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COLUMN

アスファルト防水とは?3つの工法比較・メンテナンス時期・業者選びのポイント

アスファルト防水の熱工法・トーチ工法・常温工法を比較解説。耐用年数15〜30年の防水工事のメンテナンスタイミング、セルフチェック方法、改修工法の種類、業者選びのコツまで、マンションオーナー向けに網羅。

最終更新: 約5分で読めます

アスファルト防水は、マンションやビルの屋上防水工事として大正時代から100年以上の実績を持つ、最も信頼性の高い防水工法の一つです。

本記事では、アスファルト防水の3つの工法の比較、他の防水工法との耐用年数の違い、メンテナンスのタイミングと方法、改修工法の種類、業者選びのポイントまで解説します。

アスファルト防水とは?

溶融アスファルトとアスファルトシートを組み合わせて防水層を形成する工法です。塗膜防水(塗る)とシート防水(貼る)を組み合わせることで、高い防水性を実現します。屋上緑化にも対応可能で、施工品質が安定しているのが特徴です。

3つの工法の特徴とメリット・デメリット比較

熱工法トーチ工法常温工法(冷工法)
施工方法窯でアスファルトを溶かしルーフィングを張り合わせるトーチバーナーで改質シートを炙って接着ゴムアスファルト粘着層付きシートを貼り付け
火気使用あり(窯使用)あり(バーナー使用)なし
臭い・煙多い少ないなし
耐用年数17年以上15〜25年15〜20年
メリット硬化が速い、100年以上の実績、水密性・耐久性が高い効率的(溶かす+貼るが同時)、ケガのリスク低減臭い・煙なし、住宅密集地に最適、環境に優しい
デメリット臭い・煙が出る、作業員の火傷リスク施工不良で劣化が早まる(職人の技量に依存)防水層が厚く重くなる、建物への荷重が増加
採用が多い場面大規模ビル・マンションの屋上最も採用数が多い工法都市部の住宅密集地

アスファルト防水vs他の防水工法|耐用年数比較

防水工法耐用年数コスト特徴
アスファルト防水15〜30年高い複数層で劣化しにくい。最も信頼性が高い
シート防水10〜15年安い施工が簡単で工期短縮。シートを貼るだけ
ウレタン防水10〜15年安い複雑な形状にも対応可能。こまめなメンテナンスが必要

アスファルト防水は初期コストが高いものの、耐用年数が他の工法の約2倍あるため、長期的な維持費用を抑えられます。

メンテナンスが必要な6つの劣化サイン

  1. ひび割れ — 押さえコンクリートや防水層の表面に亀裂。雨漏りの原因に直結
  2. 水溜まり — 施工不良や床の歪みで排水不良。防水層の劣化を早める
  3. 雨漏り — 劣化を放置した最終段階。防水工事のやり直しが必要
  4. 膨れ — 下地との接着不良で空気や水が侵入。防水層の破断につながる
  5. 雑草の繁殖 — 排水溝周辺に土が溜まり根が防水層に浸食。自力で抜くと防水層を傷つけるリスク
  6. 亀裂・漏水 — 排水口周りの亀裂から水が侵入。早急な対処が必要

セルフチェックリスト

以下の項目に1つでも該当する場合は、専門業者への相談をおすすめします。

  • □ 雨漏りが発生している
  • □ 外壁に水平方向の長いひび割れがある
  • □ コンクリートを叩くとカラカラと乾いた音がする
  • □ 防水層に破れや剥がれがある
  • □ 排水溝の周りにひび割れ・雑草がある
  • □ 防水シートが膨らんでいる
  • □ 防水面が白っぽく粉状になっている
  • □ アスファルト面に水が溜まるようになった

防水効果を長持ちさせる3つの方法

①劣化範囲が小さいうちに補修する

小さなひび割れや膨れを放置すると、古い防水層をすべて除去する大規模改修が必要になります。早期補修はトータルコストの削減と建物寿命の延長に直結します。

②トップコートの定期塗り替え(5年ごと)

トップコートは防水層の最表面を保護する層です。5年ごとの塗り替えで防水層全体の修繕周期を延長できます。防水工事に比べて手間も費用も少なく、コストパフォーマンスの高いメンテナンスです。

③ドレン(排水口)の定期清掃

ゴミ・落ち葉・土が詰まると雨水が排水できず、水溜まりから防水層の劣化につながります。ドレンの清掃は管理人や住民でも実施可能な日常メンテナンスです。

改修工法の3つの種類

工法内容適した場面
かぶせ工法既存防水層の上に新しい防水層を設置既存層に防水機能が残っている場合
撤去工法既存防水層をすべて撤去し新設劣化が激しく既存層が使えない場合
再生工法既存層の上に新しい防水層を貼り一体化下地に穴を開けたくない場合。施工中の漏水リスクが低い

防水工事業者選びの4つのポイント

  1. 経験・実績を確認 — ホームページで得意な工事の種類と施工事例をチェック
  2. 見積もり内容を精査 — 「一式」表記ではなく、施工内容・サイズ・単価が明記されているか確認
  3. 3社以上から相見積もり — 費用と工事内容の適正さを比較判断
  4. 自社施工の会社を選ぶ — 中間マージンが発生せず費用を抑えられる。直接やり取りできるため安心

定期点検の頻度

大阪府が所有する建物では、施設管理者による年1回の目視点検が定められています。マンション・アパートでも同様のペースで点検を行うのが望ましいでしょう。屋上など転落リスクのある箇所は、安全管理ができる専門業者に依頼してください。

まとめ

アスファルト防水は、耐用年数15〜30年と防水工法の中で最も長寿命です。しかし、耐用年数が長いからこそメンテナンスを怠りがちになるリスクもあります。定期的なセルフチェックとトップコートの塗り替え、ドレンの清掃を継続することで、防水効果を最大限に延長できます。

INA&Associates株式会社では、マンション・アパートの建物管理を含む包括的な賃貸管理サービスを提供しております。防水工事のメンテナンス計画や業者の選定についてもお気軽にご相談ください。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者