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Real Estate Intelligence
COLUMN

資産10億円以上の超富裕層が実践する不動産管理と資産防衛の極意

超富裕層が実践する不動産管理と資産防衛の戦略、法人化やファミリーオフィスの活用法を解説します。

最終更新: 約8分で読めます

資産が10億円を超える超富裕層の方々にとって、不動産は単なる投資対象ではなく、資産防衛と次世代への承継を担う重要なポートフォリオの一部です。しかし、規模が大きくなるほど、税務リスクや管理の煩雑さが増大し、個人での管理には限界が生じます。

INA&Associates株式会社は日々多くの超富裕層のお客様から不動産管理や資産承継に関するご相談を承っております。その中で見えてきたのは、成功している資産家ほど、不動産を「所有する」だけでなく、組織的かつ戦略的に「管理・運用する」仕組みを構築しているという事実です。

本記事では、資産10億円以上の超富裕層が実際にどのように不動産を管理し、資産を守り育てているのか、その具体的な手法と戦略について解説いたします。法人化のメリットやファミリーオフィスの活用など、専門的な視点から分かりやすく紐解いていきます。

超富裕層における不動産ポートフォリオの役割

資産10億円を超えるフェーズでは、「資産をいかに増やすか」という攻めの姿勢以上に、「いかに減らさずに守り抜くか」という守りの戦略が重要になります。その中で、不動産は極めて特異かつ強力な役割を果たします。

不動産は、株式や債券といったペーパーアセットとは異なり、現物資産としての強固な価値を持ちます。インフレに対する耐性が高く、長期的に安定したキャッシュフローを生み出す源泉となります。さらに、日本の税制においては、不動産を活用することで高い節税効果を得ることが可能です。

超富裕層の多くは、金融資産と実物資産をバランスよく保有し、リスクを分散させています。特に不動産は、収益性の高い都心の商業ビルやレジデンス、さらには海外不動産などを組み合わせることで、強靭なポートフォリオを構築する要となります。

個人管理の限界と「資産管理会社」の設立

資産規模が拡大し、複数の不動産を所有するようになると、個人名義での管理は税務上も実務上も非効率になります。日本の所得税は累進課税制度を採用しており、個人の不動産所得が増加すれば、最高で55%(住民税含む)という極めて高い税率が課せられます。

そこで、超富裕層が必ずと言っていいほど実践しているのが、資産管理会社 の設立による不動産の法人化です。法人化することで、税率の引き下げや経費計上の幅が広がり、劇的な節税効果をもたらします。

比較項目 個人での不動産所有 資産管理会社(法人)での所有
適用税率 所得税+住民税(最大55%) 法人税等(実効税率約30%〜34%)
経費の範囲 限定的(直接的な必要経費のみ) 広い(役員報酬、生命保険料、退職金など)
所得の分散 不可(所有者個人のみに帰属) 可能
赤字の繰越 3年間 最大10年間
相続時の対応 不動産ごとの分割が必要(争族のリスク) 株式の分割で対応可能(スムーズな承継)

このように、資産管理会社を活用することで、収益に対する税負担を大幅に軽減し、手元に残るキャッシュを最大化することができます。また、家族を役員に迎えて役員報酬を支払うことで、所得を分散させながら合法的に資産を移転していくことも可能です。

究極の資産防衛組織「ファミリーオフィス」の活用

資産が数十億円規模に達すると、単なる資産管理会社にとどまらず、ファミリーオフィス という形態を採用するケースが増加します。ファミリーオフィスとは、特定の富裕層一族の資産を包括的に管理・運用するための専属組織です。

欧米の超富裕層の間では一般的な仕組みですが、近年、日本でもその重要性が認知されつつあります。ファミリーオフィスは、不動産の管理や金融資産の運用だけでなく、税務、法務、事業承継、さらには一族の理念教育や慈善活動に至るまで、多岐にわたるサポートを提供します。

弁護士、税理士、プライベートバンカー、不動産専門家などのプロフェッショナルがチームを組み、一族の利益を最大化するために動きます。これにより、複雑化する資産管理の負担から解放され、本業や豊かな人生の実現に専念することが可能となります。

相続税対策としての不動産活用と法人化のシナジー

超富裕層にとって最大の脅威は、最高税率55%に達する相続税です。何の対策も講じなければ、築き上げた資産の半分以上を国に納めることになりかねません。不動産は、この相続税対策においても絶大な威力を発揮します。

現金や有価証券は時価で評価されますが、不動産は路線価や固定資産税評価額を用いて評価されるため、時価よりも大幅に低い評価額となります。さらに、賃貸物件であれば「貸家建付地」としての評価減も適用され、現金を不動産に換えるだけで、相続税評価額を半分以下に圧縮することも珍しくありません。

ここに資産管理会社を組み合わせることで、さらなるシナジーが生まれます。個人で不動産を所有したまま相続が発生すると、遺産分割協議が難航し、最悪の場合は優良な不動産を売却して納税資金を捻出しなければならない事態に陥ります。しかし、不動産を法人所有にしておけば、相続の対象は「不動産」ではなく「法人の株式」となります。株式であれば細分化が容易であり、後継者に経営権を集中させつつ、他の相続人にも公平に資産を分配することが可能になります。

まとめ

資産10億円以上の超富裕層が実践する不動産管理は、単なる物件の維持管理ではありません。それは、税務、法務、金融の専門知識を総動員し、一族の資産を永続的に守り抜くための高度な戦略です。

個人所有から資産管理会社への移行、そしてファミリーオフィスの構築へとステップアップすることで、税負担を最小化し、次世代への円滑な資産承継を実現しています。不動産は、その戦略の中心に位置する極めて重要な資産クラスです。

INA&Associates株式会社では、超富裕層の皆様の不動産戦略を、売買・賃貸・管理のあらゆる側面からサポートしております。私たちは「人財」と「信頼」を経営の核に据え、お客様の持続可能な資産形成に貢献いたします。不動産の法人化やポートフォリオの再構築をご検討の際は、ぜひ一度、弊社の専門チームにご相談ください。

よくある質問

Q1. 資産管理会社を設立するタイミングの目安はありますか?

不動産所得が年間900万円を超えたあたりが、法人化を検討する一つの目安となります。個人の所得税率が法人税率を上回る分岐点となるためです。ただし、将来の相続対策も見据える場合は、より早い段階での設立が有利になるケースも多々あります。

Q2. ファミリーオフィスとプライベートバンクの違いは何ですか?

プライベートバンクは金融機関が提供するサービスであり、主に金融資産の運用や提案を行います。一方、ファミリーオフィスは一族専属の組織であり、金融資産だけでなく、不動産、事業承継、税務、法務など、一族のあらゆる課題を包括的かつ中立的な立場で解決します。

Q3. 不動産を法人化する際のデメリットはありますか?

法人の設立費用や、赤字であっても毎年発生する法人住民税の均等割(約7万円)などの維持コストがかかります。また、個人から法人へ不動産を移転する際に、不動産取得税や登録免許税などの移転コストが発生する点には注意が必要です。

Q4. 海外不動産もポートフォリオに組み込むべきでしょうか?

海外不動産は、通貨分散やカントリーリスクの軽減という観点から非常に有効です。特に経済成長が著しいエリアや、人口増加が見込まれる国の不動産は、キャピタルゲインも期待できます。ただし、現地の税制や法規制、管理体制の構築など、国内不動産とは異なる専門知識が求められます。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
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