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賃貸物件の平均入居期間とは?安定経営のために延ばす4つの方法

賃貸経営の重要指標「平均入居期間」を徹底解説。定期清掃・コミュニケーション・設備対応・更新特典の4つの延長策で安定収益を実現。プロの管理で収益最大化を。

約6分で読めます

賃貸経営ではさまざまな指標が重視されますが、そのうちの1つに「平均入居期間」があります。安定した家賃収入を得るには入居率だけでなく、同じ入居者がどれだけ長く住み続けているかという視点が欠かせません。本記事では、平均入居期間の重要性と、それを延ばすための実践的な4つの方法をご紹介します。

平均入居期間とは何か?

平均入居期間とは、同じ入居者が同じ部屋にどれだけの期間入居し続けているかを示す指標です。入居率が高くても入れ替わりが激しければ、修繕費や仲介手数料がかさみ、実質的な収益は低下します。

平均入居期間の定義

賃貸物件には更新が設けられており、入居者は更新にあたり入居し続けるか、引っ越すかの選択肢があります。平均入居期間が長い物件は、同じ入居者が長く住み続けていることを意味し、必然的に入居率も高くなります。

一方、入居率のみ高く平均入居期間が短い場合は、入居者の入れ替わりが激しい状態です。物件自体の需要は高くても定着率が低い物件といえます。安定した家賃収入を得るためには、入居率の高さだけでなく平均入居期間にも着目すべきです。

平均入居期間の統計データ

日本賃貸住宅管理協会の調査によると、入居者属性によって平均入居期間には特徴があります。

  • 学生・一般単身:卒業や転勤に伴う転居が多く、2〜4年が最多
  • 一般ファミリー:4〜6年が中心だが、一般単身者と比較して最大2年の差
  • 高齢者:生活変化が少ないため、6年以上が最多

なぜ平均入居期間を延ばすことが重要なのか?

退去が発生するたびに修繕費と仲介手数料が発生し、実質的な家賃収入が減少します。平均入居期間を延ばすことが、最も効率的に安定収益を確保する方法です。

修繕費は一般的に家賃1ヶ月分に相当し、仲介手数料もおよそ家賃1ヶ月分に相当します。例えば月10万円の家賃で2年ごとに転居が発生する場合、実質得られる家賃収入は22ヶ月分となります。

項目金額
2年間の家賃収入(10万円×24ヶ月)240万円
修繕費-10万円
仲介手数料-10万円
実質収入220万円(22ヶ月分)

短いスパンで転居が発生するほど、修繕費や仲介手数料の負担が増え、実質的な利益は少なくなります。長く入居してもらえるほど支出が減り、安定した収入が得られる状態になります。

さらに少子高齢化社会により、入居にアクティブな学生や社会人の人口が減少しており、新規入居者の母数自体が少なくなっています。敷金礼金0円物件も増え、これらは収益源として期待できなくなりました。今日では既存入居者に長く住んでもらう戦略がより重要になっています。

平均入居期間を延ばす4つの方法とは?

定期清掃の徹底、入居者との丁寧なコミュニケーション、設備故障への迅速対応、更新時の特典プレゼントの4つが、平均入居期間を延ばす実践的な方法です。

1. 定期清掃の徹底

共用部の清潔感は、入居者の満足度に直結します。共用部は管理人であるオーナーの管轄であり、清掃の責任を負います。ゴミが散乱していたり清掃されていない様子が見てわかるようでは、入居者は気持ちよく住めません。定期清掃により物件の清潔感を維持している場合、居住年数は約20%アップするとのデータもあり、基本でありながら効果の高い施策です。

2. 入居者との丁寧なコミュニケーション

やむを得ない事情を除き、退去の原因となるのは物件に対する何らかの不満です。この不満を蓄積させず改善していくには、入居者の要望や不満を聞き入れる体制が不可欠です。オーナーは住環境というサービスを提供している立場であり、アンケートで満足度や希望を調査するなど、積極的なコミュニケーションが重要です。

3. 設備故障への迅速な対応

エアコンや給湯器など生活に関わる設備の故障には、迅速な対応が求められます。たらい回しにされたり対応が遅いケースは、入居者の不信感につながります。設備故障時こそ管理側の対応力が問われる場面であり、常に迅速に対応できる体制を整えておく必要があります。

4. 更新時の特典プレゼント

契約更新時に特典を提供することで、入居者に住み続けるメリットを感じてもらう方法です。特典の目安は家賃1ヶ月分相当で、以下のような内容が効果的です。

  • 家電(ドライヤー、ケトルなど)
  • 家具(テーブル、ソファなど)
  • 設備(温水洗浄便座、化粧台など)
  • チケット(旅券、宿泊券など)
  • 商品券(3〜5万円相当)
  • 1ヶ月フリーレント

退去が発生すると空室損失は平均5ヶ月分発生するとされています。家賃1ヶ月相当の特典は、それに比べれば高い費用対効果を発揮します。入居年数に合わせて特典をグレードアップしていくことで、長く住み続けようという心理効果も働きます。

平均入居期間の延長には、ストレスフリーな賃貸管理の仕組みも大きく貢献します。また、賃貸管理に関する法規制を理解した上での適切な対応も重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 平均入居期間とは何ですか?

平均入居期間とは、同じ入居者が同じ部屋にどれだけの期間入居し続けているかを示す指標です。入居率と合わせて、賃貸経営の安定性を測る重要な数値です。

Q. 平均入居期間が短いとどのような問題がありますか?

退去のたびに修繕費(家賃約1ヶ月分)と仲介手数料(家賃約1ヶ月分)が発生し、実質的な家賃収入が減少します。さらに空室期間中の収入もゼロとなり、退去1回あたり平均5ヶ月分の空室損失が生じるとされています。

Q. 定期清掃で本当に入居期間は延びますか?

定期清掃により物件の清潔感をキープしている場合、居住年数は約20%アップするというデータがあります。共用部の清潔感は入居者の満足度に直結する基本的かつ効果の高い施策です。

Q. 更新時の特典の費用対効果はどの程度ですか?

退去が発生すると平均5ヶ月分の空室損失に加え、修繕費や仲介手数料も発生します。家賃1ヶ月分相当の特典でこれらを防げるなら、非常に高い費用対効果を発揮するといえます。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

保有資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者