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COLUMN

家を建てる費用は総額いくら?2026年の相場と内訳を解説

家を建てる費用は2026年で注文住宅4,259.8万円、土地込み5,312.9万円・中央値4,884万円。坪単価・地域差・諸費用・減税まで公的データで解説。

最終更新: 約28分で読めます

家を建てる費用は、2026年時点で注文住宅の建設費が全国平均4,259.8万円(中央値3,900万円)、土地も一緒に取得する土地付注文住宅では所要資金が全国平均5,312.9万円(中央値4,884万円)です(住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」2026年7月24日公表)。

この記事は、これから土地を探し、ハウスメーカーや工務店に見積もりを依頼する段階の方に向けて書いています。「予算をいくらで組めばよいのか」「提示された見積金額は相場から外れていないか」を自分で判断できるように、全国・地域別・都道府県別の実数、坪単価からの逆算、諸費用と税金、2026年に使える減税と補助金までを、すべて一次情報の出典付きで整理しました。数字はすべて2026年に公表された最新の公的調査に基づいています。

この記事のポイント

  • 2025年度の注文住宅の建設費は全国平均4,259.8万円。前年度の3,932.1万円から約8%上昇しており、1年前の相場観はそのまま使えません。
  • 平均値は高額層に引き上げられます。注文住宅の建設費は中央値3,900万円、土地付注文住宅の所要資金は中央値4,884万円で、自分事として見るならこちらが基準になります。
  • 1㎡当たり建設費は全国平均35.9万円・中央値34.6万円。坪単価に直すと約118.7万円・約114.4万円で、延床35坪なら本体部分で約4,000万〜4,150万円が目安です。
  • 地域差は坪単価で約13万円、都道府県別では東京都5,131.3万円と秋田県3,525.5万円で1,600万円以上の開きがあります。
  • 2026年入居なら住宅ローン減税が13年間で最大455万円、みらいエコ住宅2026事業の補助が最大110万円/戸。制度を織り込むかどうかで実質負担は数百万円変わります。

家を建てる費用は2026年時点で全国平均いくらか

結論から言えば、建物だけなら全国平均4,259.8万円、土地込みなら全国平均5,312.9万円です。ただし、この2つは調査上まったく別の指標なので、まず建て方ごとの実数を並べて確認します。

建て方別の全国平均一覧

住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」(2026年7月24日公表)から、建て方別の主要指標をまとめます。注文住宅は土地をすでに持っている人が建物だけを建てるケース、土地付注文住宅は土地の取得と建築を同時に行うケースです。

建て方建設費/所要資金(全国平均)住宅面積世帯年収手持金毎月返済額総返済負担率
注文住宅(3,889件)建設費 4,259.8万円
(中央値3,900万円)
118.4㎡718.9万円839.8万円12.39万円23.0%
土地付注文住宅(7,733件)所要資金 5,312.9万円
(中央値4,884万円)
110.3㎡742.2万円481.1万円15.23万円26.4%
建売住宅(8,345件)所要資金 4,214.8万円100.4㎡680.0万円428.8万円12.57万円23.9%
マンション(2,823件)所要資金 5,881.5万円67.7㎡1,040.6万円1,379.3万円15.80万円21.5%

注意したいのは、注文住宅の4,259.8万円に土地代が含まれていない点です。同じ調査で土地付注文住宅の内訳を見ると、建設費3,737.6万円+土地取得費1,575.3万円で所要資金5,312.9万円になります。土地から探す方は、後者の数字を出発点にしてください。

また、この調査でいう「建設費」には、主体工事費・設備工事費・設計費・工事監理費・屋外附帯工事費などが含まれます。つまり、いわゆる本体工事費だけでなく、付帯工事の一部まで入った金額です。一方で、登記費用や住宅ローン手数料といった諸費用は含まれていません。

平均値だけを見てはいけない理由|中央値との差

費用調査で最も誤解を生むのが、平均値と中央値のズレです。平均値は一部の高額な事例に引っ張られるため、「普通の人が実際に払っている額」からは上振れします。

指標平均値中央値
注文住宅の建設費(全国)4,259.8万円3,900万円359.8万円
土地付注文住宅の所要資金(全国)5,312.9万円4,884万円428.9万円
土地付注文住宅の所要資金(首都圏)6,404.4万円5,747万円657.4万円
注文住宅の住宅建築資金(住宅市場動向調査・全国)5,233万円4,000万円1,233万円
建築資金+土地購入資金の合計(同・全国)7,646万円5,100万円2,546万円
建築資金+土地購入資金の合計(同・三大都市圏)10,027万円6,500万円3,527万円

三大都市圏の「平均1億27万円」という数字だけを見て、家づくりを諦める必要はありません。同じ調査の中央値は6,500万円です。予算を組むときは中央値を基準に置き、平均値は「上振れしたときの姿」として見るのが実務的です。

2つの公的調査で金額が違うのはなぜか

家づくりの費用には、性格の異なる2つの公的調査があります。どちらが正しいという話ではなく、調査対象が違うだけです。

項目フラット35利用者調査住宅市場動向調査
実施主体・公表住宅金融支援機構/2026年7月24日(2025年度分)国土交通省/2026年7月17日(令和7年度分)
対象【フラット35】を利用して融資を受けた人令和6年度に住み替え・建て替え等を行った世帯
注文住宅の建物代建設費 4,259.8万円(中央値3,900万円)住宅建築資金 5,233万円(中央値4,000万円)
土地代土地取得費 1,575.3万円(土地付注文住宅)土地購入資金 2,674万円(中央値1,500万円)
建物+土地所要資金 5,312.9万円(中央値4,884万円)合計 7,646万円(中央値5,100万円)

平均値では2,300万円以上の差がありますが、中央値で比べると4,884万円と5,100万円で、差は216万円程度に縮まります。平均値の乖離の大半は、自己資金が厚い建て替え世帯や高額層が住宅市場動向調査に含まれることで生じています。見積もりの妥当性を確かめたいときは、中央値どうしを比べるほうが実態に近づきます。

建築費は上がっているのか|2024年度と2025年度の比較

上がっています。しかも1年で約8%という、予算計画をやり直す必要がある水準です。ここを知らずに1年前の情報で資金計画を立てると、着工前に数百万円の不足が表面化します。

注文住宅の建設費と1㎡当たり単価の前年度比

指標2024年度2025年度増減
注文住宅の建設費(平均)3,932.1万円4,259.8万円+327.7万円(+8.3%)
注文住宅の建設費(中央値)3,628.5万円3,900万円+271.5万円(+7.5%)
1㎡当たり建設費(平均)33.3万円35.9万円+2.6万円(+7.8%)
1㎡当たり建設費(中央値)32.1万円34.6万円+2.5万円(+7.8%)
土地付注文住宅の所要資金(平均)5,007.1万円5,312.9万円+305.8万円(+6.1%)

面積は118.5㎡から118.4㎡とほぼ変わっていません。つまり広くなったから高くなったのではなく、同じ広さの家が単価の上昇で高くなっているということです。資材価格と人件費の上昇がどの費目に効いているかは、2026年の建設コスト高騰の背景と値上げの内訳で整理しています。

10年単位の推移と予算組みへの影響

国土交通省の令和8年度税制改正概要には、住宅所要資金の推移が示されています。土地付注文住宅は2015年度の3,898万円から2024年度の5,007万円へ、マンションは4,250万円から5,592万円へと上昇しました。10年で1,000万円以上動いている以上、「親世代が建てたときの金額」は参考になりません

実務上の含意は2つです。1つは、見積もり取得から契約までの期間が長引くと、その間に単価が動くこと。もう1つは、着工が翌年度にまたがる場合、補助金の申請年度が変わる可能性があることです。注文住宅の工程と期間の目安を先に押さえておくと、この2つのリスクを避けやすくなります。

坪単価から自分のケースを計算する

相場を自分の計画に翻訳する最短ルートは、1㎡当たり建設費に延床面積を掛けることです。ここでは公的調査の単価を坪単価に換算し、延床面積別の目安を出します。

1㎡当たり建設費と坪単価の換算

1坪=3.30578㎡で換算すると、2025年度の全国平均35.9万円/㎡は坪単価約118.7万円、中央値34.6万円/㎡は坪単価約114.4万円、首都圏平均38.7万円/㎡は坪単価約127.9万円になります。

延床面積中央値 34.6万円/㎡
(坪約114.4万円)
全国平均 35.9万円/㎡
(坪約118.7万円)
首都圏平均 38.7万円/㎡
(坪約127.9万円)
30坪(約99.2㎡)約3,431万円約3,560万円約3,838万円
35坪(約115.7㎡)約4,003万円約4,154万円約4,478万円
40坪(約132.2㎡)約4,575万円約4,747万円約5,117万円

ハウスメーカーが提示する坪単価は、本体工事費だけを分母にしている場合があり、この表の金額とは範囲が異なります。比較の前提をそろえる方法は、注文住宅の坪単価の算出方法と比較のポイントで詳しく扱っています。

構造別の単価差(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)

構造による単価差は、国税庁「建物の標準的な建築価額表」(建築着工統計に基づく1㎡当たり工事費予定額、最新は令和5年)で比率を確認できます。

構造1㎡当たり工事費予定額坪換算木造を100としたとき
木造・木骨モルタル造20.41万円約67.5万円100
鉄骨造28.11万円約92.9万円約138
鉄筋コンクリート造31.43万円約103.9万円約154
鉄骨鉄筋コンクリート造36.67万円約121.2万円約180

この表は譲渡所得の計算に用いるもので、住宅以外の建築物も含む全建築物ベースです。金額そのものを住宅の請負金額の目安に使うことはできません。構造を変えると単価がどの程度動くかという「比率」を見る用途に限って使ってください。構造ごとの耐用年数や維持費まで含めた判断は、木造・鉄骨・RCの実務比較が参考になります。

延床35坪の場合の本体工事費と総額の積み上げ

もっとも一般的な延床35坪(約115.7㎡)で、土地から取得するケースを積み上げます。

  1. 建物:1㎡当たり建設費の中央値34.6万円 × 115.7㎡ = 約4,003万円
  2. 土地:土地付注文住宅の土地取得費 全国平均1,575.3万円(首都圏は2,590.0万円)
  3. 建物+土地:約4,003万円 + 1,575.3万円 = 約5,578万円(首都圏の土地代なら約6,593万円)
  4. 諸費用:登記・印紙などで約23万円(後述の計算例)に、住宅ローン手数料・火災保険料・引越費用などが加わります

この約5,578万円は、土地付注文住宅の所要資金の中央値4,884万円より約700万円高く出ます。理由は明快で、実際の平均住宅面積が110.3㎡(約33.4坪)と35坪より小さいためです。面積を1坪減らすと、中央値単価では約114万円の差が出ます。予算が合わないときに最初に効く調整項目は、設備よりも延床面積だと考えてください。

地域でいくら変わるか|首都圏・近畿圏・東海圏・その他地域

同じ広さ・同じ仕様でも、建てる場所で1,000万円以上変わります。まず圏域別、次に都道府県別で見ます。

圏域別の建設費と1㎡当たり建設費

圏域注文住宅の建設費
(平均/中央値)
1㎡当たり建設費
(平均)
坪単価換算土地付注文住宅の所要資金
(平均/中央値)
首都圏4,761.5万円/4,233万円38.7万円約127.9万円6,404.4万円/5,747万円
近畿圏4,269.8万円/4,023万円36.3万円約120.0万円5,485.9万円/5,047.5万円
東海圏4,348.8万円/4,000万円35.8万円約118.3万円5,324.6万円/5,009.5万円
その他地域4,012.6万円/3,756万円34.6万円約114.4万円4,750.8万円/4,480.5万円
全国4,259.8万円/3,900万円35.9万円約118.7万円5,312.9万円/4,884万円

建物だけの坪単価差は首都圏とその他地域で約13.5万円です。一方、土地込みの所要資金では首都圏6,404.4万円とその他地域4,750.8万円で1,653.6万円の差になります。地域差の大半は建築費ではなく土地代から生まれているという事実は、エリア選定の優先順位を決めるうえで重要です。

都道府県別の高い順・低い順

都道府県別の注文住宅の建設費です。集計件数が少ない県は数値が振れやすいため、ここでは40件以上の県に絞って掲載します。

高い順建設費件数低い順建設費件数
東京都5,131.3万円252件秋田県3,525.5万円102件
神奈川県5,074.0万円198件宮崎県3,575.4万円51件
長野県4,713.1万円94件鹿児島県3,690.1万円69件
埼玉県4,635.4万円248件愛媛県3,696.1万円42件
北海道4,613.0万円135件岩手県3,698.1万円44件

最高の東京都と最低の秋田県では1,605.8万円の差があります。北海道が上位に入るのは断熱仕様の水準が高いためで、単純な地価の高さだけでは説明できません。県名だけで高い・安いを判断せず、その地域で標準とされる断熱・耐雪仕様まで含めて見積もりを読むことをおすすめします。

土地代の相場と敷地面積

土地付注文住宅の土地取得費は、全国平均1,575.3万円、首都圏2,590.0万円、近畿圏1,884.3万円、東海圏1,453.5万円、その他地域1,016.5万円です。敷地面積は全国平均247.1㎡、首都圏190.5㎡で、狭い土地により多くの資金を投じる構図が読み取れます。

なお注文住宅(土地を既に所有しているケース)の敷地面積は全国平均326.6㎡と広く、相続などで土地を承継した方が多いことを示しています。土地の広さと建てられる面積の関係は、建ぺい率・容積率から見る土地と建物の広さの関係で確認できます。

建築費の内訳|本体工事費・付帯工事費・諸費用は何にいくらかかるか

総額は「建物」「土地」「諸費用」の3つで構成されます。このうち見落とされやすいのが諸費用です。ここでは何が含まれ、何が含まれないかを定義から確認します。

建設費に含まれるもの・含まれないもの

フラット35利用者調査の定義では、建設費に主体工事費、設備工事費、設計費、工事監理費、屋外附帯工事費などが含まれます。逆に、次のものは含まれません。

  • 土地の取得費(土地付注文住宅では別項目として集計されます)
  • 登録免許税・印紙税・司法書士報酬などの登記関係費用
  • 住宅ローンの事務手数料・保証料・団体信用生命保険料
  • 火災保険料・地震保険料
  • 地鎮祭や上棟式の費用、引越費用、家具・カーテン・照明の購入費

工事費の内訳は、一般に本体工事費が7割前後、付帯工事費が2割前後といわれます。ただしこれは業界の経験則で、公的な統計に基づく数値ではありません。地盤改良が必要な土地では付帯工事費が跳ね上がるため、比率で当たりをつけず、見積書の項目単位で確認する。押さえておくべきはこの一点です。

新築時にかかる税金|登録免許税・印紙税・不動産取得税・固定資産税

税目対象・課税標準税率・税額適用期限
登録免許税(所有権保存登記)住宅用家屋の評価額0.15%(本則0.4%)令和9年3月31日まで
登録免許税(同・認定長期優良/低炭素住宅)住宅用家屋の評価額0.1%令和9年3月31日まで
登録免許税(土地の売買による所有権移転登記)土地の評価額1.5%(本則2%)令和11年3月31日まで延長
登録免許税(抵当権設定登記)借入額0.1%令和9年3月31日まで
印紙税(工事請負契約書)1,000万円超5,000万円以下1万円(5,000万円超1億円以下は3万円)令和9年3月31日まで
印紙税(土地売買契約書)1,000万円超5,000万円以下1万円(5,000万円超1億円以下は3万円)令和9年3月31日まで
不動産取得税課税標準からの控除額一般住宅1,200万円/認定長期優良住宅1,300万円認定長期優良住宅分は令和13年3月31日まで延長
固定資産税新築住宅の税額軽減1/2(戸建て3年間、認定長期優良住宅は5年間)令和13年3月31日まで延長

登録免許税の軽減税率は、床面積50㎡以上であることなど一定の要件を満たし、市区町村の証明書を添えて登記申請することが条件です。固定資産税の軽減効果について、国土交通省は2,500万円の住宅を新築した場合、3年間で約27万円の負担軽減になると推計しています(軽減がない場合は年18.2万円、ある場合は年9.1万円)。取得後に還付を受けられるケースもあるため、不動産取得税の扱いは不動産取得税の軽減措置と還付申請の手順もあわせて確認しておくと安心です。

諸費用の実額を積み上げるといくらになるか

建物の固定資産税評価額1,500万円、土地の固定資産税評価額1,000万円(土地の売買代金は1,000万円超)、借入額3,420万円という前提で、税金だけを積み上げます。登記の登録免許税は評価額に、印紙税は契約書に記載された契約金額に対してかかります。

項目計算金額
所有権保存登記(建物)1,500万円 × 0.15%2.25万円
所有権移転登記(土地)1,000万円 × 1.5%15.00万円
抵当権設定登記3,420万円 × 0.1%3.42万円
印紙税(工事請負契約書)1,000万円超5,000万円以下1.00万円
印紙税(土地売買契約書)1,000万円超5,000万円以下1.00万円
合計22.67万円

これは税金だけの金額です。ここに司法書士報酬、住宅ローンの事務手数料・保証料、火災保険料、地盤調査費などが加わります。税金部分は評価額と借入額が決まれば正確に計算できるので、資金計画では先にこの22.67万円を固定費として置き、残りを見積書ベースで積み上げると精度が上がります。

2026年に使える減税と補助金でいくら戻るか

2026年に入居する場合、住宅ローン減税は13年間で最大455万円、みらいエコ住宅2026事業の補助は新築で最大110万円/戸です。両方を織り込むと、実質負担は500万円以上変わることがあります。

住宅ローン減税(2026年入居分)の借入限度額と控除期間

令和8年度税制改正で住宅ローン減税は5年間延長されました。控除率は0.7%で、新築住宅の借入限度額は次のとおりです。カッコ内は子育て世帯等(19歳未満の子を有する世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)に適用される限度額です。

住宅の区分(新築)借入限度額子育て世帯等控除期間13年間の控除上限
長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円13年409.5万円/455.0万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年318.5万円/409.5万円
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年182.0万円/273.0万円
その他住宅支援対象外(2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年)

所得要件は2,000万円以下、床面積要件は40㎡以上(所得1,000万円超の方および子育て世帯等への上乗せ措置を使う方は50㎡以上)です。なお令和10年以降の入居分からは、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンに建てる新築住宅は適用対象外になります。

13年間の控除額は最大いくらか

2026年入居・長期優良住宅の新築で計算します。

  • 子育て世帯等:5,000万円 × 0.7% = 年35.0万円 → 13年で最大455.0万円
  • 子育て世帯等以外:4,500万円 × 0.7% = 年31.5万円 → 13年で最大409.5万円

差額は45.5万円です。ただしこれはあくまで上限で、実際の控除額は年末のローン残高と、その年に納めた所得税・住民税の範囲に収まります。年収が低い年ほど控除しきれない分が出るため、上限額をそのまま資金計画に入れないでください。初年度の確定申告と2年目以降の年末調整の手続きは、新築住宅の住宅ローン控除の申告手続きにまとめています。

みらいエコ住宅2026事業の補助額

子育てグリーン住宅支援事業の後継として、国土交通省・環境省が実施する「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」があります。予算規模は2,500億円です。

対象住宅(新築)補助額(カッコ内は1〜4地域)古家の除却を行う場合対象世帯
GX志向型住宅110万円/戸(125万円/戸)すべての世帯
長期優良住宅75万円/戸(80万円/戸)95万円/戸(100万円/戸)子育て世帯または若者夫婦世帯
ZEH水準住宅35万円/戸(40万円/戸)55万円/戸(60万円/戸)子育て世帯または若者夫婦世帯

対象となる住戸の床面積は50㎡以上240㎡以下で、令和7年11月28日以降に基礎工事に着手したものに限られます。GX志向型住宅は断熱等級6以上、再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減率35%以上、再エネを含めて原則100%以上、HEMSの設置などが要件です。着工時期が要件になっている点が重要で、契約のタイミング次第で補助対象から外れます。

住宅取得等資金の贈与非課税

父母や祖父母から資金援助を受ける場合、令和8年12月31日までの贈与であれば、省エネ等住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円まで贈与税が非課税になります。受贈者の要件は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上、合計所得金額2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)、床面積40㎡以上240㎡以下などです。

省エネ等住宅と認められるには、新築の場合、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上といった基準を満たし、住宅性能証明書などを贈与税の申告書に添付する必要があります。制度の期限が令和8年12月31日である以上、2026年中に贈与を実行するかどうかは早めに家族で決めておくことをおすすめします。

いくら貯めて、毎月いくら返すのか

注文住宅を建てた人の手持金は全国平均839.8万円、自己資金比率は住宅市場動向調査で31.2%です。ここから逆算すると、借入額と毎月返済額の現実的な水準が見えてきます。

自己資金(手持金)の実績値と自己資金比率

フラット35利用者調査の手持金は、注文住宅839.8万円、土地付注文住宅481.1万円、建売住宅428.8万円、マンション1,379.3万円です。首都圏の注文住宅では1,134.4万円、東京都では1,464.2万円まで上がります。

一方、住宅市場動向調査では自己資金比率が示されており、新築世帯と建て替え世帯で大きく異なります。

区分住宅建築資金(全国平均)うち自己資金自己資金比率
新築世帯5,110万円1,403万円27.5%
建て替え世帯6,135万円3,158万円51.5%

建て替え世帯の自己資金比率が51.5%と高いのは、既に土地を所有し、退職金や売却代金を充てられる世代が中心だからです。初めて家を建てる方は、自己資金比率27.5%前後を現実的な出発点として計画するとぶれにくくなります。

フラット35 年3.29%・35年で借りた場合の毎月返済額

注文住宅の建設費4,259.8万円から手持金839.8万円を差し引くと、借入額は約3,420万円です。これは同じ調査の資金調達内訳(機構買取・付保金3,247.9万円+その他の借入金174.4万円=3,422.3万円)ともほぼ一致します。

この3,420万円を、【フラット35】の2026年8月資金受取分の金利で試算します。借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下で最も多い金利は年3.290%です。

  • 前提:借入3,420万円/年3.29%(全期間固定)/35年/元利均等返済/ボーナス返済なし
  • 毎月返済額:約13.7万円
  • 総返済額:約5,763万円(うち利息 約2,343万円)

実績値である毎月12.39万円との差は約1.3万円です。これは借入期間や適用金利が一人ひとり異なるためで、上の試算は「35年・固定・満額借入」という条件をそろえたときの姿だと理解してください。金利タイプの選択肢と全期間固定の位置づけは、フラット35の仕組みと利用条件で整理しています。

総返済負担率23.0%から見た無理のない予算

注文住宅の総返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は全国平均23.0%、土地付注文住宅は26.4%です。この23.0%は一人ひとりの負担率を平均した値で、平均年収718.9万円と平均毎月返済額12.39万円(年間148.7万円)を割り算して得られる数字ではありません。年収の低い層ほど負担率が高く出るため、平均どうしの割り算より高い水準になります。

この比率を自分に当てはめると、上限の目安が出ます。年収600万円で負担率23%なら年間138万円、毎月11.5万円。年収800万円なら年間184万円、毎月15.3万円です。この毎月返済額から逆算して借入可能額を出し、そこに自己資金を足したものが総予算になります。建物価格から入るのではなく、返済額から入る。この順番を守るだけで、資金計画の破綻はかなり防げます。

予算帯別に何が変わるか|2026年の実勢で見る

建設費の中央値が3,900万円である以上、かつての「1,000万円台・2,000万円台・3,000万円台」という区分は実勢からずれています。2026年の水準に置き直すと、次のような整理になります。

予算帯(建物のみ)2026年の実勢での位置づけ現実的な選択
2,000万円台中央値を大きく下回る。延床20〜25坪規模総二階のシンプルな形状、設備は標準グレード、地域工務店中心
3,000万円台中央値3,900万円のすぐ下。最も件数が多い層延床30坪前後。断熱等級や設備のどちらを優先するか選択が必要
4,000万円台全国平均4,259.8万円と同水準延床35坪前後。長期優良住宅・ZEH水準を狙える。大手ハウスメーカーも選択肢
5,000万円台以上東京都平均5,131.3万円の水準首都圏の標準的な注文住宅。自然素材・中庭など設計自由度を確保しやすい

予算が中央値を下回る場合、まず効くのは延床面積の調整です。次に建物形状の単純化、その次に設備グレードという順で見直すと、性能を落とさずに総額を下げやすくなります。断熱性能を最後まで守るのは、住宅ローン減税と補助金の要件に直結するためです。

予算オーバーを防ぐために着工前に決めておくこと(INAの見解)

私たちが不動産の現場で見てきた限り、家づくりで予算が崩れる原因は「見積もりの読み違い」ではなく、判断の順番を間違えることにあります。多くの方が土地と間取りから入り、最後に資金計画を合わせにいきます。その結果、削れないものを削ることになります。

順番を逆にしてください。最初に決めるのは、毎月いくらまでなら無理なく返せるかです。総返済負担率23.0%という実績値は、その判断の物差しになります。次に、その返済額から借入可能額を出し、自己資金を足して総予算を確定させる。土地と建物の配分を決めるのは、そのあとです。

もう一つ、着工前に決めておきたいのが優先順位です。断熱性能、耐震性能、延床面積、設備グレード、外構。この5つに順位をつけておくと、見積もりが予算を超えたときに何から調整するかで迷いません。断熱と耐震を上位に置くことをおすすめするのは、住み心地だけでなく、減税・補助金の要件と将来の売却価格の両方に効くからです。

そして、担当者を選ぶことです。同じハウスメーカーでも、要望を予算に翻訳できる担当者とそうでない担当者では、最終的な総額が数百万円変わります。私たちが人財こそ最大の資産だと考えているのは、こうした場面で差が出るからです。会社の看板ではなく、目の前の担当者が数字の根拠を説明できるかを見てください。ハウスメーカーの比較で見るべきポイントもあわせて確認いただくと、判断の軸がはっきりします。

よくある質問(FAQ)

Q. 家を建てる費用は総額でいくら必要ですか?

土地から取得する場合、2025年度の全国平均は5,312.9万円、中央値は4,884万円です(住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」)。内訳は建設費3,737.6万円と土地取得費1,575.3万円で、ここに登記・印紙などの諸費用が20万円台から加わります。首都圏では所要資金の平均が6,404.4万円、中央値5,747万円に上がります。

Q. 坪単価はいくらが相場ですか?

2025年度の1㎡当たり建設費は全国平均35.9万円、中央値34.6万円です。1坪=3.30578㎡で換算すると、坪単価は約118.7万円・約114.4万円になります。首都圏は38.7万円/㎡(坪約127.9万円)、その他地域は34.6万円/㎡(坪約114.4万円)です。延床35坪なら本体部分で約4,000万〜4,150万円が目安になります。

Q. 建築費以外に諸費用はどのくらいかかりますか?

税金だけなら、建物評価額1,500万円・土地評価額1,000万円・借入3,420万円の前提で約22.67万円です(保存登記2.25万円、土地の移転登記15万円、抵当権設定3.42万円、印紙税2万円)。これに司法書士報酬、住宅ローンの事務手数料・保証料、火災保険料、地盤調査費などが加わります。

Q. 頭金はいくら用意すればよいですか?

実績値では、注文住宅を建てた人の手持金は全国平均839.8万円、首都圏1,134.4万円、東京都1,464.2万円です。自己資金比率で見ると、新築世帯は27.5%、建て替え世帯は51.5%です(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」)。初めて建てる方は、総額の3割弱を一つの目安に置くと計画が立てやすくなります。

Q. 建築費はこれからも上がりますか?

今後の見通しを断定することはできません。ただし実績として、注文住宅の建設費は2024年度3,932.1万円から2025年度4,259.8万円へ約8%上昇し、1㎡当たり建設費も33.3万円から35.9万円に上がっています。住宅面積はほぼ横ばいのため、単価の上昇が主因です。見積もりの有効期限と着工時期は、早めに確認しておくことをおすすめします。

引用・参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
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