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給水ポンプとは?仕組み・耐用年数・給水方式の種類と故障時の対処法を解説

給水ポンプの仕組み・給水方式4種類・耐用年数・交換費用・故障時の対処法をわかりやすく解説。マンション・ビルオーナー必見|INA&Associates

最終更新: 約9分で読めます

中規模〜高層階のマンションやビルでは、各部屋に水を均等に届けるために給水ポンプが欠かせません。給水方式にはいくつかの種類があり、それぞれ仕組みや特徴が異なります。この記事では、給水ポンプの仕組み・給水方式の種類・耐用年数・交換費用・故障時の対処法を大家さん・管理者向けにわかりやすく解説します。

給水ポンプとは?どんな役割がある?

給水ポンプとは、水道の水をマンションやビルなどの各部屋に引き込むためのポンプです。戸建てや低層階の建物なら水道管から直接水を引き込めますが、高層階では水圧が不足するため給水ポンプが必要になります。

給水ポンプを設置することで、1階でも最上階でも水量が変わらず問題なく水を使えるようになります。高層マンションやビルだけでなく、工場や商業施設でも広く使われています。

マンションの給水設備にはどんな種類がある?

マンションには給水ポンプ以外にも、水の供給に欠かせない設備があります。それぞれの役割を理解しておきましょう。

給水管

給水管は、水道管からの水をマンションの各部屋に供給する配管です。洗面・キッチン・浴室・洗濯機などに設置されており、ステンレスや硬質塩化ビニルなどの高耐久素材が使われています。

給水ポンプ

水圧を低下させずに高層階まで水を供給するための設備です。揚水ポンプ・加圧ポンプ・増圧ポンプの3種類があり、用途に応じて使い分けます。

貯水槽

水道から供給された水を貯めるタンクで、受水槽や高架水槽とも呼ばれます。受水槽は建物の1階または地階に、高架水槽は屋上に設置します。FRP製が一般的ですが、ステンレス製のものもあります。

減圧弁

各部屋の水圧を均等に保つための設備で、水道メーターの手前に設置されていることが多いです。

なぜ給水設備の管理が重要なのか?

給水設備は生活に不可欠なインフラです。給水設備がなければ水を飲んだりシャワーを浴びたりすることができません。錆びや下水道との混入が起こると、汚染された水を使うことになります。

排水設備も同様に重要で、故障すると汚水を流せなくなります。衛生面を守るためにも、給水・排水設備の定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。

給水ポンプの給水方式は?4つの種類と特徴

給水ポンプには4つの給水方式があります。それぞれの特徴と適した建物を解説します。

直結給水方式

水道管の水圧をそのまま利用して直接給水する方式です。平屋や2階建ての一戸建てで用いられます。受水槽が不要な反面、各市の条例による上限階数制限があり、水圧が低い場合は使用できません。マンションやビルで採用する場合は条例の確認が必要で、接続工事の費用相場は約100万円です。

増圧直結加圧給水方式(増圧加圧式)

水道管の水圧と増圧ポンプの水圧を組み合わせて給水する方式です。中規模のビルやマンションで採用されています。受水槽・高架水槽が不要で、設置場所を節約しつつ清潔な水を供給可能です。ただし、増圧ポンプ故障時は水圧が低下します。

増圧直結高架水槽方式(増圧揚水式)

増圧ポンプで高架水槽に揚水し、重力で給水する方式です。受水槽を置きたくない物件に適しており、ポンプ故障時でも高架水槽の水で給水を継続できます。受水槽の清掃は不要ですが、ポンプ室の設置が推奨されます。

高架水槽給水方式(揚水式)

屋上に受水槽と高架水槽を設置し、揚水ポンプで水を送って重力で給水する方式です。他の方式と比べて電気代が抑えられ、ポンプ故障時も高架水槽の水で給水できます。ただし、水槽の定期清掃・消毒・水質検査が必要です。

給水方式ごとのメリット・デメリットは?

それぞれの給水方式のメリット・デメリットを比較して、物件に最適な方式を選びましょう。

直結給水方式

メリット:ポンプ・受水槽が不要、設置スペース不要、メンテナンスコスト低減

デメリット:市の条例による制約、水圧制限、工事費用が約100万円

増圧直結加圧給水方式

メリット:受水槽・高架水槽不要、省スペース、美観維持、清潔な水の供給、省エネ

デメリット:ポンプ故障時の水圧低下、断水時に給水不可、地域制限あり

増圧直結高架水槽方式

メリット:受水槽不要、省スペース、ポンプ故障時も断水しない、省エネ

デメリット:次亜塩素の揮発、地域制限あり

高架水槽給水方式

メリット:ポンプ故障・断水時も二重で水を確保、電気代が安い

デメリット:定期的な清掃・消毒・水質検査が必要、建物の美観が損なわれる

排水ポンプとは?給水ポンプとの違い

排水ポンプとは、排水槽に溜まった排水をくみ上げて下水道へ排出するポンプです。給水ポンプとは逆の役割を持ちます。主に汚水用・雑排水用・雨水用の3種類があり、一般的に地下に設置されています。

下水本管より建物の汚水管が低い場合、排水ポンプで汲み上げて下水管に流します。国土交通省の規定では、排水ポンプは停止防止のため2台1組で稼働させるのが条件です。排水ポンプの種類を間違うと詰まりの原因になるため、物件に使用されているポンプの種類を把握しておきましょう。

給水ポンプの耐用年数と交換費用はどのくらい?

給水ポンプの耐用年数は、補修目安が8年、耐用目安が10年、交換目安が15年とされています。建物の規模や給水量、メンテナンス頻度によって変動します。部品の保有期間を10年に設定しているメーカーが多いため、10年を目安に部品交換を行うのがおすすめです。

交換費用の目安

項目費用目安
ポンプ本体交換150万円前後
トータル交換費用約300万円
家庭用小型ポンプ10万円以下
受水槽のみの建物への設置70〜100万円
揚水ポンプ設置(高置水槽あり)50〜70万円
増圧給水ポンプ交換140〜170万円

給水ポンプが故障したらどう対処する?

給水ポンプの故障は断水や異音・騒音のトラブルにつながり、入居者の退去や家賃引き下げのリスクがあります。早期発見・対処のために日頃からの定期点検が重要です。

故障の主な原因

マンションの給水ポンプの故障原因は主に部品の破損によるものです。特にゴムパッキンやメカニカルシールは経年劣化が起きやすく、亀裂や腐食で破損するケースが多く見られます。その他、基盤の破損、ネジの緩み、異物の詰まり、インバータの故障なども原因として挙げられます。

対処方法と費用

多くの場合、壊れた部品の交換で修理可能です。ただし、業務用住宅設備の場合は10〜15年程度で正規部品の製造が終了するため、正規品が入手できない場合はポンプ本体の交換を検討しましょう。増圧ポンプの交換費用は150〜300万円程度、交換に必要な時間は3〜4時間程度です。

給水ポンプを長持ちさせるオーバーホールとは?

オーバーホールとは、給水ポンプを分解して点検し、傷んだ部品を交換する作業です。設置から5年を目安にメンテナンスを行うと安心です。モーター部分、羽根車、ケーシングなどを確認し、ベアリングやパッキンなど劣化しやすい部品を交換します。

一方、10年経過後のオーバーホールは費用がかかるだけでなく修理できない可能性が高く、本体交換を検討したほうが合理的なケースが多いでしょう。

給水ポンプの点検・修理業者を選ぶポイントは?

複数の業者から無料見積もりを取り、項目ごとに費用・内容を比較することが大切です。同条件での相見積もりが効果的です。また、ホームページに施工事例を掲載している実績豊富な業者を選ぶと安心です。

給水ポンプは普段目にする機会が少ない設備ですが、故障すれば断水につながります。ストレスフリーな賃貸管理体制を構築するためにも、基本知識を身につけ、法規制ガイドも参考にしながら定期的なメンテナンスを心がけましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 給水ポンプの耐用年数はどのくらいですか?

補修目安が8年、耐用目安が10年、交換目安が15年とされています。建物の規模やメンテナンス頻度により前後します。

Q. 給水ポンプの交換費用はいくらかかりますか?

ポンプ本体のみで150万円前後、撤去・工事費用を含むトータル費用は約300万円が相場です。家庭用の小型ポンプなら10万円以下で済むこともあります。

Q. 給水ポンプが故障したらどうすればいいですか?

まず断水が発生していないか確認し、速やかに専門業者に連絡しましょう。多くの場合は部品交換で修理可能ですが、10年以上経過したポンプは本体交換を検討してください。

Q. 4つの給水方式のうち、どれを選ぶべきですか?

建物の規模・階数・立地条件によって異なります。低層は直結給水方式、中規模は増圧直結加圧給水方式、高層は高架水槽給水方式が一般的です。各市の条例も確認が必要です。

Q. オーバーホールはいつ行うべきですか?

設置から5年を目安に実施するのがおすすめです。10年経過後はオーバーホールより本体交換のほうが合理的なケースが多くなります。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
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  • 貸金業務取扱主任者