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築古物件の再生リノベーション事例|満室にした挑戦と対話の記録

築古物件の大規模リノベーション事例。INA&Associatesが挑戦と対話の企業文化で、テレワーク対応型住居への再生と相場超え賃料での満室達成を実現した全記録。

約11分で読めます

INA&Associates株式会社では挑戦を重視し、失敗を恐れず行動する文化が息づいています。その象徴的なエピソードが、築年数が経過し価値が低下していた物件の再生プロジェクトです。日本全国で築30年以上の賃貸住宅が増え続けるなか、老朽化した物件をどう活かすかは不動産業界全体の課題です。建て替えにはコストと時間がかかり、放置すれば空室率が上昇し資産価値は下落する一方——こうした背景のなかで、INAはあえて「築古物件の価値を再生する」という困難な道を選びました。

神奈川県横浜市青葉区にあるこの建物(1987年竣工)は、かつて賃貸マンションや学生寮として利用されていました。竣工から30年以上が経過し、外装・内装ともに経年劣化が進み、設備も時代遅れとなっていました。年月とともに賃料は下落傾向にあり、オーナー様にとって活用方法に悩む物件となっていたのです。誰もが再生は難しいと感じる築古物件に対し、INAは大胆な改修計画に乗り出しました。

失敗を恐れず、大規模リノベーションの決断

物件価値を最大化するため、INAチームは従来の発想にとらわれないプランニングを開始しました。一般的に築古物件の改修では、原状回復や表層リフォーム(壁紙の張替え、設備の交換など)にとどまるケースが少なくありません。しかし、それだけでは周辺の新築・築浅物件と差別化できず、賃料を維持・向上させることは困難です。INAチームは、中途半端な修繕では市場で埋没するだけだと判断し、失敗を恐れず思い切った投資と全面的な改修をオーナー様にご提案し、ご決断いただきました。

2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークが急速に普及しました。住まいに「働く場所」としての機能が求められるようになり、通勤の利便性よりも居住空間の広さや快適さを重視する人が増え、都心から郊外へ住み替えるトレンドも生まれていました。INAチームはこの社会変化をいち早く捉え、全住戸と共用部にわたる大規模リノベーションを実施。当時急速に高まっていたテレワーク需要に応える住まいへと生まれ変わらせる計画を立てました。

特に注目すべきは、各住戸でそれぞれ異なる間取り・デザインを採用したことです。通常の賃貸リノベーションでは、施工コストや管理のしやすさを考え、全室統一の仕様にすることが一般的です。しかしINAは、住む人一人ひとりのライフスタイルに寄り添った多様な選択肢を提供するため、あえてそれぞれの住戸に個性を持たせるというリスクの高い挑戦を行いました。一部住戸にはリモートワーク専用の造作デスクスペースを設け、別の住戸では開放的なリビングを広く取るなど、多様な暮らし方に対応できる設計としたのです。

同時に、共用部にもオートロックや宅配ボックスを新設するなど、現代の暮らしに求められるセキュリティと利便性への設備投資も惜しみませんでした。宅配ボックスの設置は、在宅勤務中に荷物の受け取りで業務を中断しなくて済むという点で、テレワーカーにとって実用的な価値がありました。このような大胆な取り組み提案が可能だったのは、「現状を上回る価値を生み出そう」という向上心と、仮に計画が思い通りに進まなくともそこから学び次に活かすという前向きさがチーム全体に共有されていたからです。

もちろん道のりは平坦ではありませんでした。築古物件の改修では、壁を解体して初めて分かる配管の劣化や構造上の制約など、図面だけでは把握しきれない課題がつきものです。本プロジェクトでも工事の途中で予期せぬ問題が発生し、計画の練り直しを迫られる場面がありました。しかしINAの文化が支えるチームは萎縮することなく、問題に直面するたびにメンバー同士が積極的に意見を交わしました。設計、施工管理、賃貸管理など各分野の専門家が集まり知恵を出し合う社内の対話によって、困難な課題も一つひとつ解決していきました。このプロセスそのものが、私たちのカルチャーを体現しています。

相場を超える賃料への挑戦 — リーシングの苦闘と工夫

改修が完了した物件は、明るい無垢材のフローリング(一部住戸)、新設のシステムキッチンや追い焚き機能付きバスルーム、そして全室に高速インターネット(NURO光)を導入したテレワーク対応型の魅力的な物件に生まれ変わりました。住戸ごとに異なるデザインコンセプトを持ち、内見に訪れた方が「同じ建物とは思えない」と驚くほどの変貌を遂げたのです。

しかし本当の挑戦はここからでした。物件を収益化するには、この付加価値に見合った賃料で入居者を募らなければなりません。私たちは市場を徹底的に調査し、周辺エリアの築年数・広さ・設備が類似する物件の賃料相場を分析したうえで、このエリアの相場を超える強気の賃料を提案しました。築古物件でありながら、リノベーションによる付加価値を賃料に反映させるという判断です。大胆な価格設定にはリスクが伴います。周辺相場より高い賃料では、入居希望者が集まらない可能性もありました。

当初、募集を開始した直後は、内見に訪れたお客様から「駅から少し遠い築古の物件にしては高いのでは」という声も正直にいただきました。築年数だけを見れば割高に感じられるのは当然のことです。そこで私たちは失敗を恐れず戦略を練り直しました。賃料に見合う価値を正しく伝えるため、チームはプロモーション方法を根本から見直したのです。

具体的には、物件の魅力を体感してもらうための内覧会イベントを企画・開催しました。ワークスペースにデスクや椅子を配置し、実際に仕事をする様子をイメージできるモデルルームのような演出も取り入れました。さらに、コロナ禍で対面での内見を躊躇する方に向けて、オンラインでのバーチャル内見ツアーも実施。動画や360度パノラマ画像を活用し、遠方からでも物件の雰囲気を掴めるよう工夫しました。これらの施策では、ただ設備が新しいというだけではなく「テレワークに最適な暮らし方ができる家」というコンセプトを前面に打ち出し、物件の本質的な価値を訴求しました。

また、問い合わせをいただいた方一人ひとりに丁寧に対応し、リモートワークでの悩みや理想の住まい像をヒアリングしたうえで、「この物件ならそれが実現できる」ということを対話を通じて伝えていきました。画一的な営業トークではなく、それぞれの方の生活スタイルに合わせた提案を心がけたのです。

「人と人との対話」が生んだ成功

リーシング活動における最大の鍵は、人と人との対話でした。私たちは単に条件面の交渉をするのではなく、入居を検討する方々や賃貸仲介会社の方々と真正面から向き合い、そのニーズや不安に耳を傾けました。仲介会社に対しても、物件の特徴やターゲット層を丁寧に説明し、「なぜこの賃料設定なのか」という背景を共有することで、自信を持ってお客様に紹介していただける関係を構築しました。

例えば、ある在宅勤務が中心のご夫婦は当初賃料の高さに迷いがありました。しかし、担当者が直接対話する中でこの住まいで得られる生活の質や快適さについて共感を深めていただくことができました。「リモートワーク用の造作デスクがあるおかげで仕事に集中でき、オフタイムには眺めの良いバルコニーでリフレッシュできる」——そんな将来の暮らしを具体的に思い描いてもらえるよう、私たちは熱意を持って語りかけました。その結果、ご夫婦は「多少家賃が高くてもここに住む価値がある」と納得し入居を決めてくださいました。

このように対話を重ねる地道な取り組みによって、次第に評判を呼び、多くのお問い合わせをいただくようになりました。入居された方からの口コミや紹介も生まれ、物件の認知度は着実に広がっていきました。物件の完成から程なくして複数の入居契約が成立し、オーナー様が想定していた以上のスピードで満室に近づいていきました。

最終的には、市場相場を上回る賃料設定にもかかわらず満室を実現し、物件価値の劇的な向上に成功しました。築古物件が新たな魅力を纏い、入居者に選ばれる住まいへと生まれ変わったことは、オーナー様にとって資産価値の回復にとどまらず、長期的な収益基盤の確立を意味するものでした。この成功の背景には、単なる数値上の工夫だけでなく「人」を中心に据えたINAの企業文化があったことは言うまでもありません。

挑戦と対話を尊重する文化が生む成長

この再生プロジェクトは、INAのカルチャーコードを体現する象徴的なストーリーです。挑戦を恐れない心があったからこそ、大胆なリノベーションと高い賃料設定という困難に踏み込むことができました。失敗を糧にする前向きさがあったからこそ、計画途中の軌道修正やリーシング戦略の見直しにも柔軟に対応できました。そして何より、人との対話を大切にする姿勢があったからこそ、入居者や関係者との信頼関係を築き上げ、プロジェクトを成功へと導くことができたのです。

築古物件の増加と人口減少により空室問題が深刻化するいま、物件の再生に正面から取り組み新たな価値を創出する——このプロジェクトは、その決意を示す一つの実例です。

この企業文化は、共に働く仲間にとっても、私たちに仕事を託すクライアント様にとっても、大きな魅力であり安心感につながります。社員一人ひとりが向上心を持って挑戦を楽しみ、失敗を恐れずに新たなアイデアを試せる環境が整っているため、常に進化し続けるサービス提供が可能です。また、クライアントやパートナーとの対話を重視することで、相互理解に基づく本質的なソリューションを導き出します。

最後に、INAのカルチャーを今回の事例に改めて言葉にすれば、次のようになります。

  • 挑戦を重視し、失敗を恐れず行動する: 現状に満足せず常に新しい課題に踏み出す勇気を持ち、たとえ失敗してもそれを学びに変えて前進します。
  • 向上心と前向きさを持ち続ける: 個人もチームも常に成長を目指し、困難に直面してもポジティブに捉えて解決策を生み出します。
  • 人と人との対話を大切にする: 社内でも社外でも相手の声に耳を傾け、対話を通じて信頼関係を築き、共に価値を創造していきます。

このカルチャーコードこそが、INA&Associates株式会社の原動力です。私たちはこれからもこの文化を胸に、更なる挑戦を続けていきます。そして「この会社になら自分の未来を託したい」「このチームになら安心して仕事を任せられる」——そう思っていただける存在であり続けるために、人と人とのつながりを大切にしながら、不動産業界に新たな価値を創出し続けていきます。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

保有資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 行政書士
  • 個人情報保護士
  • 甲種防火管理者
  • 競売不動産取扱主任者
  • マンション維持修繕技術者
  • 貸金業務取扱主任者