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浄化槽ブロア(ブロワー)は自分で交換できる?手順・費用・耐用年数5〜7年

浄化槽ブロア(ブロワー)の耐用年数は5〜7年で、不具合が出たときは自分で交換することも可能です。電源を切りホースを外す(工具不要)DIYの手順、業者に依頼した場合の費用相場、風量と口数の選び方、2つ口で「散気」と「逆洗」を間違えない注意点まで解説します。

最終更新: 約9分で読めます

浄化槽ブロアとは、浄化槽に取り付けられた送風機のことです。ブロアが正常に動作することで浄化槽内の微生物が活性化し、生活排水を適切に処理できます。耐用年数は5〜7年で、不具合が生じた場合は自分で交換することも可能です。この記事では、浄化槽ブロアの仕組み・交換方法・選び方のポイントを解説します。

浄化槽ブロアとは何か?

ブロアとは、浄化槽に空気を送り込む送風機です。浄化槽内には汚水を分解する微生物が生息しており、ブロアが空気(酸素)を供給することで微生物の働きが活性化されます。また送風による水の循環で、汚水が満遍なく浄化される仕組みです。

ブロアの耐用年数と故障サイン

ブロアの耐用年数は5〜7年が目安です。以下のサインが出たら交換を検討してください。

  • ブロアが全く動作していない
  • 異常音・大きな音が発生している
  • 吐出空気量が不足している
  • 異常に発熱している

浄化槽ブロアは自分で交換できる?

浄化槽ブロアの交換は自分で行うことができます。種類が合っていれば業者に依頼しなくても交換可能ですが、一部交換できない浄化槽もあるため事前確認が必要です。

交換費用の目安

ブロア本体の費用は風量によって異なります。

  • 小型(風量30〜40):1万〜1万2,000円程度
  • 大型(風量150以上):3万〜6万円程度
  • 一般家庭用は1〜2万円が目安

浄化槽ブロアの交換手順

  1. 電源を切る:必ずブロアの電源を切ってから作業を開始する
  2. 配管を外す:ゴム製ホースを手で外す(工具不要)
  3. 古いブロアを撤去する
  4. 新しいブロアを設置する:地面から10cm以上高く、壁から20cm程度離す
  5. 配管をつなぐ:2つ口の場合、「散気」と「逆洗」を間違えないよう注意
  6. 電源を入れて動作確認する

ブロア選びのポイント

風量を合わせる

風量が大きすぎると電気代が増加します。浄化槽の規模に合った適切な風量のブロアを選ぶことが重要です。

口の数を確認する

現在使用しているブロアと同じ口の数(1口または2口)のものを選んでください。2つ口の場合、散気口と逆洗口の左右が同じ製品を選ぶ必要があります。

浄化槽ブロアの管理は賃貸物件管理の実務においても重要なスキルです。設備管理の基礎として漏電の調べ方と対処法も合わせて押さえておきましょう。管理物件のメンテナンス全般については賃貸管理会社の選び方も参考になります。

浄化槽ブロアの電気代|24時間動かし続ける機器のコスト

ブロアは24時間365日、止めずに動かし続ける機器です。本体価格ばかりが注目されますが、実際には電気代のほうが毎年かかり続けます。交換機種を選ぶときは風量だけでなく消費電力も見てください。

電気代は次の式で計算できます。

年間電気代 = 消費電力(W)÷ 1,000 × 24時間 × 365日 × 電気料金単価(円/kWh)

電気料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込)で試算します。

風量 消費電力の目安 年間消費電力量 年間電気代の目安
40L/分 約33W 約289kWh 約8,960円
60L/分 約32〜39W 約280〜342kWh 約8,690〜10,590円
80L/分 約49〜58W 約429〜508kWh 約13,300〜15,750円

出典:消費電力は各社カタログ値の例(フジクリーン「汎用ブロワ 機種一覧」ほか)、電気料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問」(令和4年7月22日改定)

本体価格1〜2万円に対して、電気代は毎年8,000〜15,000円かかります。ランニングコストが本体価格と同等以上になる機器だと考えてください。同じ風量でも消費電力には差があるため、古い機種を使い続けている場合は、故障していなくても省エネ型への更新を検討する余地があります。

逆に、電気代を惜しんでブロアの電源を落とすのは最も避けるべき対応です。浄化槽内の微生物は酸素がなければ死滅し、再び立ち上げるには数週間かかります。環境省も浄化槽の使用上の注意として「ブロアの電源を絶対に切らない」ことを挙げています。

ブロアを止めたままにすると浄化槽法上の義務に触れる

浄化槽は、設置すれば終わりという設備ではありません。浄化槽法は「浄化槽管理者」に対して、保守点検・清掃・法定検査という3つの義務を課しています。浄化槽管理者とは、浄化槽法第2条第7号で「浄化槽の所有者、占有者その他の者で当該浄化槽の管理について権原を有するもの」と定義されています。

義務 根拠 頻度・期限
保守点検 浄化槽法第10条第1項 家庭用小型浄化槽は4か月に1回以上(処理方式・処理対象人員により異なる)
清掃 浄化槽法第10条第1項 年1回以上(全ばっ気型は6か月に1回以上)
設置後等の水質検査 浄化槽法第7条 使用開始後3か月を経過してから5か月以内に1回
定期検査 浄化槽法第11条 毎年1回
記録の保存 浄化槽法第10条第1項 保守点検・清掃の記録を3年間保管

出典:環境省「浄化槽Q&A(回答集)」、浄化槽法(e-Gov 法令検索)

ここで押さえておきたいのは、ブロアの停止そのものが直ちに罰則の対象になるわけではないという点です。問題になるのはその先です。ブロアが止まれば浄化槽は本来の処理性能を出せなくなり、保守点検や法定検査で不具合として記録されます。それでも改善しなければ、都道府県知事等による改善命令や使用停止命令(浄化槽法第12条)の対象になり得ます。この命令に違反した場合は6か月以下の懲役または100万円以下の罰金と定められています。

つまり「壊れたまま放置する」ことのリスクは、悪臭や近隣トラブルだけではありません。点検記録に不具合が残り続けること自体が、行政指導に至る入口になります。異音や停止に気づいた時点で対応してください。

賃貸物件のブロアは誰が交換するのか

ここからは、持ち家ではなく賃貸物件でブロアが故障した場合の話です。検索ではあまり触れられませんが、実務では判断を誤りやすい論点です。

結論から言うと、賃貸物件の浄化槽管理者は通常、建物の所有者であるオーナーです。浄化槽は建物に付属する設備であり、その管理について権原を有するのは所有者だからです。したがって、ブロアが自然に寿命を迎えて故障した場合の交換費用は、原則としてオーナー負担になります。民法第606条第1項が定める貸主の修繕義務の範囲です。

状況 負担の考え方 根拠
経年劣化による故障 オーナー負担 貸主の修繕義務(民法第606条第1項)
入居者が電源を切って停止させた 入居者負担となる可能性 善管注意義務違反(民法第400条・第415条)
入居者がものをぶつけて破損させた 入居者負担 同上
保守点検・清掃・法定検査の費用 契約で定めがなければオーナー負担 浄化槽管理者の義務(浄化槽法第10条ほか)

出典:民法(e-Gov 法令検索)、浄化槽法(e-Gov 法令検索)

不動産管理の現場から付け加えると、入居者が善意で自分でブロアを買ってきて交換してしまうケースが、実は一番やっかいです。理由は3つあります。

  • 型式が合わないまま設置される。浄化槽の処理方式によって必要な風量や吐出口の数は決まっています。安価な汎用品を付けると風量不足で処理性能が落ち、法定検査で不適正と判定される原因になります。
  • 保守点検業者の記録と食い違う。点検記録には設置機器が記載されます。オーナーも管理会社も知らないうちに機器が入れ替わっていると、次の点検で整合が取れません。
  • 費用の精算がこじれる。本来オーナー負担のものを入居者が立て替えた形になり、退去時の精算で争点になります。

そのため管理実務では、入居者からブロアの異音や停止の連絡を受けたら、入居者に交換させず、管理会社またはオーナーが保守点検業者経由で手配するのが原則です。入居者向けの入居のしおりに「浄化槽のブロアは絶対に電源を切らないこと」「異音がしたら自分で対処せず管理会社へ連絡すること」の2点を明記しておくと、トラブルの大半は防げます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 浄化槽ブロアとは何ですか?
浄化槽に空気を送り込む送風機です。浄化槽内の微生物の活性化と汚水の循環に必要な機器です。
Q2. ブロアの寿命はどのくらいですか?
一般的に5〜7年が耐用年数の目安です。異常音・動作不具合が見られたら早めに交換を検討してください。
Q3. ブロアの交換費用はいくらかかりますか?
一般家庭用は1〜2万円程度が目安です。業者に依頼する場合は工賃が別途必要です。
Q4. 古いブロアと同じメーカーを選ぶ必要はありますか?
同じメーカーでなくても構いません。風量と口の数(1口・2口)が合っていれば別メーカーへの交換が可能です。
Q5. ブロアが壊れたままにするとどうなりますか?
浄化槽内の微生物が死滅し、汚水が適切に処理されなくなります。悪臭の発生や法定検査への影響もあるため、早めに対処してください。
Q6. ブロアの電気代は年間いくらかかりますか?
風量40L/分で約8,960円、60L/分で約8,690〜10,590円、80L/分で約13,300〜15,750円が目安です(電気料金単価31円/kWhで試算)。24時間365日動かし続ける機器なので、本体価格と同等以上のランニングコストがかかります。
Q7. 賃貸アパートでブロアが壊れたら、入居者が自分で交換してよいですか?
原則として入居者が交換すべきではありません。浄化槽管理者は通常オーナーであり、経年劣化による故障の交換費用は貸主の修繕義務(民法第606条第1項)の範囲です。型式が合わない機器を付けると法定検査で不適正と判定される原因にもなります。異音や停止に気づいたら、自分で対処せず管理会社へ連絡してください。
Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEO — INA&Associates株式会社

INA&Associates株式会社 代表取締役社長。首都圏・近畿圏を中心に不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントを統括。収益不動産投資戦略と超富裕層向け不動産コンサルティングを専門領域とする。

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

合格・取得資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者