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転貸借契約書の作成ガイド|空室保証型・パススルー型の違いとリスク対策

転貸借(サブリース)の2種類(空室保証型・パススルー型)と契約書の必須記載事項、契約解除条件を解説。不動産オーナーが知るべきリスク管理の要点。

約4分で読めます

転貸借契約は、不動産管理会社が所有者から物件を借り上げ、入居者に転貸する方式です。適切な契約書を整備することでリスクを最小化し、安定した賃貸経営を実現できます。本記事では転貸借の仕組み・種類・契約書作成のポイントを解説します。

転貸借とは何か?

転貸借とは、借りたものをさらに第三者に貸すことです。民法612条では、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに転貸することを原則禁止しています。不動産における転貸借では所有者の承諾が必須となり、無断転貸の場合は契約解除の対象となります。ただし不動産については、所有者が承諾しない場合でも借主に建物買取請求権や造作買取請求権が認められるケースがあります。

転貸借契約の2種類とは?

不動産業界における転貸借には、主に2つの形態があります。

空室保証型転貸借

管理会社が空室や家賃滞納が発生しても、オーナーに賃料を保証する方式です。保証賃料は通常の市場賃料の85〜90%で設定されますが、オーナーは収益の安定性を確保できます。稼働率90%以上を達成できれば管理会社側も収益が出る構造です。

パススルー型転貸借

空室保証をせず、実際の入居状況に応じた賃料を支払う方式です。保証賃料は90〜95%と高めに設定されますが、空室リスクはオーナーが負います。管理会社のリスクが低い分、基本管理業務に集中できます。

転貸借契約書に必須の記載事項は?

①所有者からの承諾を必ず取得する

承諾なしの転貸借は契約違反となります。承諾書を書面で取得し、保管してください。

②使用目的・対象期間・転賃料を明記する

居住用か事業用かの使用目的、契約期間、転賃料の支払い期限と方法を具体的に記載します。トラブル防止のため支払い期限の明示が重要です。

③義務・禁止事項・契約解除事由を明記する

ペット禁止・改装禁止などの禁止事項や、転借人の義務、契約解除事由(賃料滞納・用途違反等)を明確に記載します。

④原状回復義務について記載する

法律上、転借人は明け渡し・原状回復義務を負いますが、追加条件がある場合は契約書に明記することでトラブルを防止できます。

⑤管轄裁判所を明記する

訴訟に発展した場合に備え、管轄裁判所を事前に特定しておくことが実務上の標準です。

転貸借契約期間中に解除はできるか?

期間中であっても、契約解除事由に該当する場合(賃料滞納、正当事由ある解約等)は解除が可能です。当事者間の合意解約も実務上は多く見られます。複雑なケースでは弁護士への相談が迅速な解決につながります。

賃貸管理全般の戦略については、賃貸経営の成否を分ける「リーシング業務」とは?もあわせてご覧ください。

FAQ:転貸借契約についてよくある疑問

Q1. 転貸借と通常の賃貸管理委託の違いは何ですか?

管理委託では所有者が入居者と直接契約しますが、転貸借では管理会社がいったん借り上げて入居者に転貸します。所有者と入居者の間に管理会社が介在するため、責任の所在が異なります。

Q2. 転貸借でサブリース詐欺に遭わないためにはどうすればよいですか?

賃料保証の期間・減額条件・解約条件を契約書で詳細に確認することが必須です。「家賃保証」という言葉に惑わされず、減額・解約の条件を必ず確認してください。

Q3. パススルー型と空室保証型、どちらを選ぶべきですか?

安定収益を優先するなら空室保証型、収益率を重視するならパススルー型が適しています。物件の立地・稼働実績・オーナーのリスク許容度で判断してください。

Q4. 転貸借契約書はどこで作成できますか?

不動産業者・弁護士・司法書士に依頼できます。雛形を使用する場合も、物件固有の条件に合わせたカスタマイズが重要です。

Q5. 転借人が無断で再転貸した場合はどうなりますか?

転借人による無断転貸は契約違反となり、転貸借契約の解除事由に該当します。契約書に「再転貸の禁止」を明示しておくことが重要です。

Daisuke Inazawa, President & CEO of INA&Associates Inc.

著者

代表取締役社長 / CEOINA&Associates株式会社

稲澤 大輔(いなざわ・だいすけ)は、INA&Associates株式会社の代表取締役社長(CEO)。大阪本店・東京営業所を拠点に、首都圏・近畿圏における不動産売買仲介、賃貸仲介、プロパティマネジメントの三事業を統括する。

専門領域は、収益不動産の投資戦略立案、賃貸経営の収支最適化、超富裕層(UHNWI)・機関投資家向け不動産コンサルティング、およびクロスボーダー不動産投資。国内外の投資家に対し、データと長期視点に基づくアドバイザリーを提供している。

「企業の最も重要な資産は人財である」を経営理念に掲げ、人財投資カンパニーとして持続可能な企業価値の創造に取り組む。経営者として、変化の時代におけるリーダーシップのあり方と組織文化についても積極的に発信を続けている。

保有資格は11種:宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、行政書士、個人情報保護士、甲種防火管理者、競売不動産取扱主任者、マンション維持修繕技術者、貸金業務取扱主任者。

  • 宅地建物取引士
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  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
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