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不動産登記で必須の「地目」とは?23種類の地目と変更手続きの実務ガイド

地目は不動産登記法で定める土地の用途区分。地目によって建築可否・融資条件・税負担が変わります。23種類の分類から調べ方・変更手続きまで専門家が実務的に解説します。

最終更新: 約4分で読めます

土地の購入・相続・活用において「地目(ちもく)」は必ず確認すべき基本情報だ。地目によって建物建築の可否・金融機関の融資条件・固定資産税の課税額が大きく異なり、見落としが後に大きなトラブルを招く可能性がある。本記事では地目の種類・調べ方・変更手続きまで実務的に解説する。

地目とは何か?

地目とは、不動産登記法に基づいて登記官が決定する「土地の主な用途」の区分のことだ。23種類に分類され、土地登記簿(登記事項証明書)の表題部に記載されている。

重要なのは、「登記上の地目」と「実際の利用状況」が異なる場合があるという点だ。登記記録は登記された時点の情報を反映しており、現状と乖離していることは珍しくない。土地の実態確認と登記上の地目確認を両方行うことが必要だ。

主要な地目の種類と特徴

宅地

住宅・店舗・工場の敷地として最も活用しやすい地目。建物が建っていない宅地は固定資産税の住宅用地特例が適用されず、税負担が重くなるため有効活用が経済的に合理的だ。

田・畑(農地)

農地法の規制下にあり、宅地への転用には農業委員会の許可(農地法第4・5条)が必要。農地転用は手続きが複雑で、農地のまま住宅ローンを組むことはほぼ不可能。行政書士への依頼が実務上の標準対応だ。

山林

建築は可能だが、森林法・都市計画法・建築基準法の複合的な制約がある。土砂災害警戒区域では建築が禁止される場合もあるため、取得前の法規制確認が不可欠だ。

雑種地

他の地目に該当しない土地(駐車場・資材置き場等)。建築は可能だが、金融機関の融資には宅地への地目変更が条件となるケースが多い。

原野・その他

原野(荒廃地)も建築可能だが、通常は宅地変更後に扱われる。牧場・境内地・保安林などの特定地目は用途が厳しく制限される。

不動産登記法上、住宅建設が可能な地目は?

23種類の地目のうち、宅地・山林・原野・農地・雑種地は住宅建設が可能な地目に該当する。ただし山林・原野は宅地への変更が必要な場合が多く、農地は農地転用許可が前提条件となる。

地目の調べ方

  1. 登記事項証明書の取得:法務局窓口・郵送・法務省「登記・供託オンライン申請システム」から取得可能。住宅ローン申請には正式な証明書(PDF不可)が必要。
  2. 固定資産税納税通知書の確認:課税証明書・評価証明書に地目が記載されている。手軽に確認できるが、課税上の地目と登記上の地目が異なる場合がある点に注意。

地目変更の手続きと注意点

地目変更登記は土地管轄の法務局に申請書を提出することで行う。登録免許税は不要で、交通費等の実費のみで手続き可能だ。

ケース手続き推奨
一般的な地目変更(宅地化等)法務局に申請書・案内図提出→現地調査→登記完了時間があれば自分で可
農地転用(田・畑→宅地)農業委員会の許可申請が別途必要行政書士へ依頼を推奨
相続・分筆が絡む場合地目変更以外の登記も必要司法書士・土地家屋調査士へ依頼

地目変更の申請義務は変更事実が生じた日から1ヶ月以内(不動産登記法第37条)。正当な理由なく怠ると過料が課せられる可能性がある。

FAQ

Q1. 地目と用途地域は何が違いますか?

地目は不動産登記法に基づく「土地の現在の用途」の区分です。用途地域は都市計画法に基づく「建てられる建物の種類」の規制区分です。両者は別の法律に基づいており、地目が宅地でも用途地域の制限を受けます。

Q2. 地目変更をしないとどうなりますか?

地目変更事実が生じた日から1ヶ月以内に申請しなければなりません(不動産登記法第37条)。怠ると10万円以下の過料が課せられる可能性があります。

Q3. 農地を相続したら宅地転用はすぐにできますか?

農業委員会の許可申請から宅地への地目変更まで、スムーズな場合でも3〜6ヶ月程度かかります。市街化調整区域内の農地は転用が制限される場合もあるため、事前確認が必要です。

Q4. 雑種地の土地を購入して住宅を建てる際の注意点は?

建築自体は可能ですが、住宅ローン利用には宅地への地目変更が必要な場合がほとんどです。また、都市計画法の開発許可が必要なケースもあるため、事前に行政窓口への確認をお勧めします。

Q5. 地目変更を専門家に頼む場合の費用は?

単純な地目変更のみなら行政書士・土地家屋調査士への依頼で数万円程度が目安です。農地転用が絡む場合や相続・分筆が必要な複合案件では10〜30万円程度になることもあります。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者