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リロケーションとは|転勤中の自宅賃貸と管理委託の実務

リロケーションで転勤中の自宅を貸す時の契約形態、管理委託、住宅ローン、税務、原状回復、帰任時リスクを整理します。

最終更新: 約5分で読めます

リロケーションは、転勤や海外赴任中の自宅を賃貸して空き家化を防ぐ方法です。ただし、普通借家か定期借家か、住宅ローン、管理委託、原状回復、帰任時期を誤ると、自宅へ戻れないリスクがあります。

この記事のポイント

  • リロケーションでは、帰任時期を見据えて契約形態を選びます。
  • 住宅ローン、管理規約、保険、税務は賃貸前に確認します。
  • 自宅仕様の設備や家具は、貸す前に残す物・外す物を整理します。
  • 管理会社には入居審査、修繕、退去精算、緊急対応を委託します。

リロケーションとは何か?

リロケーションとは、転勤や海外赴任などで自宅を一時的に使わない期間、第三者へ賃貸する運用です。空き家のまま維持費だけを負担するより、賃料収入で固定費を補える可能性があります。

ただし、自宅は投資用物件と違い、帰任後に戻る可能性があります。そのため、契約期間と退去時期を慎重に設計する必要があります。

普通借家と定期借家の違い

契約形態 特徴 注意点
普通借家 借主保護が強い 帰任時に戻りにくい場合
定期借家 期間満了で終了しやすい 書面説明など手続きが重要
法人契約 安定しやすい 原状回復条件を確認
短期賃貸 柔軟性がある 収益と管理負担

帰任予定があるなら、定期借家契約を検討する場面が多くなります。手続きが不十分だと定期借家としての効力に問題が出るため、専門家確認が必要です。

貸す前に確認すること

住宅ローンを利用している場合、金融機関へ賃貸化の可否を確認します。管理規約、火災保険、地震保険、税務、固定資産税、住宅ローン控除への影響も見ます。

マンションでは、賃貸化の届出や使用細則がある場合があります。海外赴任中は書類対応が難しくなるため、出発前に手続きを済ませます。

管理会社へ委託する業務

業務 内容
入居者募集 賃料設定、広告、内見
入居審査 保証会社、属性確認
契約管理 契約書、更新、定期借家手続き
修繕対応 設備故障、緊急対応
退去精算 原状回復、敷金精算

海外赴任中は時差や距離があるため、自主管理は現実的でないことが多いです。管理委託料だけでなく、対応品質で選びます。

自宅を貸す時の原状回復リスク

自宅は、所有者の思い入れが強い設備や内装が残っていることがあります。借主が通常使用しても、所有者側が傷や汚れを過大に感じることがあります。

貸す前に、写真、設備一覧、残置物、取扱説明書、禁止事項を整理します。高価な家具や壊れやすい物は、原則として外しておくほうが安全です。

収支と税務の見方

リロケーション収入は、賃料だけでなく管理委託料、修繕費、保険、税金、空室期間を差し引いて見ます。海外赴任中の税務や確定申告も確認が必要です。

自宅を貸す判断は、収入だけでなく、空き家劣化防止、防犯、帰任時の柔軟性まで含めて行います。貸すことが目的ではなく、自宅という資産を守ることが目的です。

貸す前に家族で決めておくこと

リロケーションでは、賃料が入ることに目が向きがちですが、帰任時期、再入居の希望、家具を残すか、ペット可にするか、喫煙を認めるか、修繕判断を誰が行うかを先に決めます。海外赴任や遠方転勤では、後から現地確認できないため、初期設定が重要です。

家族の思い入れが強い自宅ほど、入居者の使い方にストレスを感じることがあります。貸すなら、賃貸物件として割り切る範囲と、絶対に守りたい条件を分けておきます。

定期借家契約で注意する点

帰任予定がある場合は定期借家契約が候補になります。ただし、定期借家は契約書面、事前説明、期間満了通知などの手続きが重要です。手続きが不十分だと、思った通りに終了できないリスクがあります。

入居者にとっては住める期間が限定されるため、賃料設定や募集期間に影響することもあります。家賃を高くしすぎるより、契約条件を理解した入居者を早く見つける方が、空室損を抑えられる場合があります。

住宅ローン・保険・税務の確認

住宅ローン中の自宅を貸す場合は、金融機関への確認が必要です。転勤などやむを得ない事情で認められることもありますが、無断で賃貸化すると契約違反になる可能性があります。

火災保険や地震保険も、自己居住から賃貸利用に変わることで確認事項が出ます。賃料収入が発生する場合は、必要経費、減価償却、固定資産税、管理委託料、修繕費、確定申告まで含めて収支を見ます。

よくある質問

リロケーションでは自宅に必ず戻れますか?

A. 契約形態次第です。帰任予定があるなら定期借家契約などを慎重に検討します。

住宅ローン中でも貸せますか?

A. 金融機関の確認が必要です。無断で賃貸化すると契約上の問題になる場合があります。

家具は残して貸してよいですか?

A. 可能ですが破損や原状回復で揉めやすいため、残す物と外す物を整理します。

管理会社は必要ですか?

A. 遠方や海外赴任中は必要性が高いです。募集、修繕、退去精算を委託できます。

参考資料

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者