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赤羽一丁目中央地区再開発|1.2haの全容と地価動向

赤羽一丁目中央地区第一種市街地再開発事業の全容を解説。旧第二・第三地区が合流した約1.2haの大規模計画は2028年度の都市計画決定・2032年度着工を目標に準備組合段階で進行中。地価動向も詳述。

最終更新: 約15分で読めます

東京都北区の赤羽駅東口エリアで、歴史ある商店街「赤羽一番街」を含む約1.2ヘクタールの大規模再開発計画が動き出しています。赤羽一丁目中央地区市街地再開発準備組合は2024年10月に発足し、2028年度の都市計画決定・2032年度の着工を目標に地権者との対話を積み重ねています。先行する赤羽一丁目第一地区の整備が2029年竣工に向けて加速するなか、その南側に広がる「中央地区」が次のフェーズへと踏み出しました。本記事では、事業の経緯・現在地・不動産市況への影響を整理します。

赤羽一丁目中央地区とはどのエリアか?

東口一帯に広がる老朽密集市街地の歴史

赤羽駅東口エリアは、戦後の闇市・商店街として発展した歴史を持つ地区です。「赤羽一番街」や「OK横丁」と呼ばれる飲み屋街が密集しており、独自の下町文化を今日まで色濃く残してきました。だからこそ、エリアへの愛着を持つ地権者も多く、再開発に向けた合意形成には細心の配慮が求められます。

しかし、建物の多くは老朽化が進む木造密集市街地であり、防災上の課題が長年指摘されてきました。延焼リスクや狭隘な路地、耐震性の低さといった問題は、近隣住民の安全に直結するテーマです。行政・地権者・デベロッパーが協力しながら、防災性向上と街の魅力継承を両立する再開発が求められています。

旧第二地区・第三地区が合併した経緯

赤羽一丁目エリアでは、当初から複数の地区に分かれて再開発が計画されてきました。最も先行したのが北側の「第一地区」(約0.5ha)であり、すでに2024年1月に組合設立認可を取得し、工事が動き始めています。

一方、その南側に位置していた「第二地区」(約0.7ha)と「第三地区」(約0.5ha)は、2024年10月に統合して「中央地区」(約1.2ha)として一本化されました。個別に進めるよりも広域一体で整備した方が、公共空間の創出や事業効率の面で優位であるという判断からです。この合流により、中央地区は城北エリアでも有数の規模を持つ市街地再開発事業として位置づけられることになりました。

中央地区の範囲と隣接する赤羽小学校

中央地区の施行区域は東京都北区赤羽1丁目12番ほかを中心とした約1.2haです。特筆すべきは、計画区域の北側に区立赤羽小学校が隣接していることです。東京都北区は「赤羽駅周辺地区まちづくり基本計画」の策定を進めており、再開発エリアと赤羽小学校周辺を重点区域として一体的なまちづくりに位置づける方針を示しています。学校の改築計画と再開発事業をどのように調整するかが、今後のスケジュールを左右する重要な変数となっています。

事業の概要と進捗状況はどうなっているのか?

準備組合の発足と準備組合設立届提出(2024〜2025年)

赤羽一丁目中央地区市街地再開発準備組合は2024年10月に正式に発足しました。翌2025年1月には、東京都知事あてに準備組合設立届を提出し、行政との連携を公式化しています。現在は都市計画決定に向けた準備段階であり、都市計画決定・組合設立・権利変換計画認可といった正式手続きはすべてこれから先の工程です。事業進捗の最新情報は、準備組合が発行する「再開発ニュース」(東京都北区公式サイトに掲載)で定期的に公開されています。

準備組合の事務局は東京都北区赤羽2-15-9 サイードビル2階に置かれており、地権者や関係者からの問い合わせに対応しています。

事業協力者:丸紅都市開発・三井不動産レジデンシャルの役割

本事業の事業協力者は丸紅都市開発株式会社三井不動産レジデンシャル株式会社の2社です。事業コンサルタントは株式会社アール・アイ・エーが担当しています。事業協力者は、権利変換後の施設床を取得・分譲する「参加組合員」となる予定の民間デベロッパーです。準備組合の段階から事業計画の立案・資金計画・設計検討などをサポートし、本組合設立後には参加組合員として正式に加わります。丸紅都市開発は先行する第一地区でも参加組合員として関わっており、エリア全体の整備を見据えた一体的な関与が続いています。

現時点では施設規模・事業費はいずれも未定です。都市計画決定に向けた協議の中で、容積率・建物の高さ・用途構成などが具体化されていく見込みです。

2028年度都市計画決定→2032年度着工のスケジュール

中央地区の現時点における目標スケジュールは以下の通りです。

時期(目標) 内容
2028年度 都市計画決定
2030年度 本組合設立
2031年度 権利変換計画認可
2032年度 既存建物解体工事着手
2035年前後 竣工(推定)

これはあくまでも現時点の目標であり、確定したスケジュールではありません。都市計画決定には行政・地権者・近隣住民との丁寧な合意形成プロセスが必要であり、相応の時間がかかります。

赤羽小学校の改築方針が与えるリスク

前述の通り、準備組合の計画区域に隣接する区立赤羽小学校の改築方針が、全体スケジュールに影響を与える可能性があります。北区はまちづくり基本計画の中で学校改築と再開発の連携を検討していますが、具体的な調整方針は2026年3月現在まだ確定していません。地権者や関係者にとっては、学校側の動向が今後の重要な注目点となるでしょう。

先行する赤羽一丁目第一地区と比較するとどう違うのか?

第一地区の概要(規模・事業費・スケジュール)

第一地区は中央地区より約4年先行して手続きが進んでいます。2020年8月に都市計画決定を取得し、2024年1月31日に東京都から再開発組合設立認可を受けました。2025年10月には既存建物の除却整地工事を開始しており、2026年10月の新築工事着手・2029年6月の竣工を目指しています。

施行区域は約0.5ha、規模は地上26階・地下1階・高さ約108mで、総住戸数は約269〜270戸(うち1〜3階が商業、5〜26階が住宅)です。参加組合員は野村不動産と丸紅都市開発で、大建設計が基本設計を担当しています。

東京都の主要な再開発プロジェクトを俯瞰したい方には、2025年、東京を変貌させる主要再開発プロジェクトもあわせてご参照ください。

中央地区との位置関係と一体的まちづくりの意義

第一地区(北側)と中央地区(南側)は隣接しており、両事業が完成することで赤羽駅東口の街並みが大きく刷新される見込みです。第一地区が26階建て高層タワーによる新街区を形成し、中央地区がその南に続く形で再整備されることで、JR赤羽駅東口から続くにぎわい軸の連続性が生まれます。こうした「面的整備」の観点は、北区のまちづくり基本計画においても重視されており、個別事業を超えたエリア全体の価値向上につながると考えます。

赤羽「まちづくり基本計画」における重点区域の位置づけ

東京都北区は赤羽駅周辺全体のまちづくり基本計画を策定中であり、第一地区・中央地区の再開発エリアを重点区域に位置づける方針です。この基本計画は、単に個別の再開発事業を管理するだけでなく、公共空間の整備・交通動線の改善・緑地の配置といった面的な視点でエリアを底上げするものです。地権者・事業者・行政が長期的な共通ビジョンを持つことが、エリア全体の持続可能な成長を支える基盤となります。

城北エリアの再開発事例として、JR板橋駅・板橋口地区 駅前再開発計画を徹底解説も参考にしていただければと思います。

周辺不動産市況と地価への影響はどのくらいか?

赤羽駅周辺の地価推移データ(2026年公示地価)

2026年の公示地価によると、赤羽駅周辺の地価は着実に上昇しています。赤羽駅周辺の公示地価平均は163万8,000円/㎡(坪単価541万4,876円)に達しており、前年比の変動率は+14.43%という大幅な上昇を記録しました。最高価格地点(北区赤羽1-8-3)では570万円/㎡(前年比+21.28%)に達しています。

地価の公式データは国土交通省の「地価公示」にてご確認ください。

再開発ラッシュが引き起こす地価上昇のメカニズム

赤羽エリアの地価上昇を牽引している要因は複合的です。まず交通利便性の高さが挙げられます。JR5路線(京浜東北線・埼京線・高崎線・宇都宮線・湘南新宿ライン)が乗り入れており、都心へのアクセス性は城北エリアでも随一です。

そこに第一地区の再開発着工や、西口側のザ・パークハウス赤羽台タワー&レジデンス(三菱地所、約550戸、29階建、2028年竣工予定)などの大型開発が重なっています。複数の再開発が同時並行で進むことで、エリア全体の期待値が高まり、地価上昇に拍車がかかる構造です。この流れに中央地区の準備組合発足が加わったことで、「赤羽東口は変わる」という市場のシグナルがより強固なものになっています。

むしろ注目すべきは、上昇率の高さよりも上昇の「持続性」です。再開発が実際に着工し、竣工が近づくにつれて周辺の賃料・分譲価格への波及が本格化します。中央地区の事業が2032年着工・2035年前後竣工という長期スケジュールである以上、現時点での地価上昇は「期待先行」の要素も含んでいることを冷静に認識しておく必要があります。

マンション価格・賃料への波及効果

再開発エリア周辺のマンション価格・賃料にはすでに上昇圧力が生じています。新築供給が限られる状況で既存ストックへの需要が高まり、賃料の下支えになっています。しかし、2032年以降の大規模供給が始まった際には、新築物件との競合関係も生じます。長期的な資産管理を考えるオーナーにとっては、再開発エリアに隣接する物件の将来需要を精緻に見極めることが大切です。

また、城北エリアの地価上昇は赤羽だけにとどまらず、板橋・王子・十条といった周辺エリアへの波及も確認されています。

今後の注目ポイントと課題

都市計画決定に向けて必要な合意形成

中央地区が2028年度の都市計画決定という目標を達成するためには、今後2〜3年のうちに地権者との権利変換条件に関する合意形成、北区との協議、環境アセスメントなどを並行して進める必要があります。市街地再開発事業では、地権者全員の同意は必須ではありませんが、大多数の理解と協力を得ることが円滑な事業進行の前提条件です。丸紅都市開発・三井不動産レジデンシャルという実績豊富な事業協力者を得たことは、合意形成の信頼性を高める上で大きな強みとなっています。

再開発後の商店街文化をどう継承するか?

「赤羽一番街」「OK横丁」に代表される赤羽の下町文化は、他のエリアにはない強みであり、地域アイデンティティの核です。市街地再開発事業では、地権者(テナントオーナーを含む)が権利変換によって新施設の床を取得できる制度があります。しかし、現在の施設計画が未定である以上、商業機能の存続・移転について具体的な方針は示されていません。

どのような形で商店街の文化的継承を図るかは、地域の合意形成の中で議論されるべきテーマです。再開発によって防災性と機能性が向上しつつ、赤羽らしいにぎわいが新建物の中に引き継がれることが理想的なゴールといえます。信頼と正直さを基本姿勢に、デメリットも含めた情報を地権者・住民に丁寧に伝えることが、長期的な信頼関係を育みます。

2028〜2032年の進捗を左右する変数

今後の事業スケジュールを左右する主な変数は以下の通りです。

  • 赤羽小学校の改築方針:区が学校改築と再開発の連携を決定するかどうか
  • 地権者合意の進捗:権利変換条件への同意率と地権者間の調整
  • 北区のまちづくり基本計画の内容:容積率緩和・公共施設整備の範囲
  • 金融・不動産市況の変動:工事費高騰・金利上昇が事業採算性に影響する可能性

準備組合が定期的に発行する再開発ニュース(東京都北区公式サイトで公開)を追うことが、最新動向を把握する最も確実な手段です。

まとめ

赤羽一丁目中央地区の再開発事業は、旧第二・第三地区を統合した約1.2haの大規模計画として2024年10月に準備組合が発足しました。現在は都市計画決定前の準備段階にあり、施設規模・事業費は未定ですが、丸紅都市開発・三井不動産レジデンシャルという実績あるデベロッパーが事業協力者として参画しています。

  • 2028年度の都市計画決定・2032年度の着工を目標に準備を進めている
  • 先行する第一地区(2029年竣工予定)と合わせて、赤羽東口の街並みが大きく変わる見込み
  • 2026年公示地価では赤羽駅周辺が前年比+14.43%と大幅上昇。再開発への期待が地価を押し上げている
  • 隣接する赤羽小学校の改築方針が事業スケジュールに影響する可能性がある
  • 商店街文化の継承は今後の施設計画協議の中で議論される重要テーマ

長期的な視野を持ちながら赤羽エリアの動向を注視することが、地権者・投資家双方にとって最善の姿勢です。私たちINAは、このエリアの変化をリアルタイムで追い続けながら、皆さまに透明性の高い情報をお届けしてまいります。


引用・参考資料


よくある質問(FAQ)

Q1. 赤羽一丁目中央地区の再開発はいつ着工しますか?

A. 現在の計画では2032年度(令和14年度)に既存建物の解体工事に着手することを目標としています。ただし、本事業は現在都市計画決定前の準備組合段階にあり、スケジュールは今後の合意形成の状況によって前後する可能性があります。隣接する区立赤羽小学校の改築方針との調整も変数の一つです。

Q2. 赤羽一丁目第一地区と中央地区の違いは何ですか?

A. 第一地区(約0.5ha)は2024年1月に再開発組合の設立認可を受けており、2025年10月から除却工事を開始しています。2029年6月の竣工を目指す先行案件です。一方、中央地区(約1.2ha)は旧第二・第三地区を合併した広域エリアであり、2024年10月に準備組合が発足した段階にあります。まだ都市計画決定前であり、事業の進捗状況は第一地区より数年遅れています。

Q3. 事業協力者(丸紅都市開発・三井不動産レジデンシャル)はどのような役割を担いますか?

A. 事業協力者は、権利変換後の施設床を取得・分譲する「参加組合員」となる予定の民間デベロッパーです。準備組合の段階から事業計画の立案・資金計画・設計検討などをサポートし、本組合設立後には参加組合員として正式に加わります。丸紅都市開発は先行する第一地区でも参加組合員として関与しており、エリア一体での関与が続いています。

Q4. 再開発が完成すると赤羽一番街の飲み屋街はなくなりますか?

A. 現段階では施設計画の詳細が未定のため、商店街機能の存続・移転について具体的な方針は公表されていません。市街地再開発事業では地権者(店舗オーナーを含む)が権利変換によって新施設の床を取得できる制度があるため、一部の商業機能が新建物内に継承される可能性はあります。今後の都市計画協議の中で具体的な方針が明らかになっていく見込みです。


Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者