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不動産融資審査で問われる債務償還年数とは?計算方法と改善策を解説

債務償還年数は融資審査の重要指標です。計算式・理想の年数(20年以内)・改善方法・注意点をプロ向けに解説。節税と融資可能性の両立も検討します。

約3分で読めます

不動産投資で金融機関から融資を受ける際、審査では様々な指標が確認されます。その中でも重要な指標が債務償還年数です。この概念を正しく理解することで、融資可能性を高め、より安定した投資計画を立てられます。

債務償還年数とは何か?

債務償還年数とは、現在のキャッシュフローをベースに、借入金を何年で完済できるかを示す指標です。金融機関が返済能力を判断する際の核心的な数値であり、これが長すぎると返済能力なしと判断され、審査落ちにつながります。

債務償還年数の計算式

債務償還年数 = 借入金の残高 ÷(税引き後利益 + 減価償却費)

借入残高が多い、または収益性の低い物件ほど年数が長くなる傾向があります。

理想的な債務償還年数はどれくらいか?

一般的に20年以内が理想とされています。不動産投資では返済期間が10〜35年になることも珍しくありませんが、装置型産業である不動産では固定資産の割合が大きいため、20年以内をクリアすることが融資可能性を広げます。金融機関によっては25年まで許容するケースもありますが、選択肢が限られます。

債務償還年数を改善する方法

借入残高を減らす

繰り上げ返済や元金均等返済の選択により、残高を早期に圧縮できます。繰り上げ返済は他の指標にも影響する可能性があるため、総合的な収益シミュレーションを行った上で判断することが重要です。

経常利益+減価償却費を増やす

利益の最大化・支出の適正化に加え、評価を上方修正できる要素を積極的に取り入れることで、分母を大きくし債務償還年数を短縮できます。

融資審査で気をつけるべき注意点

節税のしすぎは逆効果

過度な節税対策によって帳簿上の利益を圧縮すると、税引き後利益が小さくなり債務償還年数が長くなります。バランスの取れた節税戦略が融資と節税の両立には不可欠です。

築古物件の耐用年数に注意

築年数が長い物件は耐用年数が短く、将来的な建て替え・大規模修繕リスクが高いとみなされます。これが債務償還年数の悪化要因となります。

継続的なモニタリングが必要

融資を受けた後も定期的に債務償還年数を計算し、悪化の原因を早期に特定・改善することが安定した不動産経営につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 債務償還年数20年超でも融資を受けられますか?
A. 一部の金融機関は25年を許容しますが、選択肢が絞られます。改善策を取った上で複数の金融機関に相談することを推奨します。
Q. 自己資金の割合を増やすと改善しますか?
A. 借入残高が減るため改善効果があります。ただし自己資金利回りとのバランスも考慮が必要です。
Q. 複数物件を保有する場合、どう計算しますか?
A. 通常は全物件の合算で計算されます。ポートフォリオ全体のキャッシュフロー改善が必要です。
Q. 減価償却費はなぜ分母に加算するのですか?
A. 減価償却費は実際のキャッシュアウトを伴わない費用のため、実質的な返済能力を示す指標に加算されます。
Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

保有資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
  • 公認不動産コンサルティングマスター
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
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  • 行政書士
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