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アパート経営の始め方とは?投資戦略・利回り分析・リスク管理を徹底解説

アパート経営の始め方から利回り計算・リスク管理まで投資家視点で徹底解説。自己資本比率や空室対策など成功の秘訣を紹介。まずは投資戦略の全体像を把握しましょう。

最終更新: 約11分で読めます

不動産投資を行っている投資家の中には、マンション経営をしている人、一戸建て住宅を賃貸物件として貸し出している人、アパート経営をしている人など様々です。なかでもアパート経営は、空室リスクの分散と資産形成の両立が可能な投資手法として注目されています。本記事では、投資戦略としてのアパート経営の始め方から利回り分析、リスク管理の要点までを体系的に解説します。

アパート経営はどのように始めるのか?

アパート経営を始めるには、戦略策定・情報収集・現地調査・事業計画・物件購入の5つのステップを踏む必要があります。各段階で投資判断の精度を高めることが、長期的な収益確保につながります。

投資戦略を決める

アパートのオーナーになるなら、最初に経営戦略を決める必要があります。アパート経営の目的は何か、資金はどのくらい使えるのかなどを整理し、明確にすることが重要です。運用できる資金によって、新築アパートか中古アパートかが決まるだけでなく、エリアや利回りなどの投資戦略も必然的に定まっていきます。

情報を集める

戦略が固まってきたら、物件に関する情報を集めましょう。情報収集には、不動産会社を利用したり、インターネットで調べたりといった方法があります。自分自身の経営戦略に合いそうな物件を絞り込んだら、周辺の賃貸相場や入居状況、競合物件、都市開発計画などを総合的に確認しましょう。物件選びが投資成否を左右するため、情報収集は綿密に行ってください。

現地調査を行う

エリアがある程度決まったら、現地に足を運んで調査します。インターネット上の情報だけでは、物件の将来性を見極めるのは困難です。中古アパートなら内覧も実施し、新築なら土地調査や建築条件の確認が不可欠です。住居としての環境や利便性は、時間帯を変えて確認することをおすすめします。駅からの距離やバス路線の有無は、入居率に直結するポイントです。

事業計画・資金計画を立てる

事業計画と資金計画は、長期的なスパンで利益と資金繰りをシミュレーションするために必要です。採算が取れなければ、ローンの返済だけが残るリスクがあります。サラリーマン投資家は郊外や地方の物件を選択するケースが多いですが、空室リスクや家賃下落リスクが高まるため、多角的なリスクを見込んだ計画を立てる必要があります。この段階で不動産投資ローンの申し込みも進めておくとよいでしょう。

物件を購入する

準備が整ったら物件や土地の契約を行い、代金の受け渡しが完了するとアパート運用が始まります。初めての不動産投資では、信頼できる不動産管理会社に委託することが安定経営の鍵です。

なぜアパート経営が投資手法として優れているのか?

アパート経営には、区分マンション投資にはない複数の構造的メリットがあります。投資ポートフォリオの観点から、主要なメリットを整理します。

手間をかけずに大きな資産形成ができる

資産形成を目指すなら、区分所有マンションよりも1棟アパートの方が効率的です。ワンルーム区分の場合、利回りが限定的で複数物件の管理負担も増えます。1棟アパートであれば、まとまった資産規模を効率的に構築できます。

投資効果をコントロールしやすい

1棟オーナーであれば、入居率向上の施策や家賃設定の調整を自らの判断で行えます。区分所有の場合、大規模修繕や設備更新は管理組合に依存しますが、1棟アパートなら大規模修繕のタイミングも自由にコントロールできます。

節税効果が大きい

木造アパートは減価償却費が大きくなるため、所得税・住民税の節税効果が高まります。RC造や鉄骨造と比較して、木造は償却期間が短い分、年間の減価償却費が大きくなるのが特徴です。節税効果を重視する投資家にとって、木造アパートは有力な選択肢です。

空室リスクを分散できる

複数室をまとめて運用するアパート経営は、空室リスクの分散に優れています。区分所有で1室のみの場合、退去すれば家賃収入はゼロになります。1棟アパートなら、1室の空室が収益全体に与える影響を限定できるため、安定したキャッシュフローが期待できます。

資産として残せる

ローン返済が終われば家賃収入がそのまま手元に残り、不動産自体も資産として保有できます。万が一オーナーが亡くなった場合も、団体信用生命保険により残債がなくなるため、生命保険代わりとしても機能します。

アパート経営にはどのようなリスクがあるのか?

アパート経営にはメリットだけでなく、投資判断に影響するリスクも存在します。事前にリスクを把握し、対策を講じることが重要です。

大きな初期費用がかかる

建築費用や購入額に加え、登録免許税・保険料などの諸経費も初期費用に含まれます。初期投資額が大きくなるため、家賃収入が想定を下回った場合の負債リスクも高まります。自己資金に不安がある場合は、初期費用の内訳を細かく計算しておきましょう。

建物の経年劣化と修繕コスト

築年数の経過とともに資産価値は低下します。価値維持には定期的な大規模修繕が不可欠で、1回あたり数百万円の費用がかかります。家賃収入から計画的に修繕費を積み立てる資金計画が求められます。

流動性の低さ(売却しにくい)

中古アパートは戸建てや更地と比較して買い手が見つかりにくい傾向があります。経営が苦しい時に売却できないリスクは、出口戦略として事前に検討しておく必要があります。

入居者トラブルとクレーム対応

ゴミ出しルールの違反や騒音など、入居者間トラブルへの対応はアパート経営に付随する業務です。管理会社への委託で負担軽減が可能ですが、対応の質が入居率に影響するため、賃貸管理の法規制も理解しておくことが重要です。

金利上昇リスク

ローンの金利は経済情勢によって変動し、金利上昇は総返済額の増加に直結します。アパート購入は借入額が大きいため、金利変動の影響も大きくなります。変動金利を選択する場合は、金利上昇シナリオでのシミュレーションが不可欠です。

アパート経営で成功するのはどんな投資家か?

アパート経営で安定した収益を上げている投資家には、共通する特徴があります。以下の4つのポイントを押さえることが成功の確率を高めます。

自己資金に余裕がある

一般的にアパートの空室率は30%程度とされており、この水準でも安定経営を続けるには資金の余裕が必要です。自己資金を投入することでローン返済額を抑えられるだけでなく、修繕費の積立や入居促進キャンペーンにも対応できます。

管理会社・物件を慎重に選択する

管理会社の選定は経営の安定に直結します。管理委託料の安さだけで選ばず、物件見学時に共有部分の管理状態を確認しましょう。物件選びでは、ターゲット設定と周辺環境の分析が重要です。

関係者とのコミュニケーションを重視する

不動産会社、建築会社、管理会社との日常的なコミュニケーションが、経営判断の質を高めます。本業を持つ投資家は丸投げ状態になりやすいですが、経営者としての当事者意識を持つことが成功の条件です。

情報収集能力が高い

過去の市場動向から将来の開発計画まで、幅広い情報を収集・分析できる投資家が成功しています。複数の不動産会社から経営プランを取り寄せ、比較検討することが現実的な経営計画の策定に役立ちます。判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーやコンサルタントへの相談も有効です。

投資家が知るべきアパート経営の成功戦略とは?

成功するアパート経営には、数値に基づいた戦略的なアプローチが不可欠です。利回り計算、リスク対策、資金配分の3つの軸で解説します。

自己資本比率20%以上を目指す

フルローンやオーバーローンは可能ですが、長期的に見ると入居率の減少や家賃下落により赤字リスクが高まります。自己資本比率20%程度を確保することで、空室発生時にも安定した経営が維持できます。

リスクを織り込んだ収支計画を立てる

常に満室を想定した計画では、現実的な経営判断ができません。特に重要なのは空室率・家賃下落・ローン返済負担・管理維持費の4要素です。20年後までを見通した収支シミュレーションを行い、10年目以降の減価償却費減少と税負担増加も計画に組み込みましょう。

利回りを複数の指標で試算する

表面利回りだけでなく、空室率を考慮した実質利回りや返済後利回りで収益性を判断することが重要です。中古アパートの表面利回りが高くても、実際に利益が出ないケースは少なくありません。

アパート経営の失敗事例から何を学べるか?

成功の裏には多くの失敗事例があります。代表的な失敗パターンを知ることで、同じ轍を踏まない投資判断が可能になります。

過大な借入金に苦しんだケース

借入金額が高くなりすぎると、毎月の返済が負担になるだけでなく、空室や滞納への対応も困難になります。返済スケジュールを事前に組み立て、経年劣化や家賃下落も視野に入れた収支シミュレーションが必要です。

サブリースの仕組みを理解していなかったケース

サブリースとは、不動産管理会社がオーナーから物件を借り上げて入居者に転貸する仕組みです。管理の手間は省けますが、家賃保証額の見直しリスクがあり、自主管理よりも利回りが低くなります。契約前に保証内容や諸費用を精査しましょう。

自己資金ゼロでスタートしたケース

自己資金なしだと借入金が膨らみ、修繕費やリフォーム代の負担で経営が行き詰まるリスクがあります。成功の目安として、物件価格の10〜30%を自己資金で用意できることが望ましいです。

よくある質問(FAQ)

Q. アパート経営の初期費用はどのくらいかかりますか?

物件の購入費用に加え、登録免許税・保険料・仲介手数料などの諸経費が必要です。一般的に、物件価格の7〜10%程度が諸経費の目安となります。自己資金として物件価格の10〜30%を用意できると、安定した経営が期待できます。

Q. アパート経営の利回りの目安は?

表面利回りは地域や物件によって異なりますが、重要なのは空室率を考慮した実質利回りです。表面利回りが高くても諸経費や空室を加味すると赤字になるケースもあるため、返済後利回りまで計算することが投資判断のポイントです。

Q. 木造アパートと鉄骨造、投資としてどちらが有利ですか?

木造アパートは減価償却費が大きく、節税効果が高いのが特徴です。一方、鉄骨造やRC造は耐用年数が長く、長期的な資産価値の維持に優れます。投資目的や資金計画に応じて選択しましょう。

Q. サラリーマンでもアパート経営は可能ですか?

可能です。管理会社に委託すれば、日常の管理業務を任せられます。ただし、経営者としての当事者意識を持ち、定期的に物件状態や収支を確認することが成功の条件です。

Q. 空室リスクを軽減するにはどうすればよいですか?

人口増加が期待できるエリアや交通利便性の高い立地を選ぶことが基本です。また、ターゲット層に合った設備投資や、信頼できる管理会社との連携が空室率の低減につながります。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者