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COLUMN

首都圏の高額中古マンション売却が長期化する理由と高級賃貸相場の最新動向【2025年版】

首都圏の高額中古マンション売却が長期化する理由と高級賃貸相場の最新動向を解説。売却戦略や市場動向について詳しく紹介。

最終更新: 約7分で読めます

近年、首都圏の中古マンション市場は価格の上昇が続いており、売却を検討されている方にとっては好機と捉えられるかもしれません。しかし、実際に市場を見渡すと、特に高額物件において売却期間が長期化する傾向が顕著になっています。

本記事では、INA&Associates株式会社が、不動産実務の最前線から見えてきた「高額物件の売却が長期化する理由」と、それに伴う「高級賃貸マンションの相場動向」について、専門的な視点を交えながら分かりやすく解説いたします。不動産の売却や運用をご検討中の方にとって、今後の戦略を立てる上での一助となれば幸いです。

首都圏中古マンション市場の現状と価格乖離

現在、首都圏の中古マンション市場では、価格上昇の過熱感が影響し、売却期間が長期化するケースが増加しています。東日本不動産流通機構の定期レポートによれば、2025年初め頃から、実際に取引が成立した「成約平米単価」と、市場に売り出されている「在庫平米単価」の間に大きな乖離が生じています。

指標 状況 影響
成約平米単価 上昇傾向にあるものの、伸び率は鈍化 実際の取引価格は市場の期待値に届きにくい
在庫平米単価 急激な上昇を継続 売主の希望価格が高止まりしている
価格乖離 2025年初めから顕著に拡大 価格の高騰に購入希望者が追いついていない

このデータが示す通り、売主が希望する価格(在庫単価)に対して、買主が実際に購入できる価格(成約単価)が追いついていない状況が鮮明になっています。市場全体として価格は高い水準にあるものの、実需層の購買力を超えつつあるため、成約に至るまでのハードルが高くなっているのです。

下図は、東日本不動産流通機構が公表した「サマリーレポート 2025 年 10~12 月期」の抜粋です。成約㎡単価・新規登録㎡単価・在庫㎡単価の推移が一目で確認できます。

高額物件(2億円超)の売却が長期化する2つの主な理由

特に2億円を超えるような高額物件において、売却期間の長期化が顕著です。実務を通じて感じている主な理由は、以下の2点に集約されます。

1. アジア富裕層の投資動向の変化

最も大きな要因として考えられるのが、海外、特にアジアの富裕層による日本の不動産購入意欲の変化です。2025年10月頃から、彼らが日本の不動産購入を徐々に控える動きが見られ始めました。

正確に申し上げると、購入を控えるだけでなく、利益確定のために「売り」に転じている可能性が高いと考えられます。これまで高額物件の主要な需要層であった海外投資家の動きが鈍化したことで、需要と供給のバランスが変化しています。

2. 国内買主の絶対数の制限(住宅ローンの壁)

もう一つの理由は、日本国内における買主の絶対数が限られている点です。

購入できる層が一部の富裕層に限定され、買主とのマッチングに多大な時間を要する傾向があります。価格帯が高くなればなるほど、この「買主の絶対数の少なさ」という構造的な課題が顕在化します。

要因 詳細 売却への影響
アジア富裕層の動向変化 2025年10月頃から購入を控え、売りに転じる動きも 需要の急減により、売却期間が延長
住宅ローンの上限(2億円の壁) 2億円超は手元資金が必要となり、買主が富裕層に限定 マッチングに時間がかかる
成約・在庫単価の乖離 売主の希望価格と買主の購買力のギャップが拡大 価格交渉が難航しやすい

まとめ

本記事では、首都圏の中古マンション市場における高額物件の売却長期化の背景と、高級賃貸マンションの相場動向について解説いたしました。要点を整理すると、以下の3点に集約されます。

第一に、成約単価と在庫単価の乖離が2025年初めから拡大しており、価格高騰に購入希望者の購買力が追いついていない状況が続いています。第二に、アジア富裕層の売り越し観測と、住宅ローンの上限(2億円の壁)という二つの構造的要因が重なり、高額物件の売却期間が長期化しています。

不動産市場は常に変動しており、特に高額物件の売却や運用には、最新の市場動向を踏まえた緻密な戦略が不可欠です。INA&Associates株式会社では、超富裕層のお客様を中心に、一人ひとりの状況に合わせた最適な不動産ソリューションをご提案しております。高額物件の売却戦略や賃貸運用に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q1. 2億円を超える物件を早く売却するためのポイントは何ですか?

ターゲット層が限定されるため、国内外の富裕層ネットワークを持つ不動産会社に依頼することが重要です。また、東日本不動産流通機構などが公表する市場の成約データを冷静に分析し、在庫単価ではなく成約単価に近い適正な価格設定を行うことが早期売却の鍵となります。希望価格にこだわりすぎず、市場実態に即した柔軟な価格戦略が求められます。

Q2. 今後、首都圏の中古マンション価格は下落するのでしょうか?

エリアや物件のグレードによって見通しは異なります。実需層向けの一般的な物件は、成約単価と在庫単価の乖離が是正される過程で価格調整が入る可能性があります。一方、希少性の高い都心のハイグレード物件は、資産価値が維持されやすい傾向にあります。市場全体の一律な下落よりも、物件ごとの「二極化」が進む可能性が高いと見ています。

Q3. 売却せずに賃貸に出すという選択肢は有効ですか?

はい、現在の市場環境においては有効な選択肢の一つです。高級賃貸マンションの賃料は上昇傾向にあるため、安定したインカムゲイン(家賃収入)を得ながら、将来的な売却のタイミングを見計らうという戦略も十分に考えられます。ただし、賃貸に出すことで売却時の条件が変わる場合もありますので、詳細なシミュレーションについては専門家にご相談いただくことをお勧めします。

Q4. アジア富裕層の動向は今後どうなると予想されますか?

現時点では、アジア富裕層が日本の不動産を積極的に売却する動きが続いているとみられます。ただし、円安水準の維持や日本の政治的安定性、アジア各国の経済情勢の変化によっては、再び購入に転じる可能性も否定できません。この動向は高額物件市場に直結するため、引き続き注視が必要です。

Q5. 高級賃貸マンションへの投資は今からでも遅くないですか?

賃料上昇が続いている現状では、インカムゲインの観点から見れば依然として魅力的な選択肢です。ただし、購入価格も高水準にあるため、利回りの計算を慎重に行う必要があります。物件の希少性・立地・管理状況などを総合的に評価した上で、長期的な視点で判断されることをお勧めします。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者