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不動産投資の始め方|初心者向けに仕組み・家賃収入・資金を数字で解説

不動産投資の始め方は、初心者でも「目的を決める→数字で検算する→物件と融資を詰める→契約する→運営する」の5段階に整理できます。本記事では、家賃収入が手元に残る仕組みと計算、必要な資金の考え方、各ステップで次に進んでよい条件、買う前に潰しておく注意点を、公的統計と制度にもとづいて整理します。

最終更新: 約42分で読めます

不動産投資の始め方は、初心者でも5つの段階に整理できます。目的と予算を決める、収支を数字で検算する、物件と融資を並行して詰める、契約して引き渡しを受ける、管理を委託して運営する、という順序です。最初に確認する数字は家賃収入・必要経費・返済額の3つです。総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は全国平均で59,656円でした。この賃料からいくら残るのかを買う前に計算できれば、初心者でも判断を大きく誤ることは少なくなります。

不動産投資に興味はあっても、仕組みの説明ばかりで自分の手元にいくら残るのかが見えない、というご相談を数多くいただきます。本記事では、家賃収入が手取りになるまでの計算、必要な資金、始め方の7ステップと各段階で次に進んでよい条件、買う前に潰しておく注意点を、公的統計と制度にもとづいて整理します。2026年時点の金利・需給・価格水準を前提に、いま始めてよいかをご自身で判断できる材料をそろえました。

この記事のポイント

  • 不動産投資とは、物件を貸して家賃収入と売却益を得る事業であり、買った時点で終わりではありません。
  • 手取りは「総収入金額 − 必要経費」です。国税庁が定める収入と経費の中身を知ると、利回りだけで判断しなくなります。
  • 借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は全国平均59,656円、民営借家(非木造)は68,548円です(総務省・令和5年)。
  • 賃貸用の空き家は443万6千戸あります。「借り手がつく」という前提そのものを、エリアの需給で確認します。
  • 2026年の政策金利は1.0%程度です。変動金利前提の収支は、金利上昇のストレスをかけてから判断します。

不動産投資とは|家賃収入と売却益で利益を出す仕組み

不動産投資とは、住宅や賃貸物件を取得し、入居者に貸して家賃収入を得て、必要に応じて売却して利益を確定させる事業です。値上がりだけを狙う売買とは違い、収入の中心は毎月入ってくる賃料にあります。ここを区別できると、検討する物件の見方が変わります。

収益の形は2種類あります。保有中に受け取る賃料収入をインカムゲイン、売却して得られる差益をキャピタルゲインと呼びます。初心者が最初に組み立てるべきは前者です。売却価格は市況に左右されますが、賃料は入居者がいる限り毎月発生し、返済と経費を賄う原資になるためです。

不動産投資の仕組みは、お金の動きを順に追うと一枚でつかめます。取得から出口までを段階ごとに並べました。オーナーが判断する場面がどこにあるのかを、あわせて確認してください。

段階 起きること オーナーが決めること
1. 資金を用意する 自己資金と金融機関からの借入を組み合わせる 自己資金をいくら入れ、いくら借りるか
2. 物件を取得する 売買契約・決済・登記を経て所有権が移る どの物件を、いくらで買うか
3. 入居者を入れる 募集・入居審査・賃貸借契約を行う 賃料と募集条件をどう設定するか
4. 家賃を受け取る 毎月の賃料・共益費などが入金される 管理を誰に、どこまで委託するか
5. 返済と経費を払う ローン返済、固定資産税、保険料、修繕費が出ていく 修繕をいつ、どこまで実施するか
6. 手元に残る 差引後の現金が残る(インカムゲイン) 繰上返済・修繕積立・次の物件のどれに回すか
7. 出口を迎える 売却するか、保有を続けるかを選ぶ いつ、誰に、いくらで売るか

この流れを見ると、不動産投資が「買った瞬間に結果が決まる投資」ではないことがわかります。3から6の運営がある限り、判断は毎年続きます。だからこそ、購入前の検討では出口までの絵を描いておく価値があります。

なぜ「買って終わり」にならないのか

収入の源は入居者との賃貸借契約です。ここが株式との決定的な違いになります。契約期間中の賃料は当事者の合意なしには変えられず、貸主から契約を終わらせるには借地借家法上の正当事由が要ります。国土交通省も、サブリースの勧誘に関する注意喚起の中で、オーナーからの解約には正当事由が必要である点を挙げています。

この仕組みは、収入が安定する理由であると同時に、機動的に動けない理由でもあります。市況が良いから来月から賃料を2割上げる、といった操作はできません。物価が上がる局面で不動産が強いと言われる一方、賃料の反応が遅れるのはこのためです。収益を左右するのは、募集時にどの条件で契約を結ぶかという一点に集中します。

もうひとつ、賃貸経営は税務上も事業として扱われます。家賃を受け取れば不動産所得が発生し、原則として確定申告が必要です。買った後に何もしなくてよい資産運用ではない、という前提を最初に置いてください。

ほかの資産運用と何が違うのか

不動産投資の特徴は、借入を使って自己資金以上の規模を動かせること、そして換金に時間がかかることの2点に集約されます。株式や投資信託と並べると輪郭がはっきりします。

比べる観点 不動産投資 上場株式・投資信託
借入の利用 金融機関から借りて投資規模を広げられる 原則として自己資金の範囲で行う
換金までの時間 買主探し・契約・決済・登記で数か月単位 市場が開いていれば当日から数営業日
収益の源泉 入居者が支払う家賃と、売却時の価格 企業の利益と、市場でつく価格
保有中の手間 募集・修繕・確定申告など運営の判断が続く 保有しているだけなら判断は少ない
価格の決まり方 個別の相対取引。同じ物件は二つとない 市場で日々値がつき、誰でも同じ価格を見られる
分割のしやすさ 原則1戸単位。一部だけ売ることが難しい 1株・1口単位で分けて売買できる

この表で自分が引っかかる行があれば、そこが検討の出発点です。「換金までの時間」に不安を感じるなら、数年以内に使う予定のある資金は投じない、という結論が先に立ちます。逆に「借入の利用」に魅力を感じたなら、次章の計算を先に済ませてください。

家賃収入が手元に残る仕組み|収入と経費の内訳

家賃収入がそのまま手取りになるわけではありません。国税庁のタックスアンサーNo.1370は、不動産所得の金額を「総収入金額 − 必要経費」と定めています。この式の左右に何が入るのかを知ることが、利回りの数字を鵜呑みにしないための土台になります。

総収入金額に含まれるもの

総収入金額は毎月の家賃だけではありません。国税庁は、貸付けによる賃貸料収入のほかに次のものも含まれるとしています。更新料や返還を要しない敷金を「臨時のお小遣い」と考えていると、申告の段階で計算が合わなくなります。

区分 国税庁No.1370の記載 初心者が見落としやすい点
賃貸料収入 貸付けによる賃貸料収入 毎月の家賃。滞納があっても契約上の収入計上時期は別途判断が必要
一時金 名義書換料、承諾料、更新料または頭金などの名目で受領するもの 更新料は収入金額に含まれる。2年ごとの更新なら収支計画にも織り込む
敷金・保証金 敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの 返還する部分は収入にならない。償却する部分だけが収入になる
実費相当額 共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など 預かって支払うだけのつもりでも、受け取った側は収入に立つ

必要経費に入るもの

必要経費は、不動産収入を得るために直接必要な費用のうち、家事上の経費と明確に区分できるものです。国税庁は主なものとして、貸付資産に係る固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費を挙げています。このうち減価償却費だけは現金の支出を伴いません。

費目 内容 現金支出 実務上の注意
固定資産税 貸付資産に係る固定資産税・都市計画税 あり 年4回の納期。月割りにして毎月の収支に入れておく
損害保険料 貸付資産に係る火災保険料など あり 複数年一括払いの場合は当年分だけが経費になる
減価償却費 建物・設備の取得価額を耐用年数にわたって配分した額 なし 中古物件の耐用年数は国税庁No.5404の方法で計算する
修繕費 原状回復や設備交換にかかった費用 あり 価値を高める支出は資本的支出として扱いが変わる場合がある

家賃10万円の物件から、いくら残るのか

ここからは具体的な数字で追います。次の表の金額はすべて仮定であり、実在する物件の相場を示すものではありません。ご自身の検討物件では、管理会社の見積書と固定資産税の課税明細書に置き換えて計算してください。

項目 月額(すべて仮定) 置いた前提
家賃収入 +100,000円 満室で稼働している状態を仮定
管理委託料 −5,000円 家賃の5%と仮定(契約により異なる)
建物管理費・修繕積立金 −10,000円 区分マンションを想定した仮定額
固定資産税・都市計画税 −6,000円 年72,000円を12等分した仮定額
損害保険料 −1,000円 年12,000円を12等分した仮定額
原状回復・修繕の自主積立 −5,000円 退去時の費用に備えて自分で積む額の仮定
運営後に残る額 +73,000円 ここまでが返済前の手残り
ローン元利返済 −60,000円 借入条件により大きく変わる仮定額
税引前キャッシュフロー +13,000円 所得税・住民税を引く前の現金

この仮定では、家賃10万円のうち手元に残るのは月13,000円、年間156,000円です。ここで確認したいのが空室の影響です。1年のうち1か月だけ空室になると、家賃10万円が失われる一方で、なくなる支出は管理委託料5,000円だけです。差引95,000円が消え、年間の手残りは61,000円まで落ちます。1か月の空室が、年間キャッシュフローの約6割を持っていくという構造です。

減価償却費はこの現金収支の表には現れません。しかし不動産所得の計算では必要経費に入るため、税額の計算結果は現金の動きとずれます。「帳簿は赤字なのに現金は残る年」も「現金は苦しいのに納税がある年」も起こり得ます。なお、税務の取扱いは個別事情により異なりますので、実行前に税理士等にご確認ください。

全国の家賃水準という物差しを持つ

提示された想定家賃が高すぎないかを判断するには、公的統計の実額を知っておくと役に立ちます。総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は59,656円で、2018年と比べて7.1%増えました。1畳当たりでは3,403円です。

借家の種類 1か月当たり家賃 2018年比
借家(専用住宅)全体 59,656円 7.1%増
公営の借家 24,961円 7.6%増
都市再生機構(UR)・公社の借家 71,831円 2.8%増
民営借家(木造) 54,409円 4.5%増
民営借家(非木造) 68,548円 7.0%増

全国平均は、個別のエリアの賃料をそのまま説明する数字ではありません。それでも、想定家賃が民営借家(非木造)の平均68,548円を大きく超えている場合、その差が何によるものかを説明できる必要はあります。駅距離なのか、築年数なのか、設備なのか。説明が出てこないまま「この賃料で回ります」と言われた収支は、いったん保留にしてください。

不動産投資のメリットとデメリットを対にして見る

メリットとデメリットは、別々のリストではなく対で理解すると判断を誤りにくくなります。多くのメリットは、成立するための条件が外れた瞬間にそのままリスクへ裏返るからです。「レバレッジが効く」は「返済義務が続く」と同じことを別の側から言っているにすぎません。

メリット 成立する条件 条件が外れたときに現れるリスク
借入により自己資金以上の規模を動かせる 家賃で元利返済と運営費を賄えていること 金利が上がれば返済額が増え、空室が出れば自己資金からの持ち出しになる
団体信用生命保険により、万一の際に残債がなくなる 団信が付帯するローンを組んでいること 保険料相当分は金利に上乗せされ、毎月の収支を圧迫する
赤字が出た年に給与所得などと損益通算できる 通算できる他の所得があること 土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外(国税庁No.1391)。そもそも赤字は現金が減っている状態
物価が上がる局面でも実物資産として残る 賃料や土地の価格が実際に動くこと 賃料は契約期間中は据え置きが基本で、物価ほど速くは上がらない
現物が残るため、価値がゼロになりにくい 建物が使える状態に保たれていること 換金に時間がかかり、現金が必要なときに売れないことがある

この表で最も誤解が多いのが3行目です。「不動産投資は節税になる」という説明は、赤字が出ることを前提にしています。国税庁No.1391は、不動産所得の赤字は損益通算できるとしたうえで、必要経費に算入した土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は対象外だと明記しています。節税額よりも赤字額のほうが大きいのが通常です。税務の取扱いは個別事情により異なりますので、実行前に税理士等にご確認ください。

レバレッジは、上にも下にも同じだけ効く

1行目のレバレッジも、金額に置き換えると輪郭がはっきりします。次の数字はすべて仮定です。自己資金500万円に借入1,500万円を足して2,000万円の物件を取得したとします。価格が5%動けば100万円です。同じ100万円でも、自己資金500万円に対しては20%にあたります。上がったときに大きいのと同じ理屈で、下がったときも大きく響きます。これがレバレッジの正体です。

返済も同じ構造です。借入額が大きいほど、金利が0.5ポイント動いたときの月々の返済額の変化は大きくなります。だからこそ後述する金利のストレステストは、借入比率が高い方ほど先にかけておく意味があります。

2行目の団体信用生命保険についても、条件を確認してください。団信の保険料相当分は金利に上乗せされる形をとることがあり、その分だけ毎月の返済額が増えます。保障が付くこと自体は安心材料ですが、収支計算には上乗せ後の金利で入れておくのが実務的です。

デメリットは消せないが、想定内にはできる

デメリット側で見落とされやすいのは、時間の使い方です。管理を委託しても、退去のたびに原状回復の範囲と募集条件を決めるのはオーナーです。判断を先送りすると空室期間が延び、その分だけ年間の手残りが削られます。

退去の連絡が入ってから、原状回復の見積を確認し、募集賃料を決めるまでに2週間かかったとします。その2週間はそのまま空室日数に上乗せされます。家賃10万円なら約5万円です。判断の速さは、そのまま金額として現れます。

「空室は起こる」「金利は動く」「修繕は来る」を前提に置いた収支であれば、実際に起きたときに慌てずに済みます。デメリットは消せませんが、あらかじめ金額に置き換えておけば想定内に収まります。

不動産投資に向いている人・向いていない人はどこが違うのか

向き不向きを分けるのは、年収の高さではありません。数字で目標を言えるか、想定外の支出を自己資金で吸収できるか、月に数時間の判断時間を取れるかの3点です。次の表で、ご自身がどの列に当てはまるかを確認してください。

判断の軸 進めてよい 条件付きで検討 今は見送りたい
目的 月にいくら残したいかを金額で言える 老後資金など方向は決まっているが金額は未定 「資産を持っておきたい」という漠然とした動機だけ
自己資金 諸費用を現金で払っても生活防衛資金が残る 諸費用は払えるが、支払後の手元が薄くなる 諸費用まで借入で賄う前提になっている
借入と返済 金利が1.0ポイント上がっても返済が回る 現在の金利なら回るが、余裕は薄い 現在の条件でも返済比率が高く、余力がない
使える時間 月に数時間、報告を読んで判断できる 繁忙期は難しいが、平常時なら時間を取れる 一切関与できず、すべて任せきりにしたい
リスク許容度 数か月の空室を自己資金で埋められる 1〜2か月なら耐えられる 空室が出た月の支払いに不安がある

「今は見送りたい」に複数該当しても、不動産投資に向いていないという結論にはなりません。順序が違うだけです。自己資金を1年積み増してから検討する、返済比率の高い既存借入を先に整理する、といった段取りに変えれば、同じ物件でも判断の質が変わります。

年収が高ければ有利なのは、借入可能額の面だけです。年収1,000万円の方が判断を誤れば、損失も年収相応に大きくなります。逆に、上の表で「進めてよい」に並んだ方は、規模が小さくても着実に積み上げていかれます。金額の大小ではなく、判断の再現性が結果を分けます。

一方で、次の3つに当てはまる方には、はっきりと不向きだと申し上げています。数年以内に現金化する予定がある方、返済の見通しに不安がある方、管理会社からの報告に一切目を通す気がない方です。不動産は換金に時間がかかり、返済は待ってくれず、運営は判断の連続だからです。急がずに準備を整えたい段階の方は、INAの無料相談で現状の整理からお手伝いしています。

不動産投資はいくらから始められるか

必要な自己資金は物件価格と融資条件で変わるため、一律の下限額はありません。確実に現金が必要になるのは、物件価格とは別に発生する初期費用です。項目を挙げておきます。

  • 仲介手数料(売主から直接購入する場合は不要なことがあります)
  • 不動産取得税、登録免許税、売買契約書の印紙税
  • 司法書士報酬(所有権移転登記・抵当権設定登記)
  • 火災保険料・地震保険料
  • 固定資産税・都市計画税の日割精算金
  • ローン事務手数料・保証料

押さえておきたいのは、これらが頭金とは別に現金で必要になる点です。頭金だけを用意して初期費用を計算に入れていないと、決済の直前に資金が足りなくなります。登録免許税と印紙税の税率は、国税庁のNo.7191 登録免許税の税額表で確認できます。金額の目安や融資の付き方は、不動産投資はいくらから可能か|資金と融資の基礎で詳しく整理しています。

不動産投資の始め方7ステップ|各段階で「次へ進んでよい条件」

不動産投資の始め方を手順で示した記事は多くありますが、つまずくのは手順を知らないからではありません。次の段階へ進んでよいのかを判定する基準がないからです。そこで各ステップに通過条件を付けました。条件を満たしていない段階で先へ進むと、後の工程で無理が出ます。

ステップ やること 次へ進んでよい条件 つまずきやすい点
1. 目的と数値目標を決める 何年後に、月いくらの手取りが欲しいのかを決める 目標の手取り額を「月◯円」で言える 「資産形成のため」で止まり、物件の合否を判定できない
2. 自己資金と与信を把握する 出せる現金、既存借入、年収と勤続年数を書き出す 投入できる自己資金額と借入可能額の目安が出ている 生活防衛資金まで投入する計画になっている
3. エリアの需給を確認する 検討エリアの募集在庫と成約までの期間を自分で数える 募集中の競合戸数と、退去後の埋まり方を把握した 売主側の資料に載った「想定賃料」だけを根拠にしてしまう
4. 物件を比較し収支を検算する 実質利回りと税引前キャッシュフローを自分で計算する 後述の3点ストレスをかけても返済が回る 表面利回りだけで比較し、運営費を見ていない
5. 複数の金融機関に融資を打診する 金利・融資期間・融資額・金利タイプを比較する 2行以上から条件を得て、並べて比較した 紹介された1行の条件だけで判断してしまう
6. 売買契約・重要事項説明・決済・登記 契約条件と物件の権利関係を確認して引き渡しを受ける 重要事項説明で分からない箇所がゼロになった その場で理解できないまま署名し、後から条件を知る
7. 管理を委託して運営を開始する 管理受託契約を結び、募集と入居管理を始める 毎月の報告で見る数字を決めた 報告書を開かず、空室や滞納の発見が遅れる

ステップ1〜2|数字の言葉に翻訳する

最初の関門は目的の具体化です。「月5万円の手取りが欲しい」と言えれば、先ほどの仮定表に照らして必要な物件規模がおおよそ見えます。逆に「老後が不安だから」で止まっていると、提示された物件が自分の目的に合っているのかを判定できません。判定基準がない状態で物件を見始めると、営業担当者の説明が唯一の物差しになります。

目標を金額にすると、必要な規模も見えてきます。先ほどの仮定表では、家賃10万円の1戸から残るのは月13,000円でした。同じ条件が続くとすれば、月5万円の手取りには4戸前後が必要という計算になります。この数字を早い段階で持っておくと、1戸目に何を学ぶべきかがはっきりします。

自己資金の把握では、投入できる額と生活防衛資金を分けます。ここを分けずに全額を頭金へ回すと、初回の退去時に原状回復費用が払えず、募集開始が2か月遅れることがあります。こうした詰まり方は珍しくありません。手元資金は運営の余力そのものです。

与信の把握も同じタイミングで行います。住宅ローン、自動車ローン、カードローン、奨学金の残高を書き出し、年間の返済総額を年収で割ってみてください。この比率が高いほど、投資用ローンで借りられる額は小さくなります。既存借入を整理してから臨むほうが条件が良くなる場面もあります。

ステップ3〜5|自分の足で数え、自分で計算する

エリアの需給は、賃貸ポータルで検討物件と同じ条件の募集戸数を数えるだけでも輪郭が掴めます。同じ駅、同じ間取り、同じ賃料帯で何戸が募集中か。その数が多いほど、空室が出たときに埋まるまでの時間は延びます。売主側の資料に書かれた想定賃料ではなく、現に募集されている賃料を見てください。

もう一歩踏み込むなら、同じ検索条件を2週間おいて見直します。前回あった部屋がまだ残っているなら、その賃料では決まっていないということです。逆に入れ替わりが速いエリアなら、多少の空室は数週間で埋まる可能性があります。募集在庫の「量」ではなく「回転」を見るのが、需給の実感に最も近い確認方法です。全国の賃貸用の空き家が443万6千戸ある以上、この確認を省略できる場所は多くありません。

収支の検算は、表面利回りではなく実質利回りで行います。実質利回りと表面利回りの違いと目安で計算式を確認したうえで、管理委託料、建物管理費、修繕積立金、固都税、保険料を差し引いてください。運営費を引かずに比較すると、管理費と修繕積立金の高い区分マンションが実際より良く見えてしまいます。

融資は2行以上に当たると、条件の幅が実感できます。比べるのは金利だけではありません。融資期間、融資額、金利タイプ(変動か固定か)、事務手数料と保証料の4点を並べてください。とくに融資期間は毎月の返済額を直接動かします。建物の耐用年数の残りが期間の考え方に影響することもあるため、築年数の古い物件では期間が短くなりやすい点も見ておきます。

ステップ6〜7|契約の場と、運営初月の設計

重要事項説明は、分からない箇所を残さないための場です。その場で理解できない条項があれば、日を改める判断をしてかまいません。決済後に条件を変えることはできませんが、決済前なら質問できます。

投資用物件で見落とされやすいのは、次の項目です。土地の境界と越境の有無、建築基準法など法令上の制限、区分マンションなら管理費・修繕積立金の滞納の有無と長期修繕計画、入居中の物件なら引き継ぐ賃貸借契約の条件と預かり敷金の額。いずれも購入後に自分の負担として現れます。

引き渡しを受けたら、管理会社に提出させる月次報告の項目を先に決めます。稼働率、滞納の有無、募集中の部屋の反響数。この3つを毎月見るだけでも、問題の発見が数か月早くなります。管理会社の選び方は不動産投資で管理会社選びが重要な理由と選定基準にまとめました。

7つのステップを通して申し上げたいのは、先に進むことより、通過条件を満たしてから進むほうが結局は速いということです。条件を飛ばして買った物件は、運営に入ってから不足が表面化し、その修復に時間とお金がかかります。1戸目でこの順序を体に入れておくと、2戸目以降の判断は驚くほど速くなります。

始める前に確認する数字|利回り・金利・需給・価格水準

提示された物件の数字が相場から外れていないかは、4つの公的・公表データで検算できます。期待利回り、政策金利、賃貸住宅の需給、価格水準です。2026年の水準を押さえておくと、営業資料の前提が現実的かどうかを自分で判定できます。

利回りは表面ではなく実質で見る

表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割った数字で、運営費を含みません。実質利回りは、管理委託料や固都税などの運営費を差し引いて計算します。両者の差はそのまま手残りの差になりますので、比較検討では実質利回りに揃えてください。計算式は実質利回りと表面利回りの違いと目安で確認できます。

市場の水準としては、日本不動産研究所の「第54回 不動産投資家調査」(2026年4月現在)が参考になります。賃貸住宅一棟の期待利回りは次のとおりです。ただしこの調査の回答者は機関投資家が中心であり、個人が取得する中小規模の物件の実勢とは水準が異なります。そのまま自分の目標利回りにするのではなく、「プロが求める最低ラインの目安」として読んでください。

調査地区 ワンルームタイプ ファミリータイプ
東京・城南 3.6%(前回比 0.1ポイント低下) 3.7%(前回比 0.1ポイント低下)
札幌 4.9% 5.0%
仙台 5.0% 5.0%
横浜 4.2% 4.3%
名古屋 4.5% 4.5%
京都 4.6% 4.6%
大阪 4.2% 4.3%
神戸 4.7% 4.7%
広島 5.0% 5.1%
福岡 4.5% 4.5%

2026年の金利前提

日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す方針を決定しました。あわせて補完当座預金制度の適用利率を1.0%、基準貸付利率を1.25%としています。7月31日の会合では、この方針が維持されました。

金利が動く局面で怖いのは、変動金利で組んだ返済額が想定を超えることです。今後の金利水準は断定できませんが、上昇する可能性を前提に置いた収支でなければ、判断材料としては不十分です。保有コストが上がる局面で何が起きるかは、金利上昇局面で増える保有コストの実態で整理しています。

「借り手がつく」という前提を需給で確認する

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2千戸で過去最多、空き家率は13.8%で過去最高となりました。このうち賃貸用の空き家は443万6千戸で、空き家総数の49.3%を占めます。共同住宅の空き家に限れば、その78.5%(394万7千戸)が賃貸用です。

この数字は、賃貸住宅が全国的に余っている場所があることを示しています。もちろん需給はエリアで大きく異なりますので、全国値がそのまま検討物件に当てはまるわけではありません。だからこそステップ3で、自分の目で募集在庫を数える必要があります。

価格水準はどこにあるか

国土交通省の不動産価格指数(令和7年12月・季節調整値、2010年平均=100)では、全国の住宅総合が148.0、住宅地119.8、戸建住宅121.9、マンション(区分所有)は225.1です。区分マンションだけが突出して上昇しています。また令和8年地価公示(令和8年1月1日時点、全国26,000地点)では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。

取得価格が高い局面では、同じ家賃でも利回りは下がります。将来の価格については断定できませんが、「買った価格で売れる」という前提を置かない設計にしておくと、出口で選択肢が残ります。

3点ストレスをかけてから判断する

収支表は、良い条件を並べれば黒字にできてしまいます。判断に使えるのは、負荷をかけた後の数字だけです。次の3つを同時にかけて、年間キャッシュフローが黒字を保てるかを確認してください。

かける負荷 計算の変え方 影響を受ける数字
金利を1.0ポイント上げる 返済シミュレーションの金利に1.0を加算する 毎月の元利返済額と総返済額
稼働率を10ポイント下げる 年間家賃収入に0.9を掛ける 年間の家賃収入とキャッシュフロー
家賃を5%下げる 想定家賃に0.95を掛けて再計算する 年間収入と、利回りで決まる出口価格
3つを同時にかける 上記を重ねた状態で年間収支を出す この条件でも黒字なら、判断材料として使える

3点ストレスの後に赤字になるなら、その赤字額を毎年自己資金から出せるかどうかが判断の分かれ目です。出せないと分かった時点で見送ります。この判断ができる方が、結果として長く続けていかれます。

初心者が買う前に潰しておく5つの注意点

保有中のリスク対策より前に、契約前にしか潰せない論点があります。買ってからでは選び直せないものばかりですので、契約書に署名する前にひとつずつ確認してください。

確認すること なぜ契約前なのか 確認のしかた
自ら居住するための住宅ローンを投資用物件の取得に使わない 資金使途が契約で定められており、違反すれば重大な問題になる 投資用物件は投資用ローンで組む。金融機関に用途を正確に伝える
サブリース(マスターリース)契約の家賃減額・免責期間・解約条項 契約後に条件を一方的に変えることはできない 特定賃貸借契約締結前の重要事項説明で、減額請求の可否と免責期間を確認する
管理会社が賃貸住宅管理業の登録を受けているか 登録業者には法定の説明義務・報告義務がかかる 国土交通大臣の登録番号を確認し、業務管理者の配置と定期報告の内容を聞く
修繕積立金の水準と大規模修繕の予定時期 取得直後に一時金や積立金増額が来ると収支が崩れる 区分は長期修繕計画と積立金残高、一棟は屋根・外壁・給排水の更新履歴を見る
出口で誰が買主になるのか 買主層が価格の決まり方を決めるため 実需(自分で住む人)が買える物件か、投資家しか買わない物件かを見分ける

2番目のサブリースは、制度として理解しておく価値があります。国土交通省は賃貸住宅管理業法にもとづき、サブリース業者等に対して誇大広告の禁止と不当な勧誘の禁止を課しています。同省は、伝えるべき事項をあえて説明しない勧誘を、禁止行為の具体例として挙げています。示されているのは、将来の家賃減額リスクと、契約期間中でもサブリース業者から解除される可能性です。借地借家法によりオーナーからの解約には正当事由が必要であること、維持保全や原状回復・大規模修繕の費用負担があることも同様です。新築当初の数か月間に借り上げ賃料の支払免責期間があることを説明しない行為も挙げられています。

これは特定の会社を問題視する話ではありません。家賃保証という仕組みそのものに、条件の読み合わせが要るということです。契約書と重要事項説明書で、減額請求の条項と免責期間だけは自分の目で確認してください。1番目については、住宅ローンを投資用物件の取得に使ってはいけない理由で詳しく解説しています。

3番目の管理会社の登録は、契約前に聞けば答えが返ってきます。登録業者であれば、管理受託契約の締結前に管理業務の内容と実施方法を書面で説明する義務があり、家賃等を自己の財産と分けて管理する義務も負います。「口頭で大丈夫です」と言われた時点で、確認を一段深める理由になります。

4番目の修繕は、金額の大きさよりも時期が問題になります。取得の翌年に大規模修繕が控えていて、修繕積立金が不足していれば、一時金の徴収や積立金の増額という形でオーナーに回ってきます。区分マンションでは長期修繕計画と積立金の残高を、一棟物件では屋根・外壁・給排水管の更新履歴を、契約前に目を通しておきたい資料として挙げています。

初心者が検討しやすい3つの投資スタイル

初心者が最初に選びやすいのは、区分マンション、戸建て、小規模アパートの3つです。違いは価格帯だけではありません。空室が出たときの影響、修繕の主導権、出口の買主層が異なります。

比べる観点 区分マンション 戸建て 小規模アパート
初期投資の大きさ 3つの中では小さい 立地により幅が大きい 3つの中では大きい
空室が出たときの影響 収入がゼロになる 収入がゼロになる 他の住戸の家賃が残る
建物全体の修繕の主導権 管理組合の決議による オーナーが単独で決める オーナーが単独で決める
毎月の固定的な負担 管理費・修繕積立金がかかる 共用部がなく固定負担は小さい 共用部の清掃・保守を自ら手配する
土地の持ち分 敷地権として持分のみ 土地を単独で所有する 土地を単独で所有する
主な入居者像 単身者・二人世帯が中心 ファミリー世帯が中心 単身者からファミリーまで住戸による
出口の買主層 投資家と、自分で住む人の両方 自分で住む人が中心 投資家が中心
向いている人 小さく始めて運営を学びたい人 土地資産を重視し、修繕を自分で決めたい人 空室リスクを分散し、規模を取りにいく人

区分マンションは、建物全体の維持管理を管理組合と管理会社が担うため、オーナーの手間が小さく済みます。その裏返しとして、大規模修繕の時期や積立金の増額を自分では決められません。管理組合の決議で積立金が上がれば、こちらの収支は決議の翌月から変わります。手間の軽さと引き換えに、コストの決定権を持たない構造だと理解しておいてください。初期費用の内訳はマンション経営の初期費用とランニングコストで確認できます。

戸建ては土地を単独で所有するため、建物が古くなっても土地が残り、出口では自分で住む人に売りやすい特徴があります。修繕をどこまでやるかも自分で決められます。一方で、敷地の草木から給排水設備まで管理範囲はすべてオーナーの責任です。区分マンションのように管理組合が代わりに動いてくれる部分はありません。運営の実際は戸建て賃貸経営の成功戦略とメリットにまとめています。

小規模アパートは、複数住戸から家賃が入るため1戸の空室で収入がゼロにはなりません。そのかわり建物全体の維持管理責任を負い、借入額も大きくなります。共用部の清掃や照明、外壁や屋根の更新は自分で手配し、費用も自分で積みます。空室リスクの分散と引き換えに、経営の手数が増える型です。仕組みとリスクは一棟アパート投資の仕組み・メリット・リスクで解説しています。

3つのうちどれが優れているという順位はありません。空室の月に何が起きるかを金額で言えるかどうかが選択の基準です。区分と戸建ては1戸の空室で収入が止まるため、その月の返済を自己資金で払える状態が前提になります。

出口の買主層も、選ぶ前に確認しておきたい観点です。自分で住む人が買える物件なら、価格は近隣の実勢相場に引かれます。投資家しか買わない物件なら、価格は利回りで決まります。つまり、賃料が下がれば売却価格も同時に下がる構造です。国土交通省の不動産価格指数でマンション(区分所有)が225.1と突出しているのも、実需と投資家の双方が買主になり得る資産だからだと読むことができます。

順序としては、区分マンションや戸建てで運営の型を身につけてから、アパートへ広げる進み方が現実的です。1戸目で募集条件の決め方と原状回復の判断を経験しておくと、住戸数が増えても同じ判断を繰り返すだけになります。逆に、経験のないまま規模を取りにいくと、判断すべき論点が同時に複数発生します。

買った後にやること|管理委託・月次で見る数字・税金の基本

引き渡し後に決めることは2つです。管理会社に何を報告させるかと、確定申告に向けて何を集めておくかです。この2つを最初の月に設計しておくと、以後の運営が楽になります。

管理受託契約の前に説明を受ける

賃貸住宅管理業法では、管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者に国土交通大臣の登録が義務付けられています。登録業者には、営業所または事務所ごとに業務管理者を1名以上配置することが求められます。管理受託契約の締結前には、具体的な管理業務の内容と実施方法を書面を交付して説明する義務があります。さらに、管理する家賃等を自己の固有の財産と分別して管理すること、業務の実施状況等を委託者に定期的に報告することも求められます。

つまり、管理を委託する側は契約前に説明を受け、契約後は定期報告を受け取る立場にあります。報告が来ないまま数か月が過ぎているとすれば、それ自体が確認すべき状態です。

毎月見る数字を6つに絞る

報告書のすべてを読む必要はありません。次の6項目だけを追えば、収益力の変化に気づけます。

記録項目 見方 何がわかるか
稼働率 入居中の住戸数 ÷ 総住戸数 収入の土台。前年同月と比べる
滞納率 滞納額 ÷ 請求額 入居審査と督促が機能しているか
募集期間 退去日から次の契約日までの日数 賃料設定と募集条件が市場と合っているか
原状回復費 1回あたりの金額と内訳 設備更新の要否と、入居者負担区分の妥当性
広告費 成約1件あたりの支出額 その賃料で決めるためのコストの実態
修繕費 年間累計と、突発分の割合 計画修繕へ切り替えるべき時期

税金は「収入と経費の整理」から始まる

不動産所得は総収入金額から必要経費を差し引いて計算します(国税庁No.1370)。赤字が出た年は他の所得と損益通算できますが、必要経費に算入した土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は対象外です(No.1391、No.2250)。減価償却の考え方はNo.2100に、中古で取得した建物の耐用年数の求め方はNo.5404に整理されています。

売却するときは譲渡所得として計算し、所有期間が5年を超えるかどうかで税率の区分が変わります(No.3202、No.3208)。取得日と譲渡日の数え方には決まりがありますので、売却の検討に入る前に確認しておくと計画が立てやすくなります。

申告の準備は、書類をためないことに尽きます。初年度に集めておく資料は次のとおりです。売買契約書と重要事項説明書、金銭消費貸借契約書と返済予定表、売買代金の精算書、固定資産税の納税通知書、火災保険の保険証券、管理会社の年間収支報告書、修繕や原状回復の請求書と領収書、賃貸借契約書。ここまで揃っていれば、収入と経費の振り分けは機械的に進みます。

初年度は特に、取得時の諸費用を経費とするか取得価額に含めるかの判断が出てきます。税務の取扱いは個別事情により異なります。実行前に税理士等にご確認ください。私たちも、判断が分かれる論点はその場で断定せず、顧問税理士と確認したうえでご案内しています。

まとめ|不動産投資の始め方は「買う前に数字で検算する」ことに尽きる

不動産投資の始め方でつまずくのは、手順を知らないからではありません。家賃からいくら残るのかを自分で計算しないまま、次の段階へ進んでしまうからです。総収入金額と必要経費の中身を知り、3点ストレスをかけ、各ステップの通過条件を満たしてから進みます。この順序を守るだけで、判断の質は大きく変わります。

私たちは不動産を「売って終わり」の商品だとは考えていません。入居者が暮らし、オーナーの資産が育ち、管理に携わる人財が誇りを持って働ける状態が続いてはじめて、長期の運用が成り立ちます。時間をかけて育てる前提で数字を組むと、目先の利回りだけでは選ばなくなります。

買う前の検算と、買った後の判断基準をさらに詰めたい方は、不動産投資で成功と失敗を分ける5つの判断基準もあわせてご覧ください。物件を前にして迷ったときは、INAの無料相談で収支の読み方からご相談いただけます。

よくある質問(FAQ)

不動産投資とは何ですか?

物件を取得して入居者に貸し、家賃収入を得る事業です。売却時の差益(キャピタルゲイン)も収益になりますが、初心者が土台にすべきは毎月の賃料収入(インカムゲイン)です。買った時点で結果が決まるのではなく、募集・修繕・出口の判断が続く点で、株式の保有とは性格が異なります。

不動産投資はいくらから始められますか?

一律の下限額はなく、物件価格と融資条件で変わります。物件価格とは別に、仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、印紙税、司法書士報酬、火災保険料、固都税の日割精算金が現金で必要です。金額の目安と融資の付き方は、不動産投資はいくらから可能か|資金と融資の基礎で確認できます。

家賃収入はどのくらい得られますか?

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、借家(専用住宅)の1か月当たり家賃は全国平均59,656円でした。民営借家は木造54,409円、非木造68,548円です。ただしこれは全国平均であり、手取りは管理委託料・固都税・保険料・修繕費・ローン返済を差し引いた後の金額になります。

初心者は何から始めればいいですか?

初心者がまず取り組むのは、目的を金額で決めることです。「何年後に月いくら残したいか」を数字で言えるようにし、次に出せる自己資金と借入可能額を把握します。この2つが揃うまで物件情報を見始めないほうが、営業資料に判断を預けずに済みます。

不動産投資のデメリットは何ですか?

換金に時間がかかること、空室や金利上昇で収支が悪化すること、運営の判断が続くことの3つです。仮に家賃10万円で年間の手残りが156,000円なら、1か月の空室でその約6割が失われます。デメリットは消せませんが、事前に金額で把握しておけば想定内の出来事にできます。

住宅ローンで投資用物件を買ってもいいですか?

自ら居住するための住宅ローンを、投資用物件の取得に使うことはできません。資金使途が契約で定められているためです。投資用物件は投資用のローンで組み、金融機関には用途を正確に伝えてください。金利や融資期間の条件は住宅ローンとは異なります。

引用・参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者