Skip to content
Real Estate Intelligence
投資戦略COLUMN

大島てるの使い方|事故物件調査と告知確認の実務

大島てるを事故物件調査の入口として使う時の注意点を、心理的瑕疵ガイドライン、告知書、重要事項説明、現地確認と合わせて整理します。

最終更新: 約6分で読めます

大島てるは事故物件調査の入口にはなりますが、最終判断の根拠にはできません。売買や賃貸では、告知書、重要事項説明、管理会社確認、国土交通省ガイドラインと合わせて確認する必要があります。

この記事のポイント

  • 大島てるは参考情報であり、公式な瑕疵判定資料ではありません。
  • 心理的瑕疵は、売買・賃貸、死亡原因、経過期間、特殊清掃の有無で扱いが変わります。
  • 投資判断では、賃料、募集期間、出口時の説明負担まで見ます。
  • 誤情報や古い情報の可能性があるため、複数資料で裏取りします。

大島てるは何に使えるのか?

大島てるは、事故物件に関する投稿情報を確認できるサイトとして知られています。物件検討時に、過去の事件・事故の可能性を知る入口として使われることがあります。

ただし、掲載情報は公式な行政資料ではありません。掲載の有無だけで、心理的瑕疵の有無や告知義務を判断するのは危険です。

大島てるとは何か?不動産業界における位置づけ

大島てるとは、事故物件(心理的瑕疵物件)の情報を地図上で公開する情報サービスであり、運営会社の代表者名も「大島てる」(本名:大島学)氏です。2005年(平成17年)に開設され、当初は東京近郊に限られていましたが、現在は日本全国および海外の事故物件も掲載しています。

大島てるのサービス内容はどのようなものか?

無料で閲覧できる事故物件データベース

掲載情報はすべて無料で閲覧可能です。物件の住所・部屋番号・死因(殺人・自殺・火災等)が公開されており、1日60〜80万ページビューを誇る大型情報サービスに成長しています。投資家が物件取得前のデューデリジェンスに活用するケースも増えています。

ユーザー投稿型の情報収集体制

2011年(平成23年)からユーザー投稿制を導入し、全国のボランティアが情報を提供しています。運営側はチェック体制を整えており、信憑性に欠ける情報は修正・削除する仕組みを維持しています。

海外展開と国際的な注目

ニューヨーク・パリ・北京など世界各国の事故物件情報も掲載されており、クロスボーダー不動産投資家にとっても参照価値の高いデータソースとなっています。

「情報は全部出して、ユーザーにゆだねる」というポリシーの意味

大島てるは「情報は全部出して、あとはユーザーにゆだねる」という方針を掲げています。不動産業者から営業妨害として訴えられた事例もありますが、民事訴訟では大島てる側が勝訴しており、情報公開の正当性が認められています。これは情報の透明性を重視する不動産市場の流れとも一致しています。

事故物件調査で見る情報源

情報源 役割 注意点
大島てる等の公開情報 調査の入口 誤情報・未更新の可能性
告知書 売主・貸主の把握事実 記載範囲を確認
重要事項説明 取引上の説明 質問事項を残す
管理会社聞き取り 入居履歴、近隣状況 記録化が必要
現地確認 周辺反応、管理状態 時間帯を変える

調査では、1つの情報源に頼らないことが大切です。入口情報、当事者説明、現地確認、専門家確認を組み合わせます。

心理的瑕疵ガイドラインとの関係

国土交通省は、人の死の告知に関するガイドラインを公表しています。売買か賃貸か、死亡原因、経過期間、特殊清掃の有無、通常使用で発生した死亡かどうかなどで扱いが変わります。

ガイドラインは実務上の参考になりますが、すべての事案を自動的に処理するものではありません。買主・借主の判断に重要な影響を与える事情は、個別に確認する必要があります。

投資物件として見る時の注意点

事故物件は、価格が下がることがあります。しかし、安いから買うという判断は危険です。賃料下落、募集期間、入居者属性、近隣反応、将来売却時の説明負担を見ます。

再生できる物件もありますが、説明できない物件は出口で詰まります。購入前に、告知文案、賃料想定、保有期間、売却時の買主層まで整理してください。

確認質問リスト

質問 目的
何が、いつ発生したか 事案の特定
特殊清掃はあったか 告知判断と印象
その後の入居履歴はあるか 市場受容性
近隣トラブルは残っているか 募集・売却リスク
告知書にどう記載するか 出口説明

質問はメールや書面で残します。後から聞いた・聞いていないの争いになると、価格交渉以上に重い問題になります。

大島てるを過信しない調査姿勢

大島てるに掲載がないから安全、掲載があるから必ず買えない、という判断はどちらも単純すぎます。重要なのは、事実関係と市場への影響を分けることです。

INAの実務では、心理的瑕疵を怖がるより、説明できない状態を避けます。調査し、記録し、価格・賃料・出口に翻訳できるかが投資判断の軸になります。

掲載情報を価格交渉に使う時の注意

大島てる等の掲載情報を価格交渉に使う場合は、事実確認を先に行います。未確認情報を前提に強く値引きを求めると、売主や仲介会社との信頼関係を壊し、必要な追加情報が出にくくなることがあります。

交渉では、掲載の有無ではなく、事案の内容、経過期間、告知方法、賃料や売却価格への影響を整理します。心理的瑕疵は感情の問題に見えますが、実務では説明可能性と市場への影響を数値化する作業です。

よくある質問

大島てるに載っていなければ事故物件ではありませんか?

A. 断定できません。掲載がない場合でも、告知書や管理会社への確認が必要です。

大島てるに載っている物件は必ず避けるべきですか?

A. 必ずではありません。事案、経過期間、賃料、出口説明を総合して判断します。

心理的瑕疵は何年で告知不要になりますか?

A. 一律ではありません。取引種別や事案内容、特殊清掃の有無などで変わります。

投資物件として購入する時の注意点は?

A. 安さだけで判断せず、募集期間、賃料、告知文案、将来売却時の説明を確認します。

参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者