の特徴・ルール・リスクを詳しく解説。転貸借契約書の作り方やバレた場合の対処法、代理契約との違いも紹介します。

最終更新: 約6分で読めます

賃貸物件における転貸(又貸し)とは、借りている物件を第三者に貸し出すことです。転勤や空きスペースの有効活用など様々な理由で検討されますが、リスクが高いため注意が必要です。

この記事では、転貸の特徴やルール、起こり得るリスク、転貸借契約書の作り方を詳しく解説します。バレた場合の対処法やリスクを避ける代理契約についてもご紹介します。

転貸(又貸し)とはどのようなものか?

転貸とは、所有者Aから借りている物件を賃借人Bがさらに第三者Cに貸し出し、収益を得ることです。いわゆる「又貸し」と同義で、間借りとも基本的に同じ意味です。

転貸と間借りの違い

間借りは部屋や事務所の一部を第三者に貸し出すことですが、転貸と間借りに大きな違いはなく、どちらも借りているものを第三者に貸す行為です。

転貸にはオーナーの許可が必須

民法では無断転貸は禁止されています。所有者の許可なく転貸すると契約違反で退去を求められる可能性があります。反対に、許可を得ていれば契約上問題ありません。

転貸ならではのルールにはどのようなものがあるか?

転貸はトラブルを招きやすいため、契約構造や責任の所在を正確に理解しておくことが重要です。

転貸が認められるための条件

所有者の許可が必要です。許可が得られない場合は、裁判所に許可を求める「借地非訟」の手続きが可能です。

2つの独立した契約が存在する

転貸では、賃借人Bは所有者Aとの賃貸契約と、転借人Cとの転貸契約の2つの独立した契約を結びます。

所有者Aと転借人Cの関係

AとCの間に直接の契約はありませんが、CはAに対しても賃料支払いや物件返還の義務を負います。ただし、CがAに修繕を直接求めることはできません

転借人の損害はBの責任

転借人Cが建物を汚損・破損した場合、その責任は賃借人Bが負います。CはBの履行補助者とみなされるためです。

更新拒絶も複雑に

AとBが賃貸借契約を合意解除しても、AはCに対し契約終了を主張できません。期間満了による終了の場合も、Cへの通知後6ヶ月の猶予が必要です。

転貸で起こり得るリスクとは?

転貸には家賃滞納・近隣トラブル・部屋の損壊・契約違反・人間関係の破綻など多くのリスクがあります。

家賃滞納リスク

転貸を利用する入居者は審査に通りにくい事情を抱えているケースもあり、家賃滞納の責任は全て賃借人に来ます。

近隣トラブルリスク

騒音やゴミ出しマナーの問題など、転借人が引き起こすトラブルで退去を求められる可能性もあります。

部屋の損壊リスク

転借人が物件を汚損・破損した場合、自分がしていなくても修繕費用や損害賠償を請求されます。

契約違反リスク

友人とのルームシェアやパートナーとの同棲も、報告なく同居者を増やす行為は又貸しと判断される可能性があります。

人間関係が破綻するリスク

身内や友人に転貸した場合でも、金銭トラブルで信頼関係が崩壊するケースがあります。

転貸がバレたらどうなるのか?

無断転貸が発覚した場合、違約金の請求、強制退去、ブラックリスト入りなど深刻な事態に発展します。

違約金の請求

転貸は信頼関係を破壊する行為と判断される可能性があり、契約解除に加えて違約金を請求されることがあります。訴訟に発展するケースもあります。

強制退去命令

民法上、転貸の事実が確認された場合、賃貸人は契約解除が可能と明記されています。契約期間未満でも違約金が発生します。

家賃保証会社のブラックリスト

転借人の家賃滞納で保証会社への支払いが滞ると、自身がブラックリストに載る可能性があります。

修繕費用の請求

転借人による設備破損の修繕費は、転貸人の責任として請求されます。転借人が支払いを拒否しても免除されません。

転貸借契約書にはどのような内容を盛り込むべきか?

転貸借契約書を作成する際は、所有者の承諾、契約の概要、義務・禁止事項、解除条件を明確に記載することが重要です。

記載すべき主な項目

  • 所有者の承諾:大家さんの同意を得た旨を明記
  • 契約の概要:建物名、住所、契約する部屋、貸主・借主の氏名と住所
  • 使用目的:居住用か事業用かを明確に。賃貸管理の法規制も確認しましょう
  • 転貸借期間:開始日と終了日を明記
  • 転貸料金:金額、振込先、支払い期限
  • 義務・禁止事項:ペット飼育禁止、火気使用制限など
  • 契約解除事由:反社会勢力との関係、賃料2ヶ月以上滞納など
  • 原状回復:明け渡し時の義務と費用負担
  • 管轄裁判所:紛争時の裁判管轄を指定

転貸物件で民泊事業は可能か?

結論として、無断での民泊利用は法令違反となります。

民泊利用は用法遵守義務違反に該当

賃貸借契約は通常「住居用」に限定されており、民泊営業は用法遵守義務違反に該当します。短期間で多くの人が入れ替わる民泊は、居住用とは性質が異なるためです。

転貸で注意を受けた場合の対処法とは?

大家さんや管理会社から注意を受けた場合は、速やかに対応することが重要です。

  • 通告を無視しない:無反応は承諾とみなされる可能性あり
  • 違反行為をすぐにやめる:初回なら違約金や契約解除になりにくい
  • 状況変化は即連絡:入居人数の増減は必ず報告する

よくある質問(FAQ)

Q. 賃貸物件の転貸(又貸し)とは何ですか?

転貸とは、所有者から借りている物件を第三者に貸し出すことです。無断転貸は民法で禁止されており、オーナーの許可が必要です。

Q. 無断転貸がバレるとどうなりますか?

違約金の請求、強制退去命令、家賃保証会社のブラックリスト入りなどの可能性があります。訴訟に発展するケースもあります。

Q. 友人との同居やルームシェアも転貸になりますか?

報告なく同居者を追加・変更する行為は又貸しと判断される可能性があります。必ず事前に大家さんや管理会社に報告しましょう。

Q. 転貸のリスクを避ける方法はありますか?

代理契約がおすすめです。契約者と入居者が異なる場合でも、代理人が正式に契約手続きを行うため転貸のリスクを回避できます。

Q. 転貸物件で民泊はできますか?

無断での民泊利用は用法遵守義務違反となり、契約解除の理由になります。賃貸人の許可と民泊営業の承諾が必要です。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者