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敷金償却(敷き引き)とは?不動産投資家が知るべき仕組み・相場・会計処理

敷金償却(敷き引き)の定義・敷金との違い・償却金の相場・会計処理・仕訳方法を解説。事業用物件では消費税課税対象となる点など、不動産投資家が実務で押さえるべきポイントを網羅。

最終更新: 約4分で読めます

不動産投資を始める際に知っておきたい用語の一つが「敷金償却(しききんしょうきゃく)」です。賃貸オーナーとして収益を最大化するためには、敷金と償却金の違い・会計処理・税務上の扱いを正確に理解することが不可欠です。本記事では、敷金償却の仕組み・相場・会計処理・仕訳方法を解説します。

敷金とは何か?基本の定義

敷金とは、賃貸契約時に大家(オーナー)が入居者から預かる保証金で、賃料未払い時の担保および退去時の原状回復費用に充当されます。ただし経年劣化による損耗は敷金から差し引けないため、部屋をきれいに使えば全額返還されるケースもあります。

敷金償却とは何か?敷引きとの関係

敷金償却(敷き引き)とは、敷金の一部または全部を退去時に入居者に返還しないことをあらかじめ契約で定めたものです。主に西日本(関西圏)で普及しており、関東の「礼金」に相当する慣行です。

返還されない部分(償却金)は原状回復費用として使われ、残りの敷金部分とは明確に区別されます。

敷金と敷金償却の違い

項目通常の敷金敷金償却
返還前提あり(原状回復費用を差し引き後返還)なし(償却金部分は返還しない)
主な利用地域全国主に関西圏
相当概念保証金(返還分)礼金(関東)に相当

償却金の相場はどのくらいか?

償却金の相場は家賃の1〜3ヶ月分で、敷金全体の約6割が償却金に設定されるケースが多いです。ただし、エリア・物件・オーナーの方針によって大きく異なります。場合によっては4ヶ月分以上の償却金が設定されている物件もあるため、入居者への事前説明が重要です。

敷金償却の会計処理はどう行うか?

居住用物件の敷金償却は非課税ですが、事業用(店舗・事務所)物件の場合は消費税の課税対象となります。

計算式は次のとおりです。

【償却金 × 税率 = 消費税込みの償却金】

例:月額家賃10万円、敷金3ヶ月分(30万円)のうち償却金が2ヶ月分(20万円)の場合
20万円 × 1.1 = 22万円(消費税込み)
帳簿には「長期前払費用」として消費税込みの金額を記載します。

仕訳の勘定科目はどうなるか?

敷金に関する勘定科目は以下のとおりです。

  • 敷金を預かっている場合:「預り金」
  • 敷金を返還する場合:「現金または預金」
  • 償却金として取り込む場合:「売上」

事業用物件の場合は消費税の処理も伴うため、税理士との確認が推奨されます。

償却金の有無をどう確認するか?

物件情報の広告(チラシ・ポータルサイト)に「敷金〇ヶ月・償却〇ヶ月」と記載されているケースが多く、不明な場合は不動産会社に直接確認できます。入居者が仕組みを理解しないまま契約すると退去時にトラブルになるため、オーナー・仲介業者ともに契約前の丁寧な説明が必要です。

FAQ:敷金償却についてよくある質問

Q1. 敷金償却は関西以外でも使われるか?

関東では一般的ではありませんが、物件オーナーが任意に設定することは可能です。ただし契約書への明記と事前説明が必須です。

Q2. 償却金は修繕費に使い切らなければいけないか?

償却金はオーナーが自由に使える収入として取り込めます。修繕費に充てなかった分を収益として計上することも可能です。

Q3. 入居者が償却金を拒否することはできるか?

契約前に交渉することは可能ですが、契約後に一方的に拒否することはできません。消費者契約法の観点から過大な償却金設定は無効となる可能性があります。

Q4. 法人契約の事業用物件の場合、消費税の取り扱いはどうなるか?

事業用物件の敷金償却には消費税が課税されます。オーナーが課税事業者であれば、消費税を含めた金額で仕訳・申告する必要があります。

Q5. 敷金償却と礼金を両方設定することはできるか?

法的には可能ですが、入居者の心理的負担が大きくなるため、市場競争力が低下するリスクがあります。地域の慣行と相場を踏まえた設定が現実的です。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
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  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者